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学部長メッセージ「外国語学部の魅力って何?」

  • 【学部リサーチ 2016】文・人文・外国語学部系統
  • [2016/4/20]

修得した言語を用い、その国や地域の文化や歴史、社会を探究

大阪大学 外国語学部 学部長
東 明彦(あずま あきひこ)先生

1953年京都府生まれ。1981年大阪外国語大学大学院修士課程修了。大阪外国語大学教授を経て、現在、大阪大学大学院言語文化研究科教授、外国語学部長(2013年〜)。1985-87年在リオデジャネイロ日本総領事館外務省専門調査員。2003年文部科学省在外研究員(リスボン新大学)。専門はブラジル史。[訳書]『ブラジルの歴史』(シッコ・アレンカールほか著、共訳、明石書店、2003 年)ほか。

グローバル人材を育む外国語学部

 皆さんは、外国語学部にどのようなイメージをお持ちでしょうか。これまで中学・高校で英語を学んできた皆さん自身の経験から、外国語について、聞いて理解したり、テキストを読んだり、会話をしたり、文章を書いたりすることを学ぶ学部だと思うかもしれません。

 たしかに、外国語学部では、自分の専攻する外国語を修得するため、聞く、読む、話す、書くの4技能を様々な実習や演習などで鍛えるのを重視しています。母語と違う言語をマスターするのには大変な努力が必要だからです。ただ、外国語学部では、専攻語を効率的・効果的に学びますが、決してそれだけで終わるわけではありません。

 外国語学部では、言語の修得は出発点です。修得した言語を使って、あるいはさらに学びながら、専攻する言語が使われている国や地域の文化や歴史、社会などについて文献や映像資料を通して研究し、あるいは現地に行って調査を行うというのが外国語学部の学びです。外国語学部は言語について学ぶ学部ですが、それだけが目的ではないということを、まず頭に入れておいてほしいと思います。

 最近、グローバル人材の養成ということが、しきりと言われるようになっています。つまり、高度な言語能力と異文化理解能力・異文化コミュニケーション能力、さらに主体性・協調性・使命感を併せ持って、世界の人々と共に働くことができる人材です。

 こうした人材の養成こそ長年にわたって外国語学部が取り組んできたことです。世界各地には様々な言語があり社会があり文化があります。そうした様々な背景を持った人々が、政治や経済、学術研究、観光、あるいは紛争などを理由に行き来しているのがいまのグローバル社会です。

 日本では、外国語というと英語のみが取り上げられ、それをマスターすることがグローバル人材の要件のすべてのように語られることがあります。たしかに、現代世界では、英語はきわめて重要な言語です。ただ、現実の世界には、英語だけではカバーできない広大な、多彩な世界が広がっているのも事実です。

 グローバル人材とは、こうした多言語・多文化の世界で、言語および異文化理解能力を背景に、使命感を持って積極的に人と人とを結びつけるような働きができる人材のことです。そうした人材の養成こそ外国語学部がこれまで行ってきたことですし、これからも続けようとしていることです。

25の言語を学べる国立総合大学唯一の外国語学部

 大阪大学外国語学部は、外国語学科に中国語、朝鮮語、モンゴル語、インドネシア語、フィリピン語、タイ語、ベトナム語、ビルマ語、ヒンディー語、ウルドゥー語、アラビア語、ペルシア語、トルコ語、スワヒリ語、ロシア語、ハンガリー語、デンマーク語、スウェーデン語、ドイツ語、英語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、日本語の25の専攻を持ち、入学定員580名を擁する国立総合大学唯一の外国語学部です。

 外国語学部は、2007年の10月、大阪大学と大阪外国語大学との統合にともなって設置されましたが、その歴史は、1921年に大阪市の中心部、上本町に設立された大阪外国語学校にまで遡ることができます。

 当時、外国語学校は東京外国語学校(現・東京外国語大学)しかなく、「大阪に国際人を育てる学校を」という願いを持った実業家・林蝶子女史の寄付金により設立されたのが本学の前身、大阪外国語学校でした。

