センター試験で思うように点が取れなかった先輩は、その要因をどのように分析し、2次試験で挽回したのか、その秘訣を紹介しよう。
北海道大学 文学部 人文科学科 S・Sさん
2016年入学
山形県立酒田東高校 2016年卒 男子
得意科目:国語、日本史
苦手科目:数学
入学大学の配点比率:センター試験 40% 2次試験 60%
センター試験の結果
センター試験の反省
対策開始が遅すぎたこと、
苦手を潰せなかったことが
失敗の大きな要因
私の場合、2次試験対策に重きを置きすぎてセンター試験対策がおろそかになってしまいました。センター試験対策に本腰を入れたのは12月の中頃、本番まで正味1か月もありませんでした。単純に対策期間が足りないと、思うように力を伸ばせません。
また、苦手をセンター試験までに潰せなかったのも大きく響きました。私は苦手な数学を最後まで攻略することができず、本番は悲惨な結果になってしまいました(とくに数学Ⅱ・B)。苦手科目がひとつでもあると、その科目で得点できないばかりか、その科目に躍起になっているうちに、ほかの科目の対策もおろそかになってしまい、全体の点数に影響してしまいます。こればっかりは直前でどうにかできるものではないので、早いうちから継続的に取り組むか、いっそ切るのが賢明かもしれません。
どの科目も一気に解いて
余った時間で見直す練習をし
スピードと正答率を上げる
センター試験は時間との勝負です。どの科目でも熟考している暇はあまりないので、まず一気に解いて、余った時間で見直すというスタイルのほうが、スピードと正答率の折衷ができてよいと思います。
解く順番としては、過去問や模試をいくつか解いて、自分が得意だと思った大問から解くのがよいでしょう。私の場合は、「国語:古文→漢文→評論→小説」「英語:長文→語彙」というように解き進めました。ただし、得意とする大問が思いがけず難化することもあるので、解く順番を変えるなどして柔軟に対応しましょう。
また、2日間で全科目を解かなければならないので体力勝負でもあります。昼食を摂るべきか否かなど、自分の体質に合った行動を選択してコンディションを万全にしましょう。私は英語でウトウトしてしまいました。
センター試験はココに注意!
国語
基本を心得ていれば
容易に解ける
難しい言葉のある選択肢が「答えっぽく」見えがちですが、語彙があれば回避できるミスが多いです。和歌は修辞法、白文の書き下しは返読・再読文字を心得ていれば容易に解けます。惑わされないようにしてください。
日本史
知識を文章ごとに
身につけ、時系列も押さえる
いかに「知識を文章ごと身につけているか」が問われます。単純な一問一答ではなく、文で覚えるようにしていれば簡単に感じるでしょう。教科書などで確認しつつ、時系列も押さえれば完璧です。あとは間違い探しの要領です。
英語
語彙・アクセントは
日頃の積み重ねが大切
長文は一問一問の点数が大きいので、稼ぐならココです。語彙・アクセントなどは日頃の積み重ねによるところがあるので、早いうちから取り組みましょう。リスニングは、過ぎた問題を回顧する癖をなくすと集中しやすいです。
逆転勝利へのアドバイス
早いうちから2次力を
盤石にしていたことが功を奏す
センター試験より2次試験に重きを置いたことは、当然2次試験ではプラスに働きました。2次力を早いうちから盤石にしておいたおかげで問題演習に集中することができ、2次逆転で合格できました。背水の陣で、油断なく2次試験に臨めた部分もあるかと思います。
過ぎた失敗は
笑い飛ばすくらいの気持ちで
センター試験の直後は「失敗した」という実感で精神的にかなり辛かったのですが、その足で友だちとカラオケに行って発散したおかげで、超高速で立ち直れました。過ぎた失敗は笑い飛ばすくらいの気持ちでいるほうが、次の目標にスムーズに切り替えられます。
予想外の状況に置かれても
実力を発揮できるように
具体的な2次試験対策としては過去問・模試の演習が挙げられますが、受験大学だけでなく、似た問題傾向でより難しい他大学の問題にも取り組むと、周りに差をつけられるでしょう。ただし、どれだけ本番を想定しても限界があります。いかなる予想外の状況に置かれても実力を発揮できる状態を目指しましょう。
センター試験受験後の挽回策
2次力が盤石だと
問題演習に集中でき
油断なく2次試験に臨める
失敗して落ち込んでも
思いっきり発散することで
次の目標に気持ちを切り替える
受験校だけでなく
問題傾向の似た他大学の問題も解き
周りと差をつける
この記事は「螢雪時代(2016年12月号)」より転載いたしました。