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木村達哉の英語力養成講座[連載・第3回]:基礎トレ編

単語の意味を覚えようと、単語帳にかじりついていないだろうか。
それでは使えない語彙力しか身につかない。
いや、使えなければ語彙力とも呼べない。
「単語を覚える=スペルと意味を覚える」と洗脳されている人、今すぐ心を入れ替えよう。

【3回の表】
単語帳を見て覚える語彙学習には、何の意味もありません。

「志望校突破レベル」は、語彙力の最低目標

 [連載・第1回]では、知識を覚えることの重要性について書きました。そこで今月は、どうすれば効率良く覚えることができるのか、語彙力増強の方法をお伝えしていきます。

 英語に限らず外国語を勉強しようと思ったら、まずは単語を知らないとどうしようもありません。よく「どのレベルまで覚えればいいですか?」と質問されるのですが、それには「君がどこに合格したいかによる」としか答えようがありません。どんな単語をどこまで覚えるかは、英語を学ぶ目的によります。受験生の場合は、志望校が要求する英語力に応じた語彙を獲得することが最低限の目標になるのです。

 語彙の主な覚え方としては、①英語を話す際に使えない表現を調べて覚える、②読んだり聞いたりする際にわからなかった表現を調べて覚える、③単語集などを使って最低限必要な語彙を頭に刷り込む、の三つがあります。

 ①に関しては、量的にかなり意識して英語を話そうとしなければなりません。つまり、英語を話す習慣が必要ですが、周囲に外国人がいて日常的に英語を話す機会がある人は少ないと思います。そこでおすすめなのが、ひとり言です。例えば、「今日の午後は生徒会の会議があるなあ」と思ったら、一度英語に直してみるのです。「生徒会(student council)」がわからなくても、辞書やインターネットで調べればすぐに出てきます。朝から晩までひとり言は英語で言うと決めておくと、日常的に使う表現はどんどん頭に入ってくるはずです。

 ②も同様に、かなりの分量を読まねばなりません。教科書や副読本、あるいは簡単な原書を数冊読んだぐらいでは、大学入試が求める語彙力は身につきません。流し読みや流し聞きをしているだけでは語彙力はつかないので、知らない表現に出会ったら、専用のメモ帳などに抜き書きして覚えることも大切です。


正しい発音と意味、そしてBack translationへ

 一番効率がいいのは③ですが、単語集だけで覚えるのはおすすめできません。①や②をミックスさせながら覚えていくと定着しやすいでしょう。また、単語テストのために一時的に勉強しても、語彙力はなかなか身につきません。同じ情報に何度も出会うことが重要なのです。

 単語を覚える際に大切なのは、発音意味です。まずは「正しく発音できるか」と「正しい意味を言えるか」から入りましょう。それができたら、「日本語を聞いたら、正しい発音でその英訳文が言えるか」に移ります。英語で言えば、PronunciationTranslationBack translationです。正しい発音を習得するためには、CDなどの音源は必須アイテムです。発音記号だけでは定着しませんし、前回(連載・第2回)書いたように、耳から入ってきた情報を目で見て声に出すことで定着度が高くなります。覚えたい単語は毎日声に出して読み(Pronunciation)、例文がついていればそれも音読します。そして、その例文を和訳し(Translation)、さらには日本語訳を見て英作文をしてみましょう(Back translation)。センテンスごと覚えることで、単に単語だけを覚えるよりもずっと頭に定着しやすくなります。

 君たちのゴールは大学入試ではないはず。その向こうを見据えながら、「知らないものは覚える」という知識人として当然の姿勢を持って学び続けてくれることを願っています。


【3回の裏】
受験に役立つ! 今月のヒットフレーズ

I’m going to pace myself.

役立ち度:★★★★★
難易度:★★☆☆☆

 「速度・足並み・歩幅」などを意味するpaceは、動詞としても使われる。慣用表現も多く、例えばpace oneselfには「自分のペースでやる、気楽にやる」という意味がある。I’m going to pace myself.は、「私は誰にも何にも惑わされることなく、自分のペースでやります」というニュアンスになるんや。焦っている誰かに対して、I think you should really pace yourself.と声をかけると、「君さ、自分のペースでいいと思うよ」という意味になるし、I’ve thought about how to pace myself.は「ペース配分は考えてやっているよ」という意味になる。

 勉強や仕事って、信念が何より大切や。いろんなものに心乱されることも多々あるけど、そんなときこそI’m going to pace myself.と心で念じながら、自分の道を突き進んでほしい。

編集 笹原風花
撮影 荒川潤


この記事は「螢雪時代2017年6月号」より転載いたしました。

著者プロフィール

木村 達哉先生

灘中学校・高等学校英語科教諭
教壇に立つ傍ら、英単語帳『ユメタン』(アルク)や参考書などを多数執筆。また、「英語教師塾」を立ち上げ、全国的な活動を展開している。近著に『キムタツ式 英語長文速読特訓ゼミ』シリーズ(旺文社)がある。

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