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医学部パスナビは、2017年3月末日を持って終了いたします。
過去問など一部のコンテンツは、2017年4月1日以降順次「大学受験パスナビ」にて掲載いたします。

「子どもの医学部受験を支える」 保護者 座談会(1)

難関の医学部受験を乗り切るために親がやるべきサポートとは?

インタビュー

2015.9.29

子どもが医学部受験を決めた時、親はどのように子どもをサポートすればよいのだろう。子どもの性格や個々の家庭の生活環境は千差万別。だから、正しい答えなどありはしない。しかしながら、難関の医学部に我が子を合格させた人たちの子どもへの接し方などに共通する点がけっこうあるのも事実だ。そして、やはり子どもを難関の医学部に合格させるためには、母親が担う役割はやはり大きい。そのあたりの状況を二人のお母さんに伺った。


Aさん: 娘さん二人。上の娘さんはある地方都市の私立大学医学部卒業。現在、研修医。妹さんも同じ大学の医学部6年生。

Bさん: 娘さん一人。ある地方都市の国立大学医学部の3年生。


Q:お子さんたちが医学部進学を決めた時期はいつごろですか。

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Aさん:
 二人の娘どちらも、医学部進学を最終的に決めたのは高2に上がる時です。上の娘は、それまで、医師になりたいという気持ちを私たちに直接、話すことはありませんでした。将来は、こういうふうになりたい、ああいう仕事も素敵と、夢をいっぱい話していました。
 小さいころから楽器を習っていたので、バンドが大好きでコンサートにもよく行ってましたし、一時期はコスプレにはまっていたこともありました(笑)。だから、彼女が進路希望の書類を提出する際に医学部志望と書いてあって、びっくりしました。下の娘は、やっぱり姉が医学部に進学したので、自然と自分もという気持ちになったと思います。

Bさん:
 うちの娘は、はじめは文系を志望していました。高2になる前、文系・理系の選択をする時も文系と決めて、文系用の教科書も買いました。でも、直前になって、娘がやっぱり私は理系に行くと言い出してびっくりしました。慌てた私は、学校や塾の先生に相談したところ、今の娘の気持ちを尊重させてあげるのが一番とアドバイスを受け、理系に進ませました。その時に娘は医学部に行こうと決めたんだと思います。


Q:お子さんたちが医学部進学を決めたきっかけとしては、どのようなことが大きいと思われますか。

Aさん:
 うちは主人が開業医です。私は薬剤師で複数の薬局などを経営しています。親せきにも医師が多い。そんな環境で二人とも育ちましたから、一般の家庭の子どもよりは小さいころから医師の世界を身近に感じていたんでしょうね。

Bさん:
 主人が公立病院の勤務医をしており、私は専業主婦です。結婚後、子どもがなかなかできず、やっと生まれた子どもだったので、主人は娘を小さいころからとても可愛がってきました。主人は面と向かって娘に「お医者さんになったら?」と口にすることはありませんでしたが、小さいころから病院で行事があると連れて行ったり、自宅に若い女医さんや医学部の女子学生を招待して一緒にご飯を食べたりしていました。そうやって娘が自然に女医さんたちと接するような機会を作っていたと思います。


Q:お子さんたちが医学部に進むと決めた時、ご両親はどのような感想を持ち、後押しをされましたか。

Bさん:
 私自身、結婚前に地方公務員をしていましたが結婚後、主人の転勤で仕事をやめざるを得なくなりました。そこで子どもができたら、何でもいいので国家資格を取って一生続けられる仕事に就いてほしいとずっと思っていました。でも、医師の仕事がどれだけ大変かは、主人の仕事ぶりを見て分かっていたので、あまり娘を医師にしたいとは思いませんでした。
 でも、主人は、振り返ると、口には出しませんでしたが、娘を小さいころから医師にしたいという気持ちがとても強かったんですね。だから、彼女が高校生になったある日、突然、医師の世界を描いた映画に誘ったりしてました。それで、その映画を見終わって帰ってきた娘がふと、「パパは私を麻酔科医にしたいのかな……」と言ったのを今でも覚えています。
 高2最後の3者面談に主人が行き、帰ってきて娘に「大丈夫、お前はきっと医学部に行けるよ。現役がダメでも浪人してもいいんだから」とニコニコしながら話していました。

Aさん:
 上の娘は小さいころからあまりに身近に医師の世界があったので、逆に、高校生になってすぐのころは医師になることに反発していたところはあったと思います。でも、高2になった時点で、進路を決めないといけない時期になって、真剣に将来を考えて医師の道を歩もうと決めたようです。
 私は内心ずっと、彼女が将来、医師を目ざしてくれたらうれしいなと思っていましたが、無理強いだけはしないように心がけていました。だから、色々と迷っている娘に、「自分が将来なりたいものが絶対に見える時が来るから、だから焦って決めなくていいからね。とにかく今、やるべきことだけをきちんとやっておきなさい」とだけアドバイスをしました。そして、進みたい道が決まったら、私たち親が全力でサポートするからと日ごろから言って聞かせていましたね。


