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先輩の決断は!? イマドキの進路選び実態調査!

  • 大学合格、その先の道を知ろう
  • [2017/6/22]

先輩たちは卒業後の進路をいつ、どのように決めていたのだろうか。
アンケート調査をもとに、進路にまつわる不安や希望などリアルな声を紹介する。

※以下のデータは、旺文社発行『大学の真の実力 情報公開BOOK』の調査に対する国立大学81校473学部、公立大学81校182学部、私立大学553校1,622学部の有効回答をもとに算出。

Q1 国立・公立・私立、大学卒業後の進路の割合は?

就職者の割合は国公私立ともに増加。国立大では卒業者の3割が進学!

 志望大学・学部を選ぶ際、卒業後の進路状況も少なからずポイントとなる。高校でも将来の就職を考えたうえで大学を選ぶといった進路研究は多く行われており、大学卒業後の進路に対する意識は高い。リーマン・ショック(2008年9月)に影響を受け、大学生の就職難が社会問題化したことは記憶に新しいだろう。やがて大学生の就職状況は改善トレンドとなり、大卒者に占める就職者の割合は、2011年以降6年連続アップとなっている(文部科学省)。今回の調査でも、国公私立大学とも、就職者の割合は昨年に比べて上昇した。
 大卒者の進路は、国立・公立・私立のそれぞれで特徴的。全国的には、国立大学は進学者が多く、公立大学は就職者が多い。私立大学は就職者が多い一方、その他の者も少なくないという状況だ。
 進学率が高いのは、国公私立大学ともに理、工、農、薬(4年制)の各系統だ。とりわけ、国立大学では、集計対象となった81大学473学部のうち、42大学91学部で進学率が50%を超えている。その91学部のうち77学部が理、工、農系統で、13学部が薬系統となっており、この4系統でほぼすべてを占めている。大学としては北海道大学、東北大学、東京工業大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学など研究拠点大学が名を連ねている。公立大学も進学率50%超の9大学12学部のうち、9学部が理、工、農系統、4年制の薬が3学部だ。私立大学も同様で12大学19学部のうち、理、工、農系統が12学部を占め、6学部が薬だ。学問の進展による各分野のクロスオーバーと学問内容の高度化などが背景にあると考えられる。


意外に多い“第4の進路”「その他」の実態は?

 アンケートの結果で多かったのが留学だ。卒業後以外に、大学2、3年次に1年間休学して在籍したまま留学という人もいる。また、休学してNPOなどで活動する人や留年者もいる。


※学部はいずれもコースなどを含む。就職者は「正規職員など」「非正規職員など」の合計。


Q2 学部系統別の卒業後の、進路の割合は?

理、工、農、医、看護の各系統の進路決定率は、アタマひとつ高い!

 理系の3系統(理、工、農)は、大学院への進学者が多く、就職者と合わせた進路決定率は高くなる。進学者の割合の高さは、グラフのなかでも際立っている。また、医系統、看護・医療・栄養系統は安定した国家試験合格率を背景に、進路が決定する率も高くなっている。
 一方、文系学部は理系3系統に比べると、進学者の割合はグッと下がるが、ここ最近の良好な就職状況を反映して85%前後の進路決定率となっている。文学部をはじめとする人文系の学部と、法学部や経済学部などの社会科学系の学部の間に、進路決定率の大きな差異がないのも目をひく。
 歯系統は、国家試験合格率の低迷が進路決定率を押し下げていると考えられる。ちなみに、薬剤師国家試験合格率が昨年63.2%⇒今年76.9%と好転した薬系統は、進路決定率も80.0%⇒84.8%と上昇した。


Q3 国立・公立・私立、正社員と非正規社員の割合は?

