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学科・専攻スタディ!法・政治・国際関係学部系統

  • 【学部リサーチ 2016】 法・政治・国際関係学部系統の総合的研究

法・政治・国際関係学部系統で何を学ぶ?

法学系統は従来から非常に幅の広い学問分野であり、政治学とも両輪と言える関連性を持っている。さらに、近年ではグローバル化の広がりから、国際関係分野ともつながりが深い。法学を中心にしたさまざまな学問の組み合わせから、自分の進路に適した学科や専攻を見つけよう。

学科・専攻も進路の幅も広い法学部系統

 法学部は多くの大学に設置されているが、設置形態や学科・コースの内容などは非常に幅が広い。法学(法律学)とならんで政治学を学科やコースで置くところも多いが、法学のみ、または学科組織がないケースもある。
 国立大は、旧帝大にはいずれも法学部がある。北海道大は法学課程、東北大は法学科、東京大は第1類(法学総合コース)・第2類(法律プロフェッションコース)・第3類(政治コース)、名古屋大は法律・政治学科、京都大・九州大は学科組織なし、大阪大は法学科と国際公共政策学科という構成。ほか、茨城大のように人文学部社会科学科の中に法学・行政学コースとして法・政治学が置かれている大学もある。信州大は、経済学部の中に経済システム法学科があったのが2016年に経法学部に改組し、総合法律学科となった。
 公立大で法学部の名称は、大阪市立大と北九州市立大の2大学のみ。首都大学東京は、都市教養学部都市教養学科の中に法学系〈法律学、政治学〉がある。
 私立大は、中央大(英吉利法律学校)、法政大(東京法学社)、明治大(明治法律学校)、関西大(関西法律学校)など明治初期の法律学校を起源とするところもある。また、明治大や早稲田大のように政治学を法学部ではなく政治経済学部に置く大学もある。法学・政治学は経済学・経営学とも関連が強く、前述の信州大-経法や千葉大-法政経のように合わさった形の学部もある。また近年では、法科大学院進学を中心とする法曹教育だけでなく公務員養成や企業法などからビジネス向けの人材育成に力を入れる大学も増えている。さらに、法学部の中にも、地球環境法学科(上智大)や国際企業関係法学科(中央大)、消費情報環境法学科(明治学院大)など新しい学科が設置されてきている。日本大-法の新聞学科は、ジャーナリストやメディアで活躍する人材養成を目指している。法学部の名称ではないが、大阪工業大-知的財産は特許や著作権などの知的財産を守る人材養成を目的とする法学系の学部だ。法学系統の幅広い分野から、自分の目指す進路に適した学部・学科の組み合わせを見つけられるようにしよう。

国際系も大学により重点分野が異なる

 国際関係学部(学科)は、グローバル化の進展に応じてこの20年ほどの間に大きく増えた分野。ひとことで言えば「国際的な問題に対し、問題の本質を発見する分析能力と、先見性に富んだ問題解決能力を養う学問」となるが、同じ名称の学部・学科でも、語学や文化、コミュニケーションに重点を置くところと、国際政治や経済・ビジネスに重点を置くところが大学により異なる。自分が学びたい分野をよく確かめた上で大学を選びたい。2016年新設の千葉大-国際教養は、総合大学の強みを活かした文理混合教育やアクティブ・ラーニングなどの手法を通じ、課題発見・解決能力を備えたグローバル人材の育成を目指す。同じく新設の学習院大-国際社会科学は、法律、経済、経営、社会学といった社会科学の手法によって国際社会の課題を解決する力を身につけようとするのが狙い。入学後に4週間以上の海外研修に参加することを卒業要件としている。

法学・法律学系学科の内容

法学科

法律学科 等
 いわゆる六法(憲法、民法、刑法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法)について学ぶ伝統的な学科。法学科では、これら基本法律科目のほか、行政法や労働法、知的財産法などの特別法、あるいは法理論を哲学的・社会学的・歴史的に学ぶ法哲学、法社会学、法制史、法史学、法律学を国際的視点で学ぶ国際法、外国法、比較法などが開講されている。
 法律学の科目が非常に多いことから、将来の方向性に沿ってコースを設定している大学も多い。たとえば、関西学院大の法律学科では、司法特修、司法、企業法務の各コースに加え、政治学科と共通で、国際法政、公共政策の5コースを設定。司法特修コースでは、ロースクールへの進学、司法コースでは、司法書士や裁判所職員、企業法務コースでは、法務知識を持ったビジネスマン、公共政策コースでは、国・地域の公共的課題に取り組む公務員、NPO・NGO職員などを想定した教育を行っている。

