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「情報理工学部の魅力って何?」立命館大学 仲谷善雄先生

  • 【学部リサーチ 2016】 理学部・工学部系統の総合的研究
  • [2016/7/19]

人間生活をより快適にするシステム、
ソフトウェア開発の専門人材を養成

《私立》立命館大学 情報理工学部 学部長
仲谷善雄(なかたに よしお)先生

1958年大阪府生まれ。大阪大学人間科学部(社会心理専攻)卒業。三菱電機、米国スタンフォード大学言語情報研究センター客員研究員を経て立命館大学教授。2006年、情報理工学部副学部長。2014年学部長・研究科長就任。専門はヒューマンインターフェイスと認知工学で、観光客防災などの減災情報システム、観光ナビなどの道路交通システムの構築に力を入れるとともに、災害で思い出の品をなくした人を支援する「思い出工学」という新分野も開拓している。

ICTの発達が世界を変える

 人間は、言葉を使って情報をやり取りすることで、大きく発展してきました。対面での会話から始まった情報のやり取りは、手紙などを使った文字通信となり、無線電信の発明によって電報、電話へと発展しました。

 これらはそのたびに人間の生活文化を大きく変えましたが、現在、私たちが経験しているインターネットを基盤とした情報通信技術(ICT)は、これまでの人類の歴史にかつてない革命的な変化を私たちの生活にもたらしました。

 ICTは現在、めざましいスピードで進化しており、いまや私たちはICTがなければ一日も立ち行かない世界に生きています。化石エネルギーに変わる自然エネルギーの供給システム、高速鉄道網や車の自動運転システム、自動制御が当たり前の家電製品、世界のどことでもつながるようになった携帯電話など、私たちの生活はICTなしには成り立たなくなっています。

 こうした世界中の人々が、インターネットを通してリアルタイムでつながり、SNSなどで、いつでもどこでも誰とでも、会話したり文字・映像などを送受信したりできるようになった世界では、それらを使いこなすのはもちろん、よりいっそう快適に使うためのシステムやソフトを開発する人材が欠かせません。

4学科から1学科7コースへ

 立命館大学情報理工学部は、2004年、ICTに関わる専門人材を養成するため、理工学部の情報工学科を発展させ、日本の大学では最大規模の情報系学部として誕生しました。情報理工学部発足後の10年は、冒頭でも述べましたように、ICTが空前の発展を遂げ、世界中の人々が国境を超えて移動しあうグローバル社会となった時期でした。

 この期間、情報理工学部は、多くのIT、ICTを中心とする有力企業に人材を輩出し続けただけでなく、ICTのあらゆる研究分野をカバーする約100名の教員を擁する大規模な学部になっています。

 現在、情報理工学部は4つの学科で教育・研究を行っていますが、皆さんが受験する明年2017年から、1学科(情報理工学科)7コースに再編する予定ですので、まずそこから紹介したいと思います。

 2017年に情報理工学部に入学すると、一回生の前期(第1セメスター)で、数学、情報理論、計算機科学などの情報科学技術を基礎から学んだ上で、後期から自分の興味・将来の進路に合わせ7つのコースからひとつを選択します。

 システムアーキテクトコースは、情報システムを構築するアーキテクト(建築家)の養成を、セキュリティ・ネットワークコースでは、コンピュータなどをサイバー攻撃などから守るための技術を身につけ、先端社会デザインコースでは、人間とICTが共生する未来の社会システムを構築するための実践技術を身につけます。

 また、実世界情報コースでは、ヒューマンインターフェイスやバーチャルリアリティ、ロボットなどの研究を行い、画像・音メディアコースでは、コンピュータグラフィックス、3次元画像処理、音声認識・合成などのメディア技術の高度化を研究。知能情報コースでは、データ解析、数理モデルやシミュレーションなどを体系的に学び、知能情報システムを工学的に構築する方法を学びます。

 情報システムグローバルコースは、他の6つのコースが、日本語で教育が行われるのに対し、英語が基準となるコースです。留学生と共に学ぶグローバルな環境で、ICTの様々な分野を横断的に学んだ上で、その知識を活用して実践的に問題解決の仕方を学びます。定員は1学年50人。そのうち外国人留学生が30人を占めるのが特色です。

