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第38回:『「not happy」と「unhappy」は同じか否か?』を楽習しよう!

  • 大岩ヒデキ先生のちょっと役立つ“英語楽習”

▲東京にて

 ついに夏だね,夏休みだね!!! ということで,受験学年のみんなも,非受験学年のみんなも,大学受験をしようと思っている人たちの天王山がついにやってきた!!! 夏休みは,思ったよりも速く過ぎ去ってしまうものなので,「夏休みに何を終わらせるか」をしっかりと決めて,そこから逆算して計画的に勉強をすすめてくださいね!

 …というわけで,今月も担当させていただきますのは私,無計画男爵こと,大岩ヒデキでございます!


 いや,今さらなんだけど,計画って本当に大事よね。7月なんて無計画に,依頼されるままに仕事を受けていたら,ちょっととんでもないことになっちゃって,もう夜しか眠れないくらい忙しくなっちゃってビックリさ。昨日なんて(この原稿を書いている前日),朝ご飯食べたの夕方4時半だったからね。

 え? 早起きして食べればよかったのにって? いや,私は健康のために,睡眠だけは削らないことにしているんだ。全ては健康のためなのだよ(昔,「健康のためなら死ねる」という名言を聞いたことがあるが,だんだん考えが似てきた気がする)。

 いや,私の話はどうでもいいんだよ。何を伝えたいかというと,当然夏は「あれもやらなくちゃ,これもやらなくちゃ」と,ついつい食べ放題に行ったときのように欲張りさんになってしまうわけだけど,食べられる量に限界があるように,勉強できる量にも限界があるということを忘れてはいけない。また,記憶の定着に睡眠は不可欠だし,勉強中に眠くならないようにするためには1日8時間はやはり寝ておきたい。とすると,勉強できる時間は1日約14時間程度(睡眠8時間+勉強14時間+その他2時間=24時間)。つまり,MAXで1日14時間を超えると想定される学習量は現実的ではないと考えられる。やらなければならないものが多ければ多いほど,逆に計画倒れで全てが無駄になる可能性もあるので,きちんと優先順位を決めて,「計画的に」いきましょうね,何事も(キリッ)。

 というわけで,そろそろ今月の英語楽習へ進んでいきましょうかね。今月のお題は…「not happy」と「unhappy」は同じか否か? これを一緒に考えてみないかい?


「not happy = unhappy」なの?

 うむむ。これはなかなか難題だ。そう思わないかい,ワトソン君? こういう場合は,類例を見てみよう。

・He is not married.(彼は結婚していない)
・He is unmarried.(彼は未婚だ=彼は結婚していない)

・The drawer is not locked.(その引き出しは鍵がかかっていない)
・The drawer is unlocked.(その引き出しは鍵がかかっていない)

・This telephone is not available.(この電話は利用できない)
・This telephone is unavailable.(この電話は利用できない)

 ふむふむ。ということは,やはり「not happy = unhappy」となるのだろうか? キミの考えを聞かせておくれよ,ワトソン君?

 そうか。それがキミの考えか。では,ワタシの考えも聞いてもらえるかな? notとunは,「2通りの事実しか存在せず,片方が否定された場合,もう片方が必ず真となる場合は同じ」と考えるがいかがかな?

 結婚は「結婚している・結婚していない」の2通りしか存在せず,「結婚している」が否定されれば,その人は必ず「結婚していない」になる。

 鍵は「鍵がかかっている・鍵がかかっていない」の2通りしか存在せず,「鍵がかかっている」が否定されれば,必ず「鍵がかかっていない」状態になる。

 電話は「利用できる・利用できない」の2通りしか存在せず,「利用できる」が否定されれば,その電話は必ず「利用できない」状態になる。

 このような場合は,「not=un」と考えてもいいだろう。しかし,以下のような場合はどうだろう?

・He is not happy.(彼は幸せではない)
・He is unhappy.(彼は不幸せだ)

・The data is not important.(そのデータは重要でない)
・The data is unimportant.(そのデータは取るに足りない)

 うむ。日本語にしてしまうと区別が付きにくいが,これらは結婚や鍵とは違うと考えるがいかがかな? つまり,大まかに分けても「幸せ・普通・不幸せ」「重要・普通・取るに足りない」のように「3通りの事実」が存在する。「He is not happy.」は「幸せではない」と言っているわけなので「普通・不幸せ」のいずれかの可能性が残るが,「He is unhappy.」は「不幸せ」に限定される。

 「The data is not important.」も「重要ではない」だけなので「普通・取るに足りない」のいずれかの可能性が残るが,「The data is unimportant.」は「取るに足りない」に限定される。つまり,notとunは完全に同じとは言えないこともあるとワタシは考えるがどうだろうか? もしワタシの案を採用いただけるなら,「not happy = unhappy」の等式は成り立たないという結論になるがいかがかな?

 お! さすがだワトソン君!!! ワタシが伝えたかったことがよくわかったね!!! 夏休みは,「このような重箱の隅をつつくような学習に時間を費やしてはいけない」ということを伝えたかったのだよ。「大切なところ」にしっかり時間を費やして,有意義な夏休みにしてくれたまえ!!! では,また来月会おう,ワトソン君!!!

著者プロフィール
大岩ヒデキ先生

大岩秀樹先生

東進ハイスクール・東進衛星予備校の英語科の人気講師。英語が苦手な生徒を英語好きに変えてしまうという、情熱とユーモアあふれる わかりやすい授業は大好評。レベルを問わない「本物の基礎力」の養成にこだわった英語力アップを唱え参考書の執筆等も手がけている。血液型:B型。福島県出身。 主な著書に『大岩のいちばんはじめの英文法(英語長文編)』(東進ブックス)、「高校 とってもやさしい」シリーズの『英文法』『英文解釈』『英語のワーク』(いずれも旺文社)。2015年4月21日に『高校 とってもやさしい英文法 改訂版』が刊行。

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