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学部トレンド! 2015 教育・教員養成・体育・健康科学部系統

  • 【学部リサーチ 2015】 教育・教員養成・体育・健康科学部系統
  • [2015/10/1]

教育・教員養成・体育・健康科学部のトピックス

 2016年の国立大学改革のひとつに、教員養成学部の大改組がある。教員養成課程に特化し、地域貢献型学部を新設するなどの動きが活発だ。「スポーツ庁」の発足と東京五輪に向けてスポーツ系学部の新設も目立つ。

続く国立大教員養成学部の改組。「ゼロ免」課程を縮小または廃止

 国立大学の教育学部が大きな変革期にある。2013年に文部科学省が出した「国立大学改革プラン」の一環として「教員養成学部の教員養成機能への特化と、教員免許を卒業要件としない課程の廃止」があり、それを受けて2016年度に教員養成系学部の改組を計画している大学が多い。たとえば福井大は、現在の教育地域科学部を学校教育課程のみの教育学部に改組。地域科学課程は募集停止し、替わって国際地域学部を新設する予定だ。同様に愛媛大‐ 教育も、総合人間形成課程・スポーツ健康科学課程・芸術文化課程を募集停止し、社会共創学部を新設予定。弘前大、岩手大、信州大、静岡大、佐賀大でも教員免許取得を卒業要件としない課程(いわゆる「ゼロ免」課程)の募集停止または新学部への改組が予定されている。
 これらに先がけて、2014年に全学的な改組を実施した北海道教育大は教員養成課程の定員を700人→720人に増員(札幌校・旭川校・釧路校の合計)。東京学芸大も2015年に全学的改組を行い、教員養成課程の定員を730人→825人に拡大する一方で、教員養成以外の5課程16専攻を「教育支援課程」に統合、定員も335人→185人に減らした。ほかにも2014年には秋田大‐ 教育文化、三重大‐ 教育で、2015年には滋賀大・山口大・香川大・高知大の教育で教員養成課程の定員を増やした。埼玉大‐ 教育は逆に2015年から教員養成課程の定員を480人→ 430人に減らしている。
 もともとゼロ免課程は、教員採用数が減り教員就職率が下がっていた1987年以降に全国の国立大教育学部で設置された。しかし2000年以降は教員就職率が上昇しており、“団塊の世代”の定年退職もあいまって再び教員養成課程を拡充する動きにつながっている。

増える現場の負担感。労働環境の改善が急務

 教員養成課程を拡充する理由としては、教員の「長時間労働」の実態もある。2014年6月に公表されたOECD(経済協力開発機構)の調査によると、加盟34か国・地域の中で日本の教員(調査対象は中学校教員)の勤務時間が最も長いことがわかった。これを受けて同年11月、文部科学省が全国の公立小・中学校の教職員を対象に実態調査を行い、その結果が本年7月27日に公表された。
 これは、学校現場の業務を71に分類し、学校における実施体制や改善策、教職員の従事状況や負担感などを調査したもの。一日の平均在校時間は小・中学校ともに、校長や教諭よりも副校長・教頭が長く、全体の約4割は自宅に仕事を持ち帰っているという結果が出た。また、負担感(「負担である」「どちらかといえば負担である」の合計)が高かったものは、「国や教育委員会からの調査対応」(小学校副校長・教頭:83.7%、中学校副校長・教頭:84.7%、小学校教諭:87.6%、中学校教諭:86.4%)や「研修会の事前レポートや報告書の作成」(小学校教諭:72.9%、中学校教諭:71.5%)、「保護者・地域からの要望・苦情等への対応」(小学校教諭:71.4%、中学校教諭:71.1%)など。副校長・教頭では、「給食費の集金、支払、未納者への対応」も比較的負担感が高かった(小学校:64.2%、中学校:64.3%)。「部活動の指導、各種大会への引率等」は中学校教諭の従事率が91.3%と高いが、負担感は48.5%とそれほど高くない。子どもたちと直接関わる仕事は、負担に感じる教員が少ないといえる。
 今回公表された報告書は『学校現場における業務改善のためのガイドライン-子どもと向き合う時間の確保を目指して-』と題されている。本来、教員にとって最も大事な「子どもと向き合う時間」が、それ以外の業務で十分にとれない実態が見てとれる。教員養成課程の拡充は、十分な教職員数を確保し労働環境を改善するための施策といえるだろう。

「スポーツ庁」が発足。日本大・山梨学院大で学部新設

 10月1日に「スポーツ庁」が新設される。この背景としては、2011年に制定された「スポーツ基本法」があるが、2013年に2020年のオリンピック・パラリンピック開催地が東京に決まったことも大きく影響している。
 現在は文部科学省の「スポーツ・青少年局」の中にスポーツ・青少年企画課、スポーツ振興課、競技スポーツ課があるが、新しいスポーツ庁は、政策課、スポーツ健康推進課、競技力向上課、スポーツ国際課、オリンピック・パラリンピック課で構成される予定。ここからもわかるように、当然ながら東京五輪のためだけではなく、その後も生涯スポーツの普及や競技スポーツのレベルアップなど、持続的にスポーツ行政を管轄する組織として活動していく。
 こうした中、2016年に日本大では危機管理学部とともに「スポーツ科学部」を新設する予定(入学定員300人)。競技スポーツ学科1学科だが、2年次からはアスリートコースとスポーツサポートコースに分かれ、スポーツサポートコースの学生の進路としては、地域のスポーツ指導者や競技団体の職員などが想定される。山梨学院大も2016年に「スポーツ科学部」(入学定員170人)を新設予定。競技スポーツコースと生涯スポーツコースを設置し、スポーツを通じて社会に貢献する人材の育成を目指す。日本大、山梨学院大ともにさまざまな競技スポーツで世界レベルのアスリートを数多く輩出してきた大学だけに、満を持してのスポーツ科学部設置が注目される。

この記事は「蛍雪時代(2015年10月号)」より転載いたしました。

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