 1回生後期(第2セメスター)にコースを選択した後は、3回生前期までの1年半、コース専門科目を受講します。3回生の前期では所属する研究室を決め、3回生の後期から卒業研究に取り組みます。

様々なグローバル教育を展開

 立命館大学は、関西の私学で2校しか選定されていないスーパーグローバル大学のひとつであり、グローバル化にも積極的に対応しています。

 情報理工学部のグローバル対応の例として、情報システムグローバルコースを紹介しましたが、それ以外にも、海外IT研修プログラム、海外インターンシップ・プログラム、中国の大連理工大学と共同で開設・運営する国際情報ソフトウェア学部など、多くの先端的な取り組みを行っています。

 これらのうち、海外IT研修プログラムは、国際社会を舞台に活躍できる人材養成を目的に約5週間にわたって初・中・上級3段階で行われているプログラムです。

 初級プログラムは、主に1回生を対象に、オーストラリア・クイーンズランド工科大学で行われるもので、英語の集中授業とITに関する講義などが行われます。中級プログラムは、主に2回生を対象に、アメリカ・ワシントン大学で行われるもので、Google社などの現地IT企業でのフィールドワークやIT分野のゲストスピーカーを招いての授業などが行われます。上級プログラムは、主に3回生を対象にインドのシンビオシス国際大学で行われるもので、現地IT企業の現役技術者によるソフトウェア開発の実践的教育が行われます。

 これら3つのプログラムに、中国の大連交通大学(1~2回生対象)、東北大学(3~4回生対象)の2校でのプログラムが加わり、現在、海外IT研修は海外5大学で実施。参加者の多くが、実践的な英語能力、ICTのグローバルな活用能力を身につけています。また、海外インターンシップ・プログラムは、主に、現地のIT企業などで働くことにより、コミュニケーション力、ITの専門知識を身につけるプログラムで、現在、中国・大連での日系IT企業、アメリカ・ロサンゼルスの現地企業、インド・プネの現地IT企業で実施されています。

 海外IT研修や海外インターンシップが、日本人学生のためのプログラムであるのに対し、大連理工大学での国際情報ソフトウェア学部は、中国の学生に立命館大学の教員が教育を行い、2年終了後に、立命館大学情報理工学部に編入するという試みです。

 大連は、中国を代表するIT企業の集積地であり、中国企業だけでなく、日本や欧米のIT企業がしのぎを削る現場です。大連理工大学はその中でトップ校の位置を維持し、その上位40人の学生が情報理工学部に編入し、お互いを刺激しあうという試みは、大いに注目されています。

高度な人材を育む「みらい塾」

 「みらい塾」は、大学入学時から大学院前期課程(修士)の6年一貫で、社会の要請に応えるグローバルIT人材を養成する情報理工学部独自の制度で、すべての学生に開かれている「オープンコース」と、英語力などの基準で選抜される「レギュラーコース」があります。

 レギュラーコースでは、1・2回生で留学生との交流や海外IT研修などに参加して異文化理解力を養成。さらに3・4回生で、グローバル企業への取材やグループワークを通してプレゼンテーション能力やチームワーク力を修得。同時にプログラム開発ワークショップや日本語・英語のテクニカルリーディング&ライティングなどでグローバルなICT能力を養います。大学院1・2回生では、海外の事例を題材としてグループワークの手法、プレゼンテーションの手法を学び、企業に対する提案書を作成し英語でのプレゼンテーションを行います。

広大で緑豊かなキャンパス

 情報理工学部が立地するびわこ・くさつキャンパス(BKC)は、他に、理工学部、生命科学部、薬学部、スポーツ健康科学部、経済学部が集積する広大で緑豊かなキャンパスです。

 BKCのある滋賀県草津市は、江戸時代、中仙道と東海道が交わる宿場町で、日本中からヒト、モノ、カネ、情報が行きかった場所です。日本にビジネスのタネをまいたといわれる「近江商人」がこの土地に誕生したのも、この地域が情報集積都市だったことと無縁ではありません。

 立命館大学情報理工学部は、このような土地に立地し、地域に大きく根を張っています。学生の半分は関西以外の出身という全国型の学部です。留学生も学部、大学院を合わせて100人ほどいます。ICTの専門人材となるために全国、海外から集う多くの仲間がいる環境で、あなたの能力を磨いてみませんか。挑戦をお待ちしています。

この記事は「螢雪時代(2016年8月号)」より転載いたしました。

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