Q:お子さんたちが医学部受験を決められた時、高校や塾などからどのようなアドバイスがありましたか。
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Bさん:
 うちの娘は全国に校舎がたくさんある大手の塾にずっと通っていました。医学部受験を決めた時、塾の先生がこれまでの娘の得意・不得意科目を見ながら実際の試験でどの科目を選択すればよいか、さらには娘の現状の学力から受験する大学はどこがよいかなどを丁寧に調べてくれて、アドバイスしてくれました。ですから、受験に関することはすべて塾の先生方にお任せしたという感じでした。

Aさん:
 娘たちが通っていた高校は勉強に関してとても面倒見のよいところで、放課後に塾や予備校に行かなくても学校での勉強だけで志望校合格を目ざそうという方針でした。そこで、父兄面談で娘たちが医学部を目ざすことを先生に話したところ、これから受験までどういった勉強をするべきかを教科ごとにこと細かく教えていただきました。また、同時に、私自身もいろいろな大学のホームページや学校案内などを見ましたが、娘たちも自分でいろいろと調べていました。受験校を決めるにあたっては、うちは基本的に子どもの興味や希望を優先させ、私たちはあまり口出しをしませんでした。


Q:医学部受験は受験生も大変なら、それをサポートする家族、なかでも母親はさまざまな面で大変だと思います。そのあたりを振り返りどういったことに気をつけられましたか。また、受験勉強中のエピソードで印象深かったことなどはありますか。

Bさん:
 高2のころは、娘はまだのんびりしていて成績もそれほど伸びませんでした。心配した私は主人に、「あなたからも、もう少し勉強するように言ってよ」と頼んだこともありました。でも、勉強するかどうかは本人の気持ち次第だからどうしようもないねと言われてがっかりしたこともありました(笑)。でも、娘は浪人してもいいんだからと主人に言われたことで、逆に勉強のスイッチが入ったみたいで高3の一年間は必死で勉強しました。私もそんな娘をサポートするため、毎日の健康管理や塾の送り迎えを一生懸命にやりました。
 でも、そのうちなんだか娘の模擬試験での成績が、私の成績のようにも思えてきて、私自身も精神的に大変でしたね。振り返ると二人三脚で受験勉強している、そんな感じでした(笑)。受験勉強が佳境を迎えるころには、娘の生理が止まってしまうほどで……、彼女自身、心身ともにギリギリのところでがんばって勉強していたと思います。

Aさん:
 子どもたちの健康管理はもちろんですが、私は彼女たちのメンタル面にはいつも気を配るようにしていました。受験勉強には山あり谷ありですから、がんばってもなかなか成績が伸びずに落ち込んだり、焦ったりすることもけっこうあります。そんな時は、一緒に落ち込んだり心配したりするような素振りは見せずに、「大丈夫だよ。ママがいつも応援してるからね」と言葉をかけるようにしていました。毎日、がんばっている子どもたちと接していて、「がんばろうね!」は禁句。とにかく褒めることがいちばんじゃないでしょうか。

Bさん:
 傍から見ていてかわいそうになるくらい受験勉強は本当に大変そうでした。毎朝6時半ころには登校して夕方まで授業を受け、その後、塾で11時まで勉強して帰って寝るという生活をずっと送っていました。そんな毎日のなかで、お風呂はいつも二人で入るようにして、色々な話をしました。そして、私のベッドで二人で寝ることもありましたね。私は娘のために、毎日、お昼と夜のお弁当をふたつ作って持たせ、塾が終わると迎えに行くという生活を送っていました。

Aさん:
 私が毎日、とても忙しくしていることを、娘たちは小さいころから見て育ってきたので、大学受験で私にあまり負担をかけてはいけないと子どもたちなりに感じていたのかもしれません。
 ある時、下の娘が私に内緒で学校を休んだことがありました。まわりの同級生たちが必死で勉強している様子がとてもプレッシャーになり、学校に行くのがいやになったようです。担任の先生から連絡がありビックリしましたが、先生が娘ときちんと話をしてくださり、娘がこれからはちゃんと学校に来ると約束したそうです。でも、お母さんには心配をかけたくないので内緒にしてほしいと先生に話したので、私はずっと知らない振りをして過ごしました。
 振り返ると、二人が受験勉強をしている間、私自身、過剰にかまわずどちらかというとクールに接するようにしたことがよかったのかもしれません。でも、ほかのお母さんたちなら、もっと子どもたちに色々と世話をしてあげられるのに、申し訳ないなという思いは強くありました。

Bさん:
 センター試験の2、3日前、娘が私に何も言わずに突然、私や主人の実家に電話して、「自分はこれまでがんばってきたから、明後日のセンター試験はがんばるね」と電話したそうです。それを聞いて私は娘が相当、思い詰めているんだと感じ、とても心配になりました。それで娘におじいちゃん、おばあちゃんのところに電話したんだってと水を向けると、「うん。私はこの1年、受験勉強をやりきったから、そしたらおじいちゃん、おばあちゃんに感謝の気持ちを伝えたくなって電話した」と。それを聞いて子どもが受験勉強を通じてとてもたくましくなったと思い、結果はどうであれ娘は大丈夫だと確信しましたね。


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