page_top

小論文の書き方・対策

小論文は、自分の考えをそのまま書けば合格するというものではない。
出題テーマがどのような形式かによっても、対策が異なる。
合格するにはどのような点に気をつけて、どのように書けばいいのか。具体的にみていこう。

課題論述型

限られた条件から、論述する対象を設定することが求められる。対立する考え方を踏まえて論述をふくらませるのが、合格のコツ。課題へのかかわり方を、書き始める前にしっかりと整理しておこう。

[例題]

行政機関における犬および猫の殺処分は必要か?
必要とする場合はその理由を書きなさい。
必要ないとする場合は解決策を書きなさい。(制限字数:800 字)

弘前大学 医学部保健学科検査技術科学専攻 2018 年度AO 入試から出題


攻略のポイント① ターゲットを見定めて対策を立てる

 課題論述型の設問文は短く少ない。とはいうものの、それは、与えられたヒントを元に自分の意見を自由に述べてよいということではない。むしろ、限られた情報のなかからターゲットを見定めて、その枠のなかで論述する必要がある。
 この課題の場合は「行政機関」による「犬および猫の殺処分」を対象にしている。その枠から離れて「動物愛護」について論を広げるのは、たとえ優れた見識であっても合格する小論文作成にはつながることにはならない。
 文章を書くための「対策」とは、「冒頭の意見の組み立て方」にある。
 ① ズバリと自分の立場を明確にする。
 ② 対立意見の良い点を挙げる。
 ③ ②を乗り超える意見を展開する。
 ここまでが、「冒頭の意見の組み立て方」。ここから先は、自分がどうして①および③の考えに至ったかを、じっくりと述べる。「対策」のスタイルを身につけて、さまざまな課題にチャレンジしてみよう。


合格するための解答作成手順

①「合格しそうで合格しない」パターン。設問に対応していない時点でアウト

①「合格しやすい」パターン。論点を見出すことでこそ合格解答は生まれる


攻略のポイント② イメージを、大きく。理由も、大きく。

 ターゲットとなる「行政」は、個人ではない。社会的な組織である。個人が抱く「感情」のあり方を、「理由」や「対策」として挙げるのはふさわしくない。仮にその処分がなかったらどのような影響が発生するかを、不特定多数の人々を念頭に考察してみよう。
 より多くの人がかかわる主語を想定したら、自分の意見における「理由」も、大きく捉えたい。「社会」において「(不特定多数の人々の)安心や安全」を考慮することで、個人の「感情」を上回る大きな視点が生まれ文章の深さや広さが表現できるようになる。

NGポイント
方向違いの論述は評価の対象外

●何はともあれ設問対応
 社会的な見識において正論を書いてさえおけば、合格するのだろうか。答えはNO。何はともあれ、設問に対応していなければ得点にはつながらない。
 ボランティアなどの実績も、設問の求めるものでない場合には、評価の対象とはならない。
 「何を対象に書くのか」という点を見失ったままでは、合格するための解答は手に入らない。

●人間の感情を「解決策」にするリスク
 「優しい心」という言葉は、とても響きが良い。これを人々が持つことで、問題は解決できる、と思うことは不自然ではない。さて、本来、人間の感情は千差万別で多様なものである。いかに素晴らしい感情であっても、全員が同じ感情に立つことを前提にするのは、「多様性の否定」につながりかねない。それは、論文としては避けるべきリスクである。

GOODポイント
【最優先事項】設問の条件に明確に対応すること

●少ない条件だからこそ広い視点で
 「私」の立場から文章を書くこともできる。しかし、合格する小論文には、広い視点が求められているのだ。「命の尊厳を守る」という視点も広く重要なものだが、対立意見として位置づけた。論述する上で、設問の条件である「理由」を明確に支えるのが、「人間の社会生活」という観点だったからだ。課題の条件が少ない時こそ、視野を広げ意見を整理しよう。

●立場はスッキリと表明する
 「殺処分」は、本来ならば実施してほしくない。生命を大切にしたい。一方で、行政が対応してくれなければ日常生活に支障が出てきそうだとも思う。日常生活では、こうした迷いはよくあることだ。しかし、合格するための小論文では、どちらかの立場に立たなくてはならない。対立する意見の利点にも触れ、自説を補いつつ、立場を明快に示そう。


