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第9回 : My best friend is the one who brings out the best in me./この人と10年後もつきあっているかなぁ。

  • 木村達哉のPower of Words 人生に効くコトバ

友だちって難しい。とくに高校時代は…。
受験勉強に専念したいこれからの時期、人間関係での悩みは抱えたくないもの。
苦手なクラスメイトの、仲の良いあの子の、ちょっとした言動を気にしがちな受験生に向けて、木村先生が自身の経験を交えてアドバイスします。


Volume 45 : My best friend is the one who brings out the best in me.

ヘンリー・フォード

自動車会社フォード・モーターの創設者。大量生産技術の開発によりコストダウンに成功し、庶民の自家用車購入を可能にした。

 大学受験を目指していると、クラスメイトのちょっとした言動や、両親や先生の何気ないアドバイスなどが気になるものです。場合によってはイライラしたり、自分をわかってくれないと憤慨したりすることもあるでしょう。でもね、人間同士ってそんなものです。冷たいようですが、自分以外のことについては責任がないのですから、軽い気持ちで賛成したり否定したり忠告したりするのです。そんなものにいちいち落ち込んでいては、心も体も持ちませんよ。寂しいと感じるかもしれませんが、みんな生きるのに必死なんです。だからこそ、自分も生きていく力をしっかりと身につけないとダメなんです。

 そう考えると、友だちってどういう人のことを言うのだろうと思いませんか。僕は、ヘンリー・フォードのこの言葉、「最高の友は、私の中から最高の私を引き出してくれる友である」に出てくる最高の私を引き出してくれる人のことを「友だち」だと考えています。ダラダラと一緒に怠けるような奴が友だちのわけがないし、傷をなめ合う相手は友だちじゃなくていい。もちろん、友だちといてリラックスすることはあるし、くだらない時間の過ごし方をすることだってある。でも、長い目で見て、「この人と一緒にいたから今の自分がある」と胸を張って言える人を友だちと呼びたいのです。

 人はつい仲良しグループを作ってしまいます。安心するからです。でも、その人たちを本当に友だちと呼べるかどうかはわかりません。傷をなめ合ってばかりいて、誰も成長していないかもしれない。それでも友だちと呼ぶのであればそうなのでしょうが、本当の友だちは「その人がいるから自分が伸びる」という人だと思いませんか。そんな人を、身の周りで探してみてください。意外と少ないはずです。もしそういう人がいるのであれば、大切にすべきです。そして、誰かと一緒でないと動けないような人間になってはいけません。まずは、一人でも力強く生きる力を身につけることです。大学受験はその絶好のチャンスだと、僕は思います。

その仲良しグループ、
本当に友だちですか?


Volume 46 : この人と10年後もつきあっているかなぁ。

木村達哉

『人生の授業』(あさ出版)より

 これは僕のエッセイ集の中で取り上げた、僕自身の言葉です。すみません、偉い人の言葉ではありません。人間同士がつきあっていると、何らかの摩擦がありますよね。今までうまくつきあってきたのに、という相手から批判されると、裏切られたような気持ちになるものです。勉強や仕事が手につかないこともあります。

 僕は11年前に初めて本を出し、その頃からブログをやっていますが、数々の誹謗中傷を受けてきました。そういう対人関係のトラブルに巻き込まれたとき、僕はいつも、「この人と10年後もつきあっているかなぁ」と考えるようにしています。例えば、僕の講演や書籍に対する酷評をブログに書かれたとします。もちろん僕に至らない点があるなら改善しますが、先方の独善的な攻撃であったらひと言言いたくもなります。でも、そういう場合は、相手にしないほうがいいのです。だって相手は、どうせ10年後には関わりもないような人なのですから。気にする時間があるなら、自分の成長のために本の1冊でも読んだほうがいいに決まっています。まして、そういう人のせいで勉強や仕事が手につかないなんて、ナンセンスすぎます。

 長く生きていると、おかしな人は無視するのが一番いいとわかってきます。でも、皆さんのようにまだ若いと、イライラしたり気に病んだりすることもあると思うんです。そんなときには、「どうせ10年後にはこいつとはつきあってないわ」と思って、気分を切り替えましょう。そして、自分が目指している目標に向かって、気持ちよくスタートを切ってほしいのです。

 生きていくのは大変なことです。人間関係の悩みも次から次へと出てきます。やらなければならないこともたくさんあります。そんななかで10年後に離れている人のことで悩むのは馬鹿らしいと思えるようになれば、人間関係が気楽になるのではないでしょうか。人生を豊かにしてくれるのは、10年経っても今と同じようにつきあっていたいと思える人たちです。その人たちと支え合って、生きていきましょうよ。

人間関係に悩んだときは、
10年後の姿を想像すべし!



編集 笹原風花
撮影 荒川潤
スタイリング 眞藤伸子
ヘアメイク 泉雅人


この記事は「螢雪時代2016年12月号」より転載いたしました。

著者プロフィール

木村 達哉先生

灘中学校・高等学校英語科教諭
教壇に立つ傍ら、英単語帳『ユメタン』(アルク)や参考書などを多数執筆。また、「英語教師塾」を立ち上げ、全国的な活動を展開している。近著に『キムタツ式 英語長文速読特訓ゼミ』シリーズ(旺文社)がある。

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