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日本人と英米人の会話の聞き取り方の違いを実証

熊本大学

  • [2017/1/12]

 対面する人と会話をする時、日本人は相手の声に意識を向けるのに対し、英米人は相手の口元に意識を向けるのだという。そうした会話の聞き取り方の違いについてのユニークな研究結果を、文学部認知心理学研究室と工学部医用生体工学研究室の合同チームが発表した。

 聴覚的な音声と異なる口の動きをする映像を見たとき、口の動きに引きずられて音声とは違う音に聞こえる錯聴現象が英語圏で報告されている。一方、日本人はこの錯聴現象が起きにくい。それは、日本人が会話の際に視覚よりも聴覚を重視しているためだという。この違いについて研究チームは、同大の日本人学生と留学生(英語母語者)を対象に、視線パターン、脳波、音声判断速度から検証した。その結果、英語母語者では、音声のみの聴覚条件よりも口の動きが伴う視聴覚条件の方が音声判断を速くできたのに対して、日本語母語者では逆に、視聴覚条件で遅くなることがわかった。会話の際、日本語母語者は聴覚重視で準備をしていて、視覚情報があると余分な処理が必要になるためだという。

 日本人の外国語学習において、話者の視覚情報も用いたビデオ教材はあまり効果がないという報告がある。今回の検証結果は、そうした日本人の音声言語の情報処理の特徴を強く示唆したものとなった。


この記事は「螢雪時代(2017年1月号)」より転載いたしました。

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