文章読解型

文章を読みながら、筆者がもっとも伝えたかった事項をくみ取る。設問の指示に注意しながら、筆者の意見に対する自分の意見を述べる。ものごとの多様性への関心を問う課題が増えている。

[例題]

Ⅰ 以下の文章は、事故により記憶障害1)を持った方が調理士学校を卒業後、就職したフランス料理店での様子を彼のお母さんが書いたものの一部である。この文章を読んで、障害を持った方を社会で支えるために、周囲の人たちが出来ることについて、あなたの考えを800 字以内で答えなさい。

 去年から息子はフランス料理店で働き始めています。最初は当然お皿洗いからスタートです。ところが息子はお鍋やお皿の片付け場所を何度教わっても覚えられません。「このお皿の片付け場所は、さっきも聞いた」ということは覚えているのですが、どこだったか覚えられないのです。ところがここにもすばらしい助け人がいました。そのお店には、お皿を洗いに来ている知的障害2)の人がおられ、その人に何回同じことをたずねても、そのたびにその場所まで一緒に行って、「ここだよ」と優しく教えて下さったそうです。その人がいなかったら息子は1ヶ月も勤まらなかったかもしれません。お店も息子を雇い続けることをあきらめたかもしれません。
 息子はコックとして雇われましたが、一度に複数のことを同時進行しなければならない調理は不可能に近く、疲れると混乱し、夏の暑さに負けて、精神的にも肉体的にもダウンしてしまいました。これでいよいよ首かなと覚悟しましたら、社長さんが「それなら涼しいフロアに出しましょう」とおっしゃって下さいました。接客などなおさら無理と私どもは思いましたが、社長さんが「首にしない」とおっしゃって下さいましたので、フロアの皆様も対応を考えて下さり、現在はお水を注いだりお皿を下げたり、裏でお皿を洗ったりしてなんとか頑張っています。
 先日フランス人のマネージャーが「彼はすぐフォゲット3)ね。でも落ち着かせて座らせると思い出すね。一つずつ言うと大丈夫ね。ステップバイステップ4)ね。」とお話下さり、いかに職場の皆様が上手に対応して下さっているかがよくわかりました。

注)
1)記憶障害とは、日常の出来事などが完全には覚えられない症状で、脳の障害に基づく高次脳機能障害のひとつとされている。
2)知的障害とは、知的機能の低下が発達期までに現われるもので、家庭生活や対人関係などの適応技能の障害を伴う。
3)フォゲット forget「忘れる」
4)ステップバイステップ step by step「一歩、一歩、段階的に」
NPO 法人日本脳外傷友の会編「高次脳機能障害とともに」(せせらぎ出版2011 年)30-31 ページより、小林恵子著 
社会復帰のキーワードは「笑顔」から、一部改変の上、引用。

金沢大学 医薬保健学域保健学類作業療法学専攻 2018 年度推薦入試問題から出題



攻略のポイント① 何を対象にして論述するのか

 ひとまとまりの文章を読む。そうすれば、それなりの〈感想〉が生まれてくることだろう。この文章においては、記憶障害がある方のご苦労に対して、「気の毒だ」などの気持ちを抱く人がいるかもしれない。「どんなレストランなんだろう、行ってみたいな」と思った人もいるかもしれない。文章を読めば、人それぞれに注目するポイントも異なり、抱く感想もさまざまである。それが、普通のこと。
 しかし、受験の「文章読解」は別。設問において求められている「対象」を見誤った段階で、合格のための解答から遠ざかったと考えてほしい。この場合には、「周囲の人」が対象。
 対象に対して「すばらしい」「感心する」などの個人の感情を振り向けていては、高評価を受ける小論文にはなりにくい。対象を〈具体的なものごと〉から〈どういう点に価値があるのかが示された存在〉へと、〈くくりあげ〉る必要がある。今回の問題では「社会を構成する一員として環境を共有する」者と位置づけた。