ビジネス法学科

経営法学科 ビジネス法学科 国際ビジネス法学科 等
 法律知識を活かして企業で活躍する人材の養成を目指す学科。企業法の知識を身につけてビジネス現場で活躍しようとする人、外国のビジネス法や商慣習を学び、日本企業のグローバル化の最前線で活躍しようとする人、渉外弁護士として、国際商取引の最前線で活躍しようとする人に最適の学科だ。
 企業法、ビジネス法分野で学ぶのは、民法(契約法)・商法、会社法、雇用関係法、倒産法、独占禁止法などのほか、特許法や著作権法などの知的財産法や保険法・証券法など多彩。
 立教大の国際ビジネス法学科では、グローバル社会が進展する中で、外国企業との取引や外国での法的紛争解決に力を発揮する人材の養成を目指している。企業の協力を得て1年次に開講される「法学基礎演習」や、3・4年次に「国際ビジネス法総合」などの実践科目を設置するほか、「法政外国語演習」や「オックスフォード・サマープログラム」などの国際プログラムも用意されている。

地球環境法学科

 環境法とは、自然環境保全法や環境基本法、大気汚染防止法など私たちのまわりの空気や水などの環境を守る法律のこと。基本となる憲法や刑法、民法、行政法などに加え、生物学や地球科学、環境保全工学、動植物学、生態学、土壌学、水質学などの知識が必要。
 上智大の地球環境法学科では、憲法、民法、行政法など法律の基本科目と、入門から各論までの環境法について体系的に学んだ上で、環境訴訟法、自然保護法、企業環境法などの専門科目を履修するカリキュラムを設定。環境問題についての世界と日本の法システムに関する素養を持ち、法的思考力を備えた人材の育成を目指している。

消費情報環境法学科

 私たちが社会生活を送る中で生じる、さまざまなトラブルを解決するための法律の知識や判例について学ぶ。商品購入などの契約後に一定期間内であれば無条件で契約を解除することができるクーリング・オフ制度や製造物責任法(PL法)、クレジットカードの不正使用、食品偽装など今日的な問題も多く、身近なテーマとして学ぶことができる。
 この名称の学科を唯一設置する明治学院大では、民法、刑法、商法などの基本的な法律科目群に加えて「消費者法」「企業活動法」「環境法」の科目群を学ぶ。また、市役所や区役所などの消費生活センターや消費者団体などでのインターンシップを行っており、授業で学んだ法律や政策がどのように実施されているのかを体験する機会が用意されている。

国際関係法学科

 法律学の大きな分野である国際法に焦点をしぼった学科。初年次で英語を中心とする外国語を学んだ上で、国際契約法、国際婚姻法、国際取引法、知的財産法などの専門知識を身につけていく。経済活動のグローバル化、情報通信技術の高度先進化などで需要が拡大する国際問題に強い人材の養成を目標としている。
 西南学院大の国際関係法学科は、国際法、国際組織法、国際取引法などを国際関係法科目の基本科目として学び、発展科目として国際人権法、国際環境法、海洋法などを履修。さらに、政治学をはじめとする社会科学系科目、専門に関わる語学までを包括的に学ぶカリキュラムを設定している。実際に起こった国際紛争をモデルとした「模擬国際裁判」や「海外外国語研修」なども実施している。

政治学・政策学系学科の内容

政治学科

 国立大では、法学部の中の1コースまたは1課程として置かれているのが一般的。独立した学科として政治学科が置かれているのは私立大学のみで全部で17大学。そのうち14大学が東京都内にある。明治大と早稲田大は政治経済学部、ほかは法学部だ。
 政治学科は、政治に関する知識を体系的に学ぶことを目的に、政治学、行政学、都市行政、日本政治史、西洋政治史、日本政治思想史、西洋政治思想史、国際政治、国際法などの科目から構成されている。
 早稲田大の政治学科では、コア科目として「現代政治」「政治思想」「比較政治」「国際関係」「公共政策」の5領域を設けており、選択によっては複数にまたがる履修も可能。

政策学科

政策科学科 総合政策学科 等
 これまで日本の大学教育に欠けていたとされる「政策を立案し提案する」能力を身につけることを目的とした学科。政策を立案するには、政治学はもちろん、経済学、経営学、法律学などさまざまな知識が必要であり、そうしたことから、多くの大学が、総合政策学部などの名称で独立させるようになった。
 政策の立案には、問題の発見・解決能力、他部門との交渉力などが必要なため、(総合)政策学科では、外国語教育、プレゼンテーション、ディベートなどに力を入れている。また、法政策、地域政策、文化政策、公共政策など、1分野に特化した学科名称の大学も増えている。
 関西大の政策学科(政策創造学部)は、「国際政治経済」「政治・政策」「地域・行政」「組織・経営」の4専修を設置。さらに「政策公務ユニット」「グローバル・ガバナンス・ユニット」などの履修ユニットを用意し、各専修を横断的に研究することができる。

