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順天堂大学 世界初! iPhoneアプリでドライアイ指数をチェック

ニュース

2017.1.18

順天堂大学では、Apple社が提供する医療および健康分野のアプリケーション開発のためのフレームワーク「ResearchKit®」を使用したiPhoneアプリ「ドライアイリズム」を2016年11月に公開した。

UI/UXデザイン事業を手がける株式会社オハコと共同開発したもの。開発を主導した順天堂大学医学部眼科教室の猪俣武範助教らは、アプリで収集したデータを利用して、ドライアイと生活習慣の関連性を調べる臨床研究をスタートさせている。

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「日本では推定で2200万人もの潜在的ドライアイ患者がいると言われています。パソコンやスマートフォンの普及に伴い、ディスプレイを長時間見つめることでまばたきの回数が減少することが引き金となって、ドライアイを発症する患者は今後も増加する傾向にある」と猪俣氏は指摘する。

眼科疾患としては最も患者数が多いにも関わらず、「自分がドライアイだと気づいている人は少なく、このアプリを開発したのは、気軽にドライアイに気づいてもらうことを狙った」という。

アプリケーションを使った臨床研究のメリットは、「従来のように病院に来てもらうような方法では、多くのデータを集めようとすると莫大なコストがかかります。それに比べスマホのアプリを通じてなら、比較的低コストでビッグデータを収集できます」と猪俣氏は強調する。

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「ドライアイリズム」は、まばたき回数をiPhoneのカメラで計測するほか、実用視力測定やアンケートによってドライアイ指数を測定。

これに加え、睡眠時間、モニターを見つめた時間など、生活習慣を入力する。1回の測定に必要な時間は5分程度だ。

この測定を1週間行い、測定履歴をグラフで表示することで、ドライアイと生活習慣の関連性についてユーザーへの“気づき”を提供する仕組みとなっている。

2017年1月上旬現在、1万6000人程度のデータが集まっており、今後はその解析結果から得られた知見をもとに、「ニュース」として配信するなど、ユーザーへのフィードバックも行うという。

「今は日本語版だけですが、今後は英語版を作るなどして世界展開を考えています。そうなれば、位置情報から気候や高度がドライアイにどのような影響を与えるかも分かってきます。
例えば、砂漠地域ではドライアイになりやすいのかどうかなども分析可能です」と今後の抱負を語る。

アプリを通じた臨床研究を試みるなど、猪俣氏が新しいことへのチャレンジスピリットを磨いたのは、医学研究と同時にMBAを取得した米国留学が大きかったという。

「ビジネスというとお金儲けのイメージが先行しますが、ビジネススクールでは、ディシジョンメイキングや課題解決能力、リーダーシップなどについても学びます。そうした知識は、医学研究のプロジェクト遂行や病院経営にもきっと役立つと思ったのです」

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最後に『ハーバード×MBA×医師 目標を次々に達成する人の最強の勉強法』の著者でもある猪俣氏は、「医学部を目指すのなら、勉強はもちろん必要だが、内面性を磨くことも大事。

高校生のうちからボランティアを経験したり、部活のリーダーを引き受けたりするなどして、人間性を豊かにしてほしい。勉強については、目標をしっかりと定めて、そこから逆算していくこと。それを1年ごと、月ごと、1日ベースに落とし込んでいく。

また、モチベーションを維持するには毎日“小さな勝利”を積み重ねていくのがコツ。英単語を1日10個覚えることでもいいので、そうした成功体験がやる気や自信につながっていきます」と、貴重なアドバイスを贈ってくれた。


【猪俣武範 助教 プロフィール】

所属:順天堂大学医学部眼科教室 助教
専門:眼科学(ドライアイ、角膜移植免疫)、医療分野におけるIoT研究
経歴:2006年順天堂大学医学部医学科卒業。
米国ハーバード大学眼科スペケンス眼研究所留学、およびボストン大学経営学部Questrom School of Business卒業(MBA)後、2015年順天堂大学医学部眼科教室助教に就任。2016年、同大学医学部附属順天堂医院病院機能管理室および戦略的手術室改善マネジメント講座併任。


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