攻略のポイント② 文章に構成を与えよう

 自分を述べる上でのテンプレートを紹介する。
① 設問の条件に対応する内容を簡潔に述べる。
② 対立する意見を記す。その意見の良いところを述べるのがコツである。このことで、総合的な視野を持つことを解答に盛り込むことができる。①とは段落を改め、「たしかに」で書き始めるのがふさわしい。ここで「なぜなら」と始めて、意見を持つに至った理由を述べる構成もあるが、それでは文章全体に広がりが生まれにくくなる。
③ 「しかし」で書き始める。②を上回る意見を書き込もう。「~ではないだろうか。」という問題提起型の文末も効果を発揮する。
④ 接続詞は「そもそも」。論述の中心となる考え方を述べよう。なるべく大きなイメージで。
⑤ 「ただし」以降で、意見を補足する。
 ①~③は、上の課題論述型解説にて「対策」として紹介した。型が定まっていることで、思考の活動が活発になる。身につけて、活用してほしい。

攻略のポイント③ 文体についての注意

 文章を書き進める上で注意したいのが「表現上のポイント」。いわゆる「文体」の整え方である。
●「だ・である」調に統一しよう
 文末の表現。「私はその意見に賛成します」という「です・ます」調よりは、「私はその意見に賛成だ」という「だ・である」調で統一しよう。
●「と思う」はなるべく使わない
 「筆者はそのことに関心を持っているのだと思う。」
という文から「と思う」を除去してみる。そのことで文に切れ味が生まれる。確信が持てない内容の場合には「筆者はそのことに関心を持っているのだろう。」と推量形でしめくくればよい。
●ここぞというときの「疑問形」
 もっとも強調したい箇所にきたら、疑問形を使ってみよう。「それこそが筆者の考えに近いのではないだろうか。」という具合だ。使いすぎには注意したい。
●一文はなるべく簡潔に
 長い一文は混乱を生む。短文を重ねる練習をしよう。

◆合格へのアドバイス ~【練習】「 社会」を使いこなす

 【問題】下線部を説明せよ
Q.高校生活における制服の社会的側面
【ヒント1】 社会とは「集団」である
 人間はひとりで生きていくことができない。個人に対しての集団。それこそが「社会」。
A〈 他者とかかわる集団に所属しているという側面〉
【ヒント2】 社会とは「ルール」である
 多くの人と営む集団生活には、ルールが必要だ。個人の自由に対する集団のルール。それこそが「社会」。
A〈 集団内のルールを共有していることを示す側面〉
【ヒント3】 社会とは「役割」である
 イワシの群れと人間の集団生活。個体が集団内部で役割を持ち組織を形成しているのが人間。役割を自他共に理解し利用する環境。それこそが「社会」。
A〈 高校生という位置づけを自他に共有させる側面〉
【まとめ】 どのA(正解)を使うかは文脈次第
 「社会」という語は、いくつもの意味を含んでいる。問題の文章をよく読んで、扱うのにふさわしい意味を選択しよう。今回の設問では「多様性」という意味を発掘した。言葉の意味、その奥は深い。冒険しよう。

NGポイント
良い考えではあるものの……

●設問の条件を見失えばアウト
 文章を読む。感情が揺さぶられる。それをそのまま記述する。これでは、合格解答を得ることができない。設問の条件を満たすことを忘れてはならないのである。「社会で支える」という条件は見落としてはならない。「社会」をどのように捉えているのかを示すことで説得力は増すのだが、それが見られない。いかに良い意見でも、小論文としては不十分。

●「経験」の扱い方について
 合格に向けて自分をアピールしておこうと考え、ボランティアや留学などの経験を小論文のなかに盛り込むことがある。しかし、設問のなかに「経験を踏まえよ」などの条件がない場合を除いては、基本的に書き入れない方がよい。設問の主旨からそれている場合には、なおさらだ。障害がある方々に「支えられた」経験は、主旨に沿うものではない。

GOODポイント
文章から〈価値〉を発掘した解答

●〈価値〉とは〈具体例の奥に潜む意味〉
 問題文はエピソードが紹介されているだけの文章である。筆者が、その具体的事項に〈価値〉を書き添えているわけではない。小論文の書き手が〈価値〉を発掘する必要がある。「フランス料理店の人々」という具体例の奥から、社会における原理のひとつである「多様性」を発掘してきた。〈価値〉の発掘は、文章読解型の解答作成における重要なスキルだ。

