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学部長インタビュー「保健医療学部の魅力とは?」国際医療福祉大学 杉原素子先生

  • 【学部リサーチ 2017年版】看護・医療・保健学部系統の総合的研究

健康に関する専門家として、その回復や維持をサポートする

《私立》国際医療福祉大学 成田保健医療学部 学部長
杉原 素子(すぎはら もとこ)先生

前日本作業療法士協会会長、日本作業療法士連盟会長、日本保健科学学会理事、(財)日本テクノエイド協会理事。お茶の水女子大学大学院修士課程修了。南カリフォルニア大学で米国作業療法士資格取得。本学副学長、副大学院長、保健医療学部長、保健医療学部作業療法学科長、小田原保健医療学部長、医療福祉学部長を歴任。

保健医療の目的と、それに関わる分野について教えてください

 保健医療に関わる職種には、看護師をはじめとし、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などがあります。国際医療福祉大学成田キャンパスはこれら4つの職種に加えて、臨床検査技師を養成する学科を設置しています。

 保健医療のどの職種においても倫理綱領で「人々の健康に資する」ことがその仕事の目的とされています。最近ではこの分野の職種を総じてヘルス・プロフェッションと呼ぶことが多くなっています。健康に関する専門家として、医師と連携して人々の健康の回復や維持に努めます。

 保健医療職の中でも、理学療法士と作業療法士は法制化されてから50年。1965年に「理学療法士及び作業療法士法」が制定されて、国家資格となりました。言語聴覚士は1997年に法制化された比較的新しい職種です。理学療法士及び作業療法士は、医療の現場で治療に当たる場合は「医師の指示の下」で行うことが法で定められています。


理学療法士と作業療法士との違いはどういった点でしょうか

 各仕事の内容は、患者さんそれぞれの状態や病期によって異なります。

 理学療法士は、「身体に障害のある者」に対して、主に電気や温熱などを利用した物理療法や、運動療法などを用いて、基本的動作能力の回復をはかります。治療を目的とした医学的リハビリテーションに比重が置かれます。

 一方、作業療法士は、「身体又は精神に障害のある者」が対象で、心と体に関わる職種です。

 作業療法士は、できる限りの回復を目指して治療を行い、その後の日常生活や社会生活の支援も行います。その手段は法律では「手芸、工作その他の作業」とありますが、その人の日常生活や社会生活活動のすべてが該当します。

 たとえば、料理や外出をしたり、電車に乗ったり、パソコンを操作したり、生活するために必要な動作を行うためのすべてが含まれ、作業療法士は応用的動作や社会適応の力を広げる社会的リハビリテーションも担います。

 理学療法士と作業療法士の仕事は、その法律の名称も「理学療法士及び作業療法士法」となっているように、患者さんの医療から生活の支援を両者が連携して進めることが求められています。


保健医療に関わる職種の活躍の場について教えてください

 リハビリテーションの領域には、昔から職業的リハビリテーション、医学的リハビリテーション、教育的リハビリテーション、社会的リハビリテーションがあります。世界的には戦争による傷痍軍人の職業復帰を支える職業的リハビリテーションが最初の領域で、また特別支援教育と関係する教育的リハビリテーションも比較的古い領域です。高校生の皆さんがイメージしやすいのは理学療法士や作業療法士が医療チームの一員として、医師や看護師、他の医療者と連携しながら患者さんの治療に当たる病院や診療所で行われている医学的リハビリテーションかもしれません。社会的リハビリテーションの領域は、障害を持つ方々の社会参加を支えるための様々な制度や生活上の工夫が含まれます。

 以上が、リハビリテーションの主な領域ですが、これらに加えて最近になって重視されているのが地域リハビリテーションと言われるものです。

 地域リハビリテーションは、市町村のより狭い範囲を単位として、高齢者を対象に、住み慣れた地域で健康な生活を長く営むことができるよう、心身の機能維持、介護予防、健康増進を目指して支援するものです。理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの保健医療福祉職が一緒になって健康な地域づくりに参画するニーズは、今後さらに高まるでしょう。


保健医療を学ぶ上で、国際医療福祉大学の強みは何でしょうか?

 第一に、4つの附属病院をはじめ、多数の病院・介護保険施設などがあることです。栃木県大田原キャンパスには大学構内にこれらの施設が6施設あり、施設に居住する方々と学生との交流が日常的にみられます。将来職場で接するようになる方々と学生時代に触れ合うことができるのは卒業後につながる貴重な体験であり、使命感を養うには最適な環境です。また、本学ではこうした施設が身近にあるので実習を行う上でも大きなメリットになっています。

 第二に、国際性が挙げられます。成田キャンパスには海外経験の豊富な教員が多く勤務し、海外の医療保健福祉の実際を学べる授業が多く用意されています。

 その中の一つに「海外保健福祉事情」という科目があります。この科目は、主にアジア諸国の提携大学・機関で、約2週間の海外研修を行います。研修先の国の医療福祉制度に関する講義、異文化体験、現地の学生との交流、病院や医療福祉施設の見学や現場体験などを行います。海外に出て、日本の医療福祉の状況を外から考える場にもなる貴重な機会です。

 また、アジア諸国から日本の保健医療福祉を学ぼうと優秀な留学生が在籍することもキャンパスを国際色豊かなものにしています。

 2017年4月の医学部新設によって、成田キャンパスには、最先端の医療設備が整えられ、医療を学ぶ上で優れた環境が用意されました。たとえば、これまで本学の特長として掲げてきた他の医療職との協力関係や自分の役割などを学ぶIPE(関連職種連携教育)は、医学部が加わることで、より実践的な教育が可能になります。このことも本学の3つ目の特長として挙げることができます。

 受験生の皆さんにお伝えしたいのは、これまでの自分の学力や経験などを問わず、誰もがゼロから学び直すカリキュラムや環境を、成田保健医療学部は用意しているということです。今後も、日本の保健医療分野には、多くの優秀な若者が必要です。ご自分の可能性を信じて、是非本学に入学していただきたいと思います。

この記事は「螢雪時代(2017年6月号)」より転載いたしました。

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