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東京女子医科大学 スマート治療室「Hyper SCOT」プロトタイプが完成

東京女子医科大学

  • 2017.6.14

2016年3月、東京女子医科大学先端生命医科学研究所にスマート治療室の最終目標モデルとして「Hyper SCOT」プロトタイプが完成した。

「Hyper SCOT」(SCOT= Smart Cyber Operating Theater)は、日本医療開発研究機構(AMED)の支援を受け、同大の村垣善浩教授と岡本淳講師らが12企業と5大学と開発を行っている近未来の治療室。各種の医療機器をパッケージ化し、ネットワークでつなぐことにより、手術中の患者の状況をリアルタイムに把握し、安全性と医療効率の向上を目指すというものである。

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「本学では、術中MRIを取り入れたインテリジェント手術室を2000年に開発しました。その後16年間で1600例以上の脳神経外科手術を行った結果、大きな成果を上げることができたのです。それを踏まえ、さらにインシデントやアクシデントを防ぐ次世代の手術室を考えたとき、パッケージ化とネットワーク化による洗練された統合環境の手術室が浮かんできたのです」と、村垣教授は開発の経緯を語る。

「Hyper SCOT」は、手術ベッドや無影灯などの基本的機器に加え、術中画像診断機器、診療科目や症例ごとに特有な機器の3つのパートによって構成され、パッケージ化を図っている。これらの機器が「OPeLiNK(オペリンク)」というシステムで結ばれ、ネットワーク化されているのだ。

「Hyper SCOT」内に設置されている70インチの大型ディプレイには、術中画像や患者の生体情報、手術器具の位置情報などが一元化されて映し出されている。これまでは、スタンドアローンの機器ごとにモニターする必要があった環境と比べると、SFに登場するような未来の手術室を想起させる。

「かつての外科手術は術野からの情報に限られており、経験や感覚に頼っていた部分が大きく、職人芸的なところがありました。それが今では術中MRIによる画像化や、運動誘発電位(MEP)をモニターして運動神経が生き残っているかを判断できるようになるなど、見える化(可視化)が進んでいます。それらをネットワークでつないで術中に情報収集や解析を行い、リアルタイムで術者にフィードバックすることで、意志決定をサポートすることが可能となります」

手術室内における治療の精度や安全性が高まることが期待されるほか、ここで集められた情報はすべて記録されることから、手術後の検証に利用されるほか、将来的にはビッグデータとして解析され、治療方法の確立などに活用されることも期待されている。

「近年、外科医は医療事故のリスクが高いという理由で敬遠されていると聞きますが、『Hyper SCOT』は外科医の新たな“目と脳と手”となって、外科医を守ってくれるという側面もあります。ぜひ、医学部志望者の方には、社会的な要請が大きく、やりがいのある外科医を目指してほしいですね」と、村垣教授は未来の医学生に向けて励ましの言葉を送る。

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【村垣 善浩教授 プロフィール】

所属:東京女子医科大学先端生命医科学研究所 先端工学外科学分野/脳神経外科(兼任)教授
専門:先端工学外科学分、脳神経外科学
経歴:1986年神戸大学医学部卒業。東京女子医科大学医学部助手、米国ペンシルベニア大学留学などを経て、2006年東京女子医科大学先端生命医学研究所講師就任。2011年から現職。


この記事は「医学部サイト」より転載いたしました。


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