40万人強が就職し、そのうち2万人が非正規での雇用という現実

 この10年余り、大学卒業者数は56万人前後で推移している(文部科学省資料)。一方、企業などの社員採用は景気の動向や、雇用に関する法制にも左右される面があるとともに、収容能力にも限りがある。就職希望者と雇用者の両者のマッチングが適切にいかない場合、大学卒業後に正社員での採用が得られず、結果、雇用期間の定めがある非正規社員となる場合もある。もちろん、都合のよい期間や時間に働きたいという自発的な考えのもと、非正規での雇用を選択するケースも考えられるが、少数派だろう。
 調査では、卒業生全体の4.5%が非正規社員での就職という結果となった。40万人強が就職し、そのうち約2万人が非正規という数値で、一昨年、昨年と同じ傾向を示した。

※正社員=正規の職員・従業員、自営業主など。雇用の期間の定めのないものとして就職した者。個人経営の事業を営んでいる者および家族の営む事業に継続的に本業として従事する者。
※非正規社員=正規の職員などでない者。雇用の期間が1年以上で期間の定めのある者で、かつ1週間の所定の労働時間がおおむね30~40時間程度の者。派遣労働者を含む場合もある。


※ここから以下のデータは、螢雪リポーターおよび株式会社トモノカイ登録の大学4年生から2016年の大学卒業生を対象に行ったアンケート調査の有効回答をもとに算出。記載した大学名・学部名は在籍校または卒業校を示す。

Q4 進路を決めたのはいつ?

就職

●就職を考えるようになったきっかけは、大学3年次のインターンシップ。それまで就職と進学で迷っていたが、働くイメージがつかめ、早く社会に出て働いてみたいと思うようになった。(慶應義塾大-経済学部・女)
●高校生の時から旅行業に興味があったため、大学院進学は当初から考えていなかった。大学時代の旅行会社でのアルバイトを通じて、就職したいという気持ちが高まった。(明治大-国際日本学部・男)
●高校時に海外に行った際、日本のメーカーの品を数多く目にしたのがきっかけ。社会に出て、自分が誇れる日本製品をもっと多く、海外にアピールする仕事をしたいと思った。(慶應義塾大-文学部・女)


進学

●高校時から博士課程まで進むつもりだったので、大学受験の志望校はそれを前提に選んだ。入学後もその考えは変わらず、大学3年次の研究室も博士課程まで続けていけることを基準に選んだ。(東北大-工学部・男)
●大学院進学を考えたきっかけは、大学への入学。理工系の学部で研究らしい研究ができるのは、大学院に進んでからこそという雰囲気を感じた。(東京工業大-理学部・女)
●大学1年の時、「理工系は、大学院に行くのと行かないのとでは生涯収入に大きく差が出る」と聞いてから、大学院への進学を意識し始めた。(名古屋大-工学部・男)

大学3年次が卒業後の分岐点!?

 上のデータによると、就職者・進学者ともにもっとも多くの先輩が、大学3年次に進路を決めていた。3年次といえば多くの大学で、文系は専門知識を学ぶ授業となり、理系は研究室に所属するなど、より専門性の高い内容に触れることになる。また、就職に向けて、インターンシップなどの動きも活発になる時期だ。
 アンケートのコメントからは、進路を考えるにあたって、大学内の同級生たちの雰囲気にも影響されていた様子がうかがえる。理系学部では「大学院に行くのが当たり前という雰囲気」があったという声があがっている。一方、文系学部では「大学院に行くと就職の選択肢が狭まると聞いた」などの記載も多い。


Q5 最終的な進路の決め手は何?

就職

●生きがいになるような仕事をしたいと思っていたため、就職では自分のやりたい内容の仕事ができることを最優先に考えた。また女性なので給料の額よりも、働く理由をはっきりわかったうえで働きたいと思った。(京都大-法学部・女)
●自分の将来の目標は、どんな環境下でも生きていくことができるようになることなので、自身の能力を向上させたいと考えた。そのため、就職する業界や企業は、自分がスキルアップできる仕事内容を選んだ。(明治大-理工学部・男)
●大手企業の経営不振というニュースが少なくない昨今、将来への不安を抱えざるを得ない。日本は海外と違って、転職はまだまだ少数という状況を考えると、高額な給与よりも安定性こそ一番重視すべきだと感じた。(中央大-法学部・男)
●仕事とプライベートのメリハリをつけて、両方充実させたいという思いがあったので、ワーク・ライフ・バランスを重視した。休みの日にはきちんと休めるか、結婚後や出産後も働きやすい環境かなども確認した。(京都府立大-生命環境学部・女)