●対立意見への対応が適切
 障害がある人々を特別扱いする姿勢は、今回の論旨からすれば「対立意見」である。ここで注意が必要。「対立意見」への攻撃は、ちょっと待ってほしい。むしろ、その意見のなかから良い点を見出して評価するよう心がけてみよう。そして、「対立意見」を乗り越えるほどの視点を、その後の文で示すのだ。そのことで、文章に豊かな奥行きが生まれる。

資料分析型

分布のかたよりを見分け、変化の経緯を見届ける。その奥に潜んでいる「論じる上でもっとも重要な対象」を見抜く。「すべてを説明する」のではなく、最優先事項を論述する対応が求められる。

[例題]

下記の図は、日本を含む7カ国の満13歳から満29歳までの男女を対象にした「自分についてのイメージ」に関する内閣府の意識調査結果の一部です。この結果に関連する次の各問に答えなさい。

図 【国別】自分の考えをはっきり相手に伝えることができる

〔出典 内閣府:平成25年度 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査
http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/thinking/h25/pdf_index.html( 平成 29 年 8月30日アクセス)〕


【問1】 (省略)
【問2】 あなたは、選択肢のどれを選びますか。その理由を述べるとともに、あなたの体験をふまえて“自分の考えをはっきり相手に伝える”ことに対する自身の課題を600 字以内で述べなさい。なお、どの選択肢を選んでも、そのこと自体は採点に影響しません。

群馬県立県民健康科学大学看護学部看護学科 平成30年度推薦入試問題から出題


攻略のポイント① 「読み取り」とは何か?

 資料とは、世界の動きを文章以外の方法で表現したもの。資料分析の第一歩は、文章以外のデータを対象に、もっとも顕著な変化を見つけること。この段階で、すべての数値を対象にしてしまうと、最重要課題を見逃すことになる。資料は、ひとまず、大きくとらえることが大切。次に、その変化の「意味」をとらえていく。 その際には、〈くくりあげ〉の手法が役に立つだろう。
 この設問では、「韓国・アメリカ・英国・ドイツ・フランス・スウェーデン」を「比較されている諸国」とくくりあげて、日本の傾向の特殊性にのみ注目する方針とした。「13 歳から29 歳までの男女」を「青少年」とくくった上で、「自分の考えをはっきりと相手に伝えることができる」ことに関する回答に関して、設問の表現を利用しながら、日本の傾向を「自分についてのイメージを消極的なものとして受け取っている」とまとめた。そこにある数値や具体的な事項から意味をくみ取り、言葉としてくくりあげることは、資料分析型の読み取りの基本。挑戦してみよう。

攻略のポイント② 論述は設問文に寄り添いながら

 さて、資料の示す「意味」をくみ取ったら、次は、論述。何よりも大切なのは、設問文の条件を見きわめることだ。
 ① 資料内の選択肢を利用して自分の姿勢を示す
 ② その理由を示す
 ③ 自分の体験を踏まえる
 ④ 自分自身の課題を挙げる
 このように、「やならなければならないこと」を書き出してみることにしよう。そして、それらを一つひとつ解決するのである。注意したいのは、②。理由を述べる際には、「なぜならば」と文をはじめて、ひとつの文で語り尽くしてしまう場合がある。理由を述べる前に、一度立ち止まってほしい。その理由は、「個人」の感情に基づくものか、あるいは、社会的な動きに連動するものか、と。小論文としては、後者の視点に立つのが望ましい。この場合は、「日本の青少年」の傾向に注目することで、理由とした。③の体験談は、テーマに即して、できるだけ簡潔に。

攻略のポイント③ 物事には善悪の両面がある

 「自分の考えをはっきりと相手に伝えることができる」ことは、〈善〉。意見を伝えられないことは、〈悪〉。そのように決めつけてしまう人もいることだろう。日本の傾向を〈悪〉と位置づけ、自分自身のエピソードを織り込みながら、日本人を批判するような論調が予想されるところだ。まるで、反省文である。
 小論文とは、反省文ではない。〈善〉〈悪〉の双方の面を見届けた上で、自分の立場を表明し、理由を述べることで、小論文としての奥行きが生まれるのだ。
 「自分についてのイメージを消極的なものとして受け取っている」日本人の姿勢を〈悪〉と片づけてしまうのではなく、「他者との関係を尊重する」側面を見届けた上で乗り越えるべき課題点を設定してこそ、合格するための小論文といえる。
 向かい合う「課題」も、自己を反省するだけではなく、「自他ともに学び成長する」というような「どういう点にたどり着きたいのか」が示されている前向きな視線を盛り込むことで、積極的で豊かな文章となる。