法政策学科

 法律学を基礎として政策の立案について学ぶ学科。地方行政や金融・保険などさまざまな分野で必要とされる法的知識を学び、それを基盤に政策や企画を立案できる能力を養うのが目的。
 京都産業大の法政策学科(法学部)では、安全保障、行政、公共政策、社会安全、社会政策の5つの履修プログラムを設定。フィールドリサーチ、実務家教員によるリレー講義、インターンシップなどにより、論理的思考力、企画立案力、情報発信力を養う。さらに、他学部との融合プログラム(人事・労務プログラム、知財エキスパートプログラムなど)や職能資格教育プログラム(「初級地域公共政策士」法政策基礎プログラムなど)といったプログラムを用意し、発展的・能動的な学習をサポートしている。

文化政策学科

 国や地方自治体の文化政策や企業の文化支援(メセナ)などについて、日本文化や外国文化の知識、博物館学・美術館学、行政法を中心とする法律学などを総動員して学ぶ学科。
 静岡文化芸術大の文化政策学科(文化政策学部)は、地域文化や企業文化の第一線で活躍する人材を養成することが目的。1年次に文化と政策、地域政策論などを学科基礎科目として、2・3年次に政策、経営、情報の3分野に分けられた科目を学科基幹科目としてそれぞれ履修。国や自治体の政策、非営利法人の社会活動、企業や公的組織の経営、社会とICTの関係などについて、地域と文化の視点を踏まえて学ぶと共に、実践的な調査・企画の手法を習得する。

地域政策学科

コミュニティ政策学科 地域づくり学科 等
 地方公務員として地域住民の福祉や健康に携わったりできる人材を養成する学科。地域が抱えるさまざまな問題を解決し、適切な政策を立案するための知識と技術を学ぶ。
 鳥取大の地域政策学科(地域学部)は、1年次の地域調査入門、総合演習等で地域調査の手法を学び、2年次の地域調査実習、海外フィールド演習で国内外のフィールドを実体験。さらに3年次のインターンシップ、専門ゼミでは、学んできたことをまちづくりや村おこしに結びつけようとしている。

公共政策学科

国際公共政策学科 等
 公共政策とは、政府または公共部門が行う公共的な政策のこと。主なものとして、外交政策、経済政策、社会政策、文化政策、教育政策、医療政策、農業政策、エネルギー政策などがある。公共政策学科では、これらの内容について概略を学んだ上で、解決すべき公共問題とは何か、解決にはどのような政策立案が必要か、それをひとつの政策にまとめるにはどのような過程を経ることが必要かなどを学んでいく。
 現在、専門職大学院として公共政策大学院が多くの大学に設置されている。これらでは、公共政策分野に加え、政治・行政、法律、経済・財政などを学ぶとともに、リーダーシップ、交渉術などについても専門的に学んでいる。
 日本大の公共政策学科(法学部)は「行政職課程」「公共政策総合コース」「福祉・社会政策コース」の3課程・コースを設置し、入学後いずれかを選択して学ぶ。

自治行政学科

行政政策学類 等
 政治学のうち、行政分野の専門知識修得に力点を置いた学科。国家・地方公務員のほか、都市問題や地域福祉の専門家など、地方自治、コミュニティ福祉など、地域を支えるリーダー養成を狙いとしている。
 神奈川大の自治行政学科(法学部)は、地域のニーズに応じた特色ある行政や効率的な行政運営ができる人材の養成を目標としている。環境、まちづくり、福祉など、地域社会の諸問題を、自治体行政に関わってきた実務経験者を招いて研究しているのが特色だ。
 福島大の行政政策学類(人文社会学群)は、法学、政治学、行政学、社会学などの学際的研究と、法学・地域と行政・社会と文化の3専攻による専門研究を通して、地域づくりに貢献できる人材を養成。毎年、卒業生の約4割が国家・地方公務員になっている。

国際関係学系学科の内容

国際関係学科

 国際社会で起きているさまざまな問題を学ぶ学科。国連やその専門機関などで国際公務員として働こうとする者にとっては必須の学問分野だ。
 この学科では国際間の政治・経済・文化などを中心に学ぶ「国際関係」と、各地域別に政治・経済・文化を比較研究する「地域研究」を2本の柱とする大学が多く、国際機関、国家、地域社会、民間企業、NGO・NPO、さらに個人に起こるさまざまな問題を総合的に考察する。
 立命館大の国際関係学科(国際関係学部)は国際関係学専攻とグローバル・スタディーズ専攻がある。国際関係学専攻は、2年次から「国際秩序平和」「国際協力開発」「国際文化理解」の3プログラムのいずれかに所属して専門的に学ぶ

