合否を分ける要因は様々あるが、「やる気」即ちモチベーションの維持向上を欠かすことはゼッタイにできない。スランプ脱出、心の悩み解消、やる気向上を促す学習術など、先輩直伝のアドバイスを贈る。
鹿児島大学 医学部 医学科 T・Kさん
鹿児島・ラ・サール高校 2016年卒 男子
得意科目:化学
苦手科目:国語
私のモチベーションup 三種の神器
【1】目指すべき目標を持つ
部屋の机などに、「○○大学合格」と書いた紙を置いておくだけでも、意識は変わる
【2】自習スペースを活用する
周りが静かに勉強しているので、自分も勉強しなきゃという気持ちになる
【3】適度に休憩する
翌日に疲れを持ち越さないよう、適度に休息をとる
私は辛かった時期をこうして乗り越えた!
センター試験の結果がよくなく、2次試験までの間は辛かったです。志望校を下げたものの、それでも医学部は難しいと言われるような点数でした。かなりがっかりしましたが、気持ちを切り替えて2次試験の演習をしました。高校の卒業式はすでに終わっていたので、毎日近所の図書館に行って勉強しました。数日おきに、高校の先生に自分の英語や数学の答案を添削してもらっていました。
結局どのように乗り越えたのかというと、やはりセンター試験の後も気を抜かずに頑張り続けたことだと思います。難関大学や医学部は2次試験の点数の比率が高いので、センター試験の点数がよくても悪くても気を抜かず、頑張らなければいけないと思います。実際に合否発表の後、自分の成績開示をしたところ、センター試験の得点率より、2次試験の得点率のほうがよかったです。たとえセンター試験が思うようにできなくても、2次試験で逆転は可能です。
受験生の心の悩み、先輩がアドバイス!
【Q】
目標設定の仕方は?
【A】
「この大学に合格したい」という大きな目標はもちろんありますが、そのために何が必要か(何が足りないか)を考えました。とにかく多くの問題を解くことで、それが見えてきます。たとえば「化学の平衡の計算が弱い」とか「数学Ⅲの極限を求める問題ができない」などです。これを踏まえて、問題集の「化学平衡」の単元や「極限」の単元に取り組むのです。とくに化学平衡の問題はある程度パターン化されているので、多く問題を解いてそのパターンをつかんでしまえば克服できます。
【Q】
集中力の保ち方は?
【A】
授業がない日は、図書館に行って勉強していました。静かな環境で、知らない人ばかりなので集中できました。昼食後など勉強中に眠くなったら、30 分くらい机にうつぶせになって寝ていました。受験生としての意識があれば、1 時間も 2時間も寝ることはないと思います。眠い時に無理して勉強しようとしても、しっかり考えることはできません。また、自習室には基本的にひとりで行くようにしていました。友だちが近くにいると、どうしても気になってしまうからです。
【Q】
受験勉強のストレス発散の仕方は?
【A】
大変な毎日でしたが、周りには友だちがいました。友だちも同じ思いをしながら頑張っています。高 2 までのようにたくさん話したり遊んだりできるわけではないけれど、それでも 10 分の休み時間や放課後のちょっとした時間には、走り回ったり馬鹿なこと言ったりしていました。そして、高校の先生とのちょっとした世間話も、ちょうどよい息抜きになっていました。家族も応援してくれました。周りの友だち、先生、家族が本当にありがたい存在だと感じました。
モチベーションアップに功を奏した勉強法
得意科目「化学」を活かす!
計算力をつけることがまずは大切です。高校の化学の先生は「化学の点数の半分は計算力で決まる」と言っていました。もちろん計算さえできれば半分の得点が保証されるわけではありませんが、逆に計算ができなければとくに難関大の問題は半分も得点できないのではないかと思います。計算力をつけるためには、電卓を使わず、きちんと紙に筆算をすることだと思います。また、化学は覚えておかなければならないこと(反応式・公式・単語など)もそれなりにたくさんあります。基本的な問題を解いて、身につけるのがよいと思います。
苦手科目「国語」を潰す!
センター試験のみだったので、センター試験対策を重点的にしました。現代文は苦手でしたが、古文と漢文は得意でした。古文と漢文はセンターレベルの単語と文法を覚えておかないといけません。その上で、問題演習をして解説をきちんと読み、そこから何かを学び取ることが重要です。一方、入試には関係ありませんでしたが、高校の授業で東京大の国語の問題もよく解いていました。2次試験については、難関大学ほど抽象的な文章が出ますが、難しい問題であってもまずは自分なりの答案を作り、解答・解説を読むと理解が深まります。
主な模試結果の推移法
この記事は「螢雪時代(2016年9月号)」より転載いたしました。