進学


●自分のやりたい研究内容にこだわって、大学院を決めた。研究室ではできないと思っていたVR(バーチャルリアリティ)の研究が驚くほど進んでいたことが決め手になった。(東京大-工学部・男)
●学部時代の研究室の教授が学生一人ひとりにしっかり目を配り、いつも適切なアドバイスをしてくださる方だった。信頼していたので、この教授のもとでさらに学んでいくことを決めた。(明治大-農学部・女)
●大学4年次に、研究室に配属されてから新しく始めた研究をより深く進めたいという思いから、進学を決めた。そのため、学部で4年間通っていた大学の院にそのまま進んだ。(神戸大-医学部(保健学科)・女)
●教授と学生が一緒に研究している環境がすばらしいと思ったのが、大学進学の決め手。国際的な研究拠点として知られ、国内外で活躍している人材、充実した施設など、理想的な教育研究環境だから。また海外へ学生を派遣していることも今の大学院を選んだ理由。(東北大-理学部・男)


内容に加えて、将来のライフスタイルも考慮

 就職者の回答でもっとも多いのが「仕事内容」だった一方、コメントでは「ライフ・ワーク・バランス(仕事と生活の調和)」に関するものも多い。これは「やりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たす一方で、子育て・介護の時間や、家庭、地域、自己啓発等にかかる個人の時間を持てる健康で豊かな生活ができる」(内閣府「仕事と生活の調和憲章」より)ことを目指すもの。仕事内容を重視しつつ、将来の働き方もしっかり考えているようだ。
 また進学者では「研究内容や実績」をもっとも重視した人が6割以上。そのうえで、「研究室の大学院卒業後の就職実績を調べた」「社会に貢献できる専門家になれると感じた」といったコメントから、卒業後の就職も視野に入れて研究室を選ぶ姿がうかがえる。


Q6 進路が決まるまで、不安だったことは?

就職

●就職先について、自分の選択が正しいのかが不安だった。自分は何をやりたいのか、何を優先して考えればいいのかなど、自己分析をすればするほどわからなくなっていた。(東洋大-文学部・女)
●就職活動は、受験期のようにやることが明確でない。採用されるかどうかの基準が不透明で、「これをやれば採用される」といった方法や途中の目標がわからず、自分の努力だけではどうにもならないことが不安だった。(慶應義塾大-法学部・男)
●大学で部活動が4年次まであったので、就職活動にかける時間が十分には確保できなかった。就活対策にたっぷりと時間を割いてきたライバルと競って勝てるのかが不安だった。(早稲田大-文化構想学部・男)
●同級生が次々に内定をもらい、取り残されていく感があった。何度もお祈りメール(不採用通知)をもらい、本当に自分は就職できるのか不安だった。(関西学院大-法学部・女)
●周りの就活生が自分よりもニ歩も三歩も社会を知っている大人に見えた。本当に自分が社会で通用するのか、実感が持てず不安だった。(中央大-法学部・男)


進学

●大学院生としての生活が具体的にわからないことを不安に感じていた。(東京大-工学部・男)
●一番不安だったのは学費。学部生のうちも奨学金を借りていたのでさらに借金を増やすことが不安だったが、なかには成績・実績によって免除になる制度もあると聞き、大きな励みになった。(東京工業大-工学部・男)
●大学受験の時のように落ちたらどうしようという心配と同時に、入学後の勉強が大変という不安要素もあった。また英語のTOEICのスコアを提出しなくてはいけなかったので、英語面の不安も大きかった。(名古屋工業大-工学部・男)
●院試の勉強も大変で、やっぱり就職しようかという迷いもあった。実際に研究を始めてみるまで、自分が研究者に向いているのかも不安だった。(慶應義塾大-理工学部・女)
●学費を出してくれる両親の事を考えると、やはり就職したほうがよいのではないかと不安だった。(東京農工大-工学部・女)


決まるまでの不安は、大学受験以上!?