【くくりあげの練習】 次のA~Fの語群に共通する要素を空欄に記入せよ。

A イヌ サル イノシシ トリ ヘビ=(     )
B 群馬 栃木 埼玉 神奈川 茨城 千葉 新潟=(     )
C 火 水 木 金 土 日 月=(     )
D テレビ パソコン 携帯電話 =(     )
E テレビ パソコン 携帯電話手紙=(     )
F パソコン 携帯電話 手紙 あやとり=(     )

【解答例】

A〈十二支の生物〉B〈関東甲信越〉:関東地方に新潟が加わっている。これは関東地区以外の人にはわかりにくかったかな。C〈曜日〉:惑星と答えると日と月が該当しない。D〈通信に利用する電化製品〉E〈通信手段〉:Dを通信手段と答えても間違いではないけれど、「手紙」が含まれているデータとそうでないデータがある場合、その違いについてよく考えてから答えてほしい。F〈双方向性〉:これは難しかったね。共通項は、「情報や意志を相互にやりとりすること」以外に見当たらない。


◆合格へのアドバイス ~くくりあげ~

 人、鯨、ネコ、ネズミ。これらを「哺乳類」という特徴ですくいあげるのを〈くくりあげ〉と名づけてみる。人、鯨、ネコ、カエル。これを「哺乳類」とくくりあげるのは間違いだ。「脊椎動物」あたりがふさわしい。「地球上の生物」というくくりあげは、ちょっと大げさ過ぎるだろう。資料の具体的な項目を適切に〈くくりあげ〉するのが、腕の見せどころ。
 複数のデータを対象に論述のポイントをつくるためには、一つひとつを読み上げるのではなく、その最大の特徴を〈くくりあげる〉のが有効となる。
 小論文とは、細かい数値を報告する場ではない。論述すべき対象を限定した上で、それに対してどのような評価を施すか、その過程を示すことが、合格解答作成のための条件である。
 資料分析とは、データの奥に潜む「意味」や「価値」を見届ける行為に他ならない。そして、それは、データの向こうにある人や世界への想像力によって促され培われる。世界へのまなざしを鍛えよう。

NGポイント
資料と関係のない論述は×

●資料を利用しよう
 たしかに、資料のグラフについてコメントを示さないままに書くことができる内容である。しかしながら、それでは資料が示されている意味がない。大まかな傾向で問題ないので、与えられているデータについて言及し、その大まかな傾向を利用しよう。資料の内容を利用することで、個人的感情からより大きな視点へと意見の枠組みを広げることができる。

●体験談のボリュームに注意
 自分の身に起きたことは、書きやすい。適切に〈くくりあげ〉ることができなければ、起きたことをすべて書かなければならない気分になる。こうしたことで、ついつい長くなる。設問に「体験をふまえ」とあるから書くのだが、その際にはくれぐれもボリュームに注意。何のために紹介するエピソードなのかを示し、必要な点だけを簡潔に示そう。

GOODポイント
大きく深く論述するには

●資料を適切に利用している
 資料を利用する。それは、すべての数値を読み上げて細かく比較対照することではない。そのデータの奥にある大きな傾向をとらえ、それを論述の方針とすることだ。図における「日本」の状況を対象とした上で、「他者との関係を尊重し調和を重んずる傾向」を推測したことで、論述の枠組みがしっかりとした。自らが見定める課題も、前向きで積極的である。

●物事を総合的にとらえている
 与えられているテーマに対して、〈善〉〈悪〉の双方から考察が加えられている。このように対立する考え方の双方から検証する姿勢を「総合的である」として評価する傾向があり、教育系や医療系では特に注意して実践することを勧める。資料の示すところの背景を推量したり、自分の考えの根拠を示したりする際にも、発想の上で有効な思考スタイルとなる。

今月の入試対策

supported by螢雪時代

大学を比べる・決める

My クリップリスト

0大学 0学部 クリップ中