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久留米大学 24時間体制でドクターカーの本格運行を開始

ニュース

2016.9.2

久留米大学病院では、久留米市、久留米広域消防本部との協定により、2016年4月1日から24時間体制でドクターカーの本格運行を開始した。

ドクターカーとは、久留米広域消防本部に救急車出動要請が入った場合、久留米大学病院に駐車している消防本部の救急車に、久留米大学病院高度救命救急センターに常駐・待機している救急救命士とともに、高度救命救急センターの医師や看護師も同乗して現場に急行し、治療開始までの時間を短縮させて救命率の向上を図るものである。久留米市を事業主体として、昨年1月から久留米市、久留米広域消防本部との協定により試験運行を行ってきた。これまでは日中に限った試験運行だったが、救急隊単独で搬送された場合と比較して、心肺停止患者の病院到着前心拍再開率の向上などが認められたことから24時間体制での本格運行に踏み切った。

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出動対象は、久留米市全域(高速自動車道の出動なし)を出動エリアとし、心肺停止例を含む重症事案、中毒・溺水・感電や熱傷など特殊な重傷症例、その他救命処置の必要な事案が対象。出動要請は、119番通報を受けた筑後地域消防指令センターが、ドクターカーが必要と判断した場合に出動要請を行う。

運行されるドクターカーは、通常の消防本部の救急車であり、酸素、モニター、除細動器、吸引器など、急患の処置に必要な機材が装備されているが、これらに加えて、同乗する医師、看護師が、輸液、緊急薬剤、緊急処置機材、ポータブルエコー(超音波検査装置)等を持って乗り込むという。

救急現場が遠方の場合、状況によっては、救急現場と大学病院の途中でドッキングする方式をとる。まず通常の救急車が患者を搬送。あらかじめ協定が結ばれたコンビニエンスストアの駐車場が、消防本部により「ドッキングポイント」として現在久留米市内に78カ所設置されており、そこで通常の救急車から患者を引き継ぐ形となる。

ドクターカーで救急現場に向かうケースでは、「意識もはっきりとしない重症患者が大多数です。市民の方から直接、感謝の言葉をかけられることはめったにありませんが、重篤な患者さんが救命され、社会復帰していく姿を見ることは、ストレスフルな仕事の励みになります」と、久留米大学医学部教授で久留米大学病院高度救命救急センター長の高須修教授はドクターカー導入の成果を語る。

久留米大学病院では2002年からドクターヘリの運航も行っている。ドクターカーもドクターヘリと同様、救急現場へ、短時間に医師、看護師の医療スタッフが出向き、病院到着前より診療・治療(病院前診療)を始めることが目的である。しかし、ドクターヘリの運航は安全面の観点から昼間に限られ(有視界飛行)、搬送時間や着陸ポイントを考慮すれば、大学病院からやや離れた地域へ出動することがほとんどである。これに対しドクターカーは、ドクターヘリが運航できない夜間を補完するとともに、通常ドクターヘリが出動しづらい大学病院近隣の地域に対しても、病院前救急診療を提供するものである。

最後に高須修教授は、「地域ごとにドクターカーあるいはドクターヘリの必要性は異なります。24時間365日維持するには、マンパワーの面だけを見ても決して容易なことではありません。必要とされる地域に広がることを望みますが、これには今後、救急医療を志す多くの若い先生方の力が必要です。救急医療の現場で重篤な患者さんに懸命に立ち向かう自分の姿を夢見て、ぜひ医学の門を叩いてほしい」と、医学部志望者にエールを送ってくれた。


【高須 修教授 プロフィール】

所属:久留米大学医学部救急医学主任教授、久留米大学病院高度救命救急センター長
専攻:救急・集中治療
経歴:1991年鳥取大学医学部医学科卒業。その後、久留米大学病院、救命救急センターで研修。1994年より同病院救命救急センターのスタッフとして勤務。関連病院での勤務、大学院、米国Washington University in St. Louisへの留学を経て、2013年より久留米大学医学部救急医学准教授、2016年より現職。


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