 その後、大阪外国語学校は、1944年、大阪外事専門学校と校名を変え、1949年には新制の大阪外国語大学となり、1979年に現在の箕面の地にキャンパスを移転しました。2007年には大阪大学と統合し、大阪大学外国語学部として新しいスタートを切りました。

4年一貫制による専攻語教育および専門教育を展開

 本学部は、大阪外国語学校以来の理念を引き継ぎ、「外国の言語及びそれを基底とする文化一般について理論及び実際にわたって教授研究し、国際的な活動をするために必要な広い知識及び高い教養を与え、言語を通じて外国に関する深い理解を有する有為な人材を養成する」を教育理念としています。

 そのため、本学部では、世界の主要な言語を専攻語として徹底した言語教育を行い、それを基盤とした各国・各地域の言語、文学、文化、社会などに関する専門教育を行っています。

 本学部の教育の特色は、4年一貫の専攻語教育・専門教育にあります。学生は、1・2年次から、ネイティブスピーカーによる授業を含む専攻語の授業を必修科目として履修し、3・4年次では、専攻語や英語などの高度な運用能力をもとに、世界各地域の言語や文学、文化、社会に関する専門的な知識を身につけます。

 外国語学部のキャンパスは箕面キャンパスですが、1年次の1年間は、他学部の学生と机を並べ、教養、言語・情報、健康・スポーツ、専門基礎などからなる「全学共通教育科目」を豊中キャンパスで受講します。同時に、専攻語についての授業(実習)も、外国語学部の教員により行われます。

 2年次以降は、学生は箕面キャンパスに移り、各専攻の専門教育科目(言語、文学、文化等)を履修します。専攻語についての授業も、1年次に引き続いて2〜4年次にも履修します。同時に、学部共通科目として、言語学や文学、歴史、文化、国際関係などの方法論科目、アジアやアフリカ、欧米などに関する地域系科目、異文化理解演習などの特設科目等々も履修することになっています。

ほとんどの学生が在学中に海外を体験

 海外志向が強く、多くの学生が在学中に海外滞在経験を持つことも本学部の特色です。海外の大学との学術交流協定数は、部局間学術交流協定が54、外国語学部専任教員がコンタクトパーソンである大学間学術交流協定が30あり、総計84に上ります。政府や基金などの奨学金による留学や私費留学・語学研修も加えると、ほとんどの学生が海外に出かけているのが本学部の大きな特色です。

 本学部では、交換留学の場合だけでなく、休学留学の場合にも、一定の要件を満たせば、留学先の大学での取得単位を卒業要件単位として認定して、学生の留学を支援しています。

工学研究科の院生と海外実習 カップリング・インターンシップ

 最後に、海外研修プログラムの一例として、カップリング・インターンシップ(CIS)というユニークなプログラムを紹介したいと思います。これは、本学部生と工学研究科の大学院生がペアになって、現地大学の学生と合同で、アジア諸国にある日系企業でインターンシップを行うプログラムです。2015年度は8カ国で実施され、たとえばタイでは、本学部の学生2人、工学研究研究科の大学院生2名がタイ人学生4人とともに、現地の日系企業でインターンシップを行いました。

 現地の学生や他分野の大学院生と協働することで、専攻する言語の実践的なコミュニケーション能力が高まると同時に、異分野理解能力・グローバルな相互理解力・問題解決能力が養成されます。現地でのインターンシップは2週間ですが、事前の準備学習、事後の振り返り学習があるため、濃い人間関係が構築でき、インターンシップ終了後も現地の学生とメールでの交流を続けるなど、グローバル人材の養成に有効なプログラムになっています。

 “Let Language Be Your Wings ToThe World.”(言葉を究めて世界へはばたく)、“Culture Through Language, LanguageThrough Culture.”(言語を通して文化を学び、文化を通して言語を学ぶ)をモットーに、世界から若者が集う大阪大学外国語学部であなたの夢をかなえませんか。

この記事は「蛍雪時代(2016年5月号)」より転載いたしました。

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蛍雪時代

螢雪時代・7月号

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