国際政治学科

国際政治経済学科 等

 国際政治を、政治学、国際関係学、経済学などから解明しようとする学科。
 青山学院大の国際政治学科(国際政治経済学部)は、2年次から「政治外交・安全保障コース」「グローバル・ガバナンスコース」の2つの履修コースを設定、今日の複雑な国際関係を理解し、日本と国際社会のより良い関係を提案できる高度な分析能力を持ち、豊かな語学力を備えた人材の養成を目指している。

国際経営学科

国際ビジネス学科 国際商学科 等

 実践学としての国際ビジネスを学ぶ学科。1・2年次で語学・コンピュータの力を身につけて、3・4年次では国際経営学や会計学などの専門知識を身につける。最近では、外国や国際企業での国際インターンシップを実施する例も増えている。
 立教大の国際経営学科(経営学部)では、少人数によるグループ討論を通してビジネスを体験的に学びながら英語力を身につける「バイリンガル・ビジネスリーダー・プログラム(BBL)」を実施。1年次・2年次の海外留学プログラム、2年次以降の専門科目の授業の約7割が英語という環境で、英語力を駆使して企業経営ができる人材の養成を目指している。

国際社会学科

国際社会科学科 地球社会共生学科 等

 グローバル化が進行する国際社会を、政治・経済・社会などの視点で、総合的に理解しようとする学科。
 東京女子大の国際社会学科(現代教養学部)は、国際関係、経済学、社会学の3専攻を設置。入門、基礎講義、基盤演習、応用講義、発展演習と科目群を系統的に履修することで、現代社会を世界的な視野でとらえ、豊かな教養と専門性を備え、地域社会や国際社会で活躍できる人材の養成を狙っている。

国際文化学科

 国際社会における文化現象を、諸地域の思想・歴史・文学など多方面から研究する学科。各地域の文化を深く学ぶ「地域研究」と、それらを比較・解明する「比較文化研究」などを柱に研究を行っている。
 法政大の国際文化学科(国際文化学部)は、文化と情報をキーワードに異文化間のコミュニケーションを研究する学科。情報文化コース、表象文化コース、言語文化コース、国際社会コースの4コースを開設するほか海外留学(SAプログラム)が必修で実施されている。

国際交流学科

国際協力学科 等

 日本と国際社会を結ぶ架け橋として、国際協力や文化交流などの分野で情報発信できる人材を養成する学科。外国語の修得と情報処理力の養成に力を入れ、フィールドワークやインターンシップなどで実践力を身につける。
 フェリス女学院大の国際交流学科(国際交流学部)の専門科目は「国際協力」「文化交流」「人間環境」の3プログラムで構成されており、プログラムに応じて国際政治・経済や世界各地の歴史・思想・文化などを学んでいく。

国際観光学科

 グローバル化が進む中で、年々発展する国際観光に焦点をあてた学科。文化・産業・交通・レジャーなどの分野で国際的に活躍できる知識と実務能力を身につけるのが目的。
 東洋大の国際観光学科(国際地域学部)は、ツーリズム・マネジメントコース、ホスピタリティ・マネジメントコース、レジャー&リゾート・マネジメントコースの3コースを設置。海外の大学での観光学研修やインターンシップ研修などの実践的な教育で、観光業界をリードする人材を育成する。

国際教養学科

 欧米の高等教育の共通語となっている英語で文学や政治・経済などの専門科目を「国際教養=リベラルアーツ」として学ぼうという学科。外国人留学生と共通で英語による授業を実施するほか、海外留学を必須とするなど特異で斬新なカリキュラムが設定されている。
 上智大の国際教養学科(国際教養学部)は比較文化(文学、哲学・宗教、美術史)、社会科学(文化人類学・社会学、歴史学、政治学)、国際経営・経済学の3コースを設け、複合的な専門教育を行っている。

国際コミュニケーション学科

国際社会コミュニケーション学科 国際言語コミュニケーション学科 等
 国際交流、国際協調、異文化交流など、国際コミュニケーションに関する理論や知識を学ぶ学科。コミュニケーションの基礎となる外国語については、ネイティブ教員による授業が行われ、さらに、異文化理解と日本文化に関する科目が設置されているのが一般的。
 青山学院大の国際コミュニケーション学科(国際政治経済学部)は、同じ学部の国際政治学科、国際経済学科を横断する5コース制(政治外交・安全保障、グローバル・ガバナンス、国際経済政策、国際ビジネス、国際コミュニケーションの各コース)を敷くとともに、外国語教育にも力を入れている。

この記事は「螢雪時代(2016年12月号)」より転載いたしました。

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