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高3生の医学部進学希望者との質疑応答

なぜ医学部を目ざすのか。 強いモチベーションを持てれば受験勉強も楽しくなる

インタビュー

2015.12.8

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 高1生、高2生を対象とした講義の後、今度は約10名の医学部志望の3年生が参加しての質疑応答が行われた。

 ここからは今井先生とともに三重大医学部1年生の畑中宏太さん、野呂朱里さん、西拓実さんも参加。高3生からの質問と先生や医学生のやりとりの一部を紹介しよう。



Q:三重県内の医療でいちばんの問題とは何ですか。また、それに対し三重大学医学部ではどのような対策を行っていますか。


 まず三重県内の医師数は全国の都道府県の中でも下位のほうにランクされており、医師不足がとても深刻だという事実を知っておいてください。

 しかし、細かく見ると県内の各地域によって医師の偏在があり、津市やその近郊には全国平均をはるかに上回る医師がいるのに対し、いわゆる過疎地の県西部の伊賀地域や南部の尾鷲市や熊野市近辺ではとても医師数が少ないという状況です。
 これは三重県に限ったことではなく、全国の都道府県でも言えることですが……。

 そういったなかで、これまでも三重大学から地域の病院に医師を派遣してきましたが、十分な人数がまかなえていないという状況となっています。



Q:三重県の現在の救急医療体制で直面している問題点とは何ですか。そして、具体的な解決策にはどういったものがありますか。


 現在、三重県内のすべての地域で救急患者を救急車で搬送する場合、どこの病院に搬送し治療するかは、病気やケガの種類や重さによって、ある程度、決められています。また、医師や病院が少ない県南部で重い救急患者が出た場合、ドクターヘリによる治療体制も整っています。

 今後は、救急患者を現在よりもっと早くかつ効率よく各病院に搬送し治療を1分でも早く開始できるよう、救急隊と地域の各病院を電話だけではなくインターネット等を活用したICT(Information and Communication Technologyの略。情報通信技術)による本格的なシステム作りを私たちは進めています。

 このシステムが整うと、救急隊は救急患者の病気やケガの状況を手元の端末に入力すると、瞬時にどの病院で受け入れが可能かが分かり、迅速な対応ができるようになります。

 一方、これまでは各地域でどのような病気にかかる人が多いかという統計などはまったく取られてこなかったけれど、今後、このシステムが実用化されデータがどんどん蓄積され、どの地域でどういった病気の患者さんが多いかというデータ管理もできるようになる。そうなると、あらかじめ地域ごとに対応できる診療科の医師を常駐させることも可能となります。

 つまり、これまで救急隊と各病院のつながりは個別でしか結ばれていなかったのが、全県レベル、各地域レベルで管理でき、救急隊の搬送状況などもひと目でわかるようになるというメリットもあります。これにより、たとえ医師数が少なくても効率よい地域医療を行える可能性が大いに高まると考えています。



Q:医学生の人たちにお聞きします。みなさんが医学部を志した理由とはなんですか。


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畑中さん:
 現役時代は工学部を志望していましたが、浪人して医学部を目ざそうと志望を変更しました。高校時代、母が脳の病気で倒れて、それを脳外科の先生が治してくれてそれで医師という職業に憧れを持ったからです。

 医学部に入学してからは、医学という学問が人の命に直接かかわり、病気やケガで苦しんでいる人を助けられる仕事だということを強く実感でき、毎日の勉強もきちんとやらなければと感じています。

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野呂さん:
 私も身内に重い病気にかかった人がいたのですが、自分は何もしてあげることができなかった。そこで病気で困っている人を自分も助けたいという気持ちが強くなり医学部を目ざしました。

 また、新聞で交通事故にあい瀕死の重傷を負った男の子が三重大学の附属病院に運び込まれ、その後、元気に退院したという記事を見たことも、三重大学を志望した大きな理由になりました。

西さん:
 私は父親が医師で、子どもの頃から父の仕事を見て育ち、医師という仕事がとてもやりがいのあるものだと強く思い医師になろうと決めました。






Q:受験勉強を振り返ってモチベーションを維持するためにどんなことをやりましたか。


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畑中さん:
 浪人中は徹夜をしないと決め、毎日、規則正しく勉強を続けることを目ざしました。また、スマホをガラケーに戻しパソコンも使わないようにして、一切の誘惑のもとを断って勉強しました。

野呂さん:
 通っていた高校で、ほぼ毎月のように医学部のことを学べる機会があったので、それに必ず参加して常にモチベーションを持続して勉強をがんばりました。

西さん:
 ぼくも毎日、勉強をコツコツやると決めて実行しました。なかでも、放課後、塾で友だちと一緒に勉強を続けたことがよかったと思います。

 これからの時期は本格的にセンター試験対策がはじまると思いますが、僕も、去年、友だちと一緒に過去問を試験時間通りに実際に解いてみて、間違ったところを教えあって勉強を続けました。

 ひとりだとすぐに集中力が切れがちですが、友だちと一緒にやることで集中してがんばれたと思います。




 この質疑応答の後、今井先生が参加した高3生たちに「勉強は好き、楽しい?」と質問した。すると数人の生徒は「正直言って好きじゃありません……志望校に入るためにやっています」と答えた。

 それを聞いた今井先生は、医学生たちに受験時と医学部に入ってからどちらがハードな勉強しているか聞いた。それに対し全員が、即座に医学部に入ってからと答えた。

 続けて、今井先生が医学生たちに、「じゃあ、医学部を卒業したら、もう勉強しなくていいと思う?」と問うと、ある医学生は「医学はどんどん進歩しているので、医師となってからも勉強はしないとついていけないと思う」と返答した。

 その話を受けて今井先生は、医学部を目ざす高3生たちに「医師になれば一生、勉強しないといけないんだよ」と語りかけ、勉強が嫌いと言った高3生に、「そんな嫌いな勉強を一生続けられる?」と聞き、同時に、ひとりの医学生に、「どうして大変なのに勉強するの?」と質問を投げかけた。

 それに対し、ある医学生は「医学の勉強をはじめて、勉強することが楽しいと感じられたから、がんばれるんだと思います」と答えた。



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 人間は好きなことをやっている間はとても楽しいと感じ、自分が興味があることについては自分からどんどん調べたりしますね。勉強も同じ。勉強をする目的がちゃんと見つかれば、勉強をすることが楽しいと感じるだろうし、どんどんはかどるはずです。

 高校の段階で医学について学ぶことはほとんどありませんが、医学はとっても面白い学問です。

 受験勉強は「やらされている感」があるかもしれないけれど、大学に入って学ぶ医学の勉強、そして医師となっても続ける医学の勉強は楽しいことがいっぱいあります。

 何より勉強して得た知識を患者さんを助けるのに即、生かせるという喜びは何ものにも替え難い。病気やケガで苦しんでいる患者さんを自分の知識が増えたことで救えたら、こんな喜びはないし、患者さんからもとても感謝されます。

 医学はダイレクトに人の役に立つ学問です。だからみなさんにはどうして医学を学びたいのか、医師になりたいのかを今一度、きちんと考えてほしい。それが明確になれば受験勉強をすることに意味を見い出せ、勉強自体がとても楽しくなるはずです。



 そう最後に締めくくった今井先生は、医師となる大きな目的に向かって精一杯がんばってくださいと高3生を励まして質疑応答は終わった。




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