 試験の準備期間や合否を待つ間に不安はつきもの。アンケートでは、就職者・進学者ともに合格できるかという不安がもっとも多かった。
 加えて就職者は、各企業の合格の基準が、ペーパーテストの点数のように明確に表せないことや、企業により採用人数が少ないことも、「合格できるか」という不安を募らせる原因になったようだ。また「どの業界、企業を選ぶか」という問題は答えが必ずしもひとつとは限らないだけに、「考えれば考えるほどわからなくなった」というコメントも寄せられている。
 一方、進学者では「不合格の場合は就職になる可能性もある点が不安だった」というコメントも目立つ。また文系学部の進学者からは、「文系にとって少数派の進路」を選ぶことへの不安の声もあがっている。


Q7 将来について、どう感じている?

就職


●「ここで働きたい」と思えた会社で働けることに、ワクワクした思いでいっぱい。初めの3年はめちゃめちゃ働いて社会人としての基礎を身につけたい。その後、その先の自分のキャリアについて考えていこうと思っている。(早稲田大-商学部・男)
●育休や短時間勤務などワーク・ライフ・バランスを考慮した制度が整っているのはありがたいが、利用した場合の減給が想像以上に大きくショックを受けている。副業とまではいかないが個人でお金を稼ぐ方法や仕組みについて考える必要があると感じている。(新潟大-教育学部・女)
●実際に働き出した今、新人で何もできない自分が歯がゆく、責任の重さから、このままやっていけるのだろうかという不安もある。しかし尊敬できる先輩方も多く、いつか肩を並べて働けるようになりたいと思っている。(東京医科歯科大-医学部(看護)・女)
●同じ職場に子育て中の女性が複数いるので、将来もワーク・ライフ・バランスが安定して、ずっと働けそうだと希望を持っている。(早稲田大-社会科学部・女)


進学


●大学院を卒業後、希望・専門を生かした職につきたいと感じている。大学院で身につけた能力を生かした仕事をしたい。(大阪大-理学部・女)
●大学院での研究は研究スキルだけでなく、自分ひとりで計画、実行することが求められる。まだ難しいことはあるが、それができるようになってきていることに、自分の成長を感じている。(京都大-工学部・男)
●大学院に行かないよりは行った方が就職の選択肢の幅が広がると感じたので、かなり迷いながら進学を選んだ。興味のある研究内容に希望は持っている一方、卒業後、行きたい業界に就職できるのかが不透明なことが不安。(横浜国立大-理工学部・女)
●同学年の人が社会人になるなか、社会に出るのが遅くなることに焦りを感じる。また、研究室の先輩たちは専門的な知識、研究への姿勢など、雲の上のような存在で、自分はあんなすごい存在になれるだろうかと不安になる。(東京大-工学部・男)


就職者は社会情勢、進学者は就職を不安視

 就職者・進学者ともに6割弱が「希望を感じている」、3割前後が「不安を感じている」という結果だった。
 就職者が希望を感じる内容としては、「社会人として成長したい」「スキルアップしたい」など、就職したことで将来に夢や目標を抱いているようだ。また、不安を感じる要素は「老後が心配」といった、人口減少や年金問題などの社会情勢を反映したものがあがっている。
 一方、進学者からは卒業後の就職に関するコメントも多く寄せられている。「将来、進む道の選択肢が広がる」と希望を感じている人と、「進学しても就職が保証されているわけではない」と不安を感じている人の両方がいた。文系・理系の違いや、専門分野、研究室により、大学院卒業後の就職状況の違いが反映された結果といえる。

この記事は「螢雪時代(2017年7月号)」より転載いたしました。


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