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学長メッセージ「工業大学の魅力って何?」

  • 【学部リサーチ 2015】 理学部・工学部系統
  • [2015/8/1]

工学・知財の最先端の専門知識・技術を修得。デザイン思考を身につけてグローバルに活躍

《私立》大阪工業大学 学長
井上 正崇(いのうえ まさたか)先生

姫路工業大学(現・兵庫県立大学)工学部電気工学科卒業。大阪大学大学院工学研究科電気工学専攻博士課程修了。工学博士。大阪大学助手、助教授、コーネル大学研究員を経て1986年大阪工業大学教授。工学部長を経て2007年学長に就任。専門は半導体工学で、『人工格子の基礎』『光エレクトロニクス』『半導体デバイス工学』などの著書がある。大学基準協会評議員、大学コンソーシアム大阪理事長。

デザイン思考で未来をつくる

 皆さんはデザイン思考(Design thinking)ということばを聞いたことがありますか。多くの革新的技術が開発されたアメリカの西海岸、とくにスタンフォード大学の研究者・開発者から広まったとされ、解決すべき問題に対して、どこが問題か、解決するには何が必要かなどを様々な角度から考え、それを現実的なプランに落とし込み、最終的にまったく新しいものを生み出すという考え方です。
 おなじみのiPhoneを例にすると、そこで使われているトランジスタや液晶フィルム、電子回路など、個々の技術のほとんどが日本製です。しかし、iPhoneという画期的製品を作り出したのは、スティーブ・ジョブスでありアップル社でした。
 皆さんもご存知のように、ジョブズは技術屋ではなくデザイナーです。彼は、こういう製品があればいいなと創造的に考え、それを形にすることに挑みました。それが世の中を大きく変え、アップル社を世界的企業に押し上げたのです。
 本学が、2017年4月に開設する大阪・梅田の新キャンパスにロボティクス&デザイン工学部(仮称)を設置(構想中)する目的は、こうしたデザイン思考で、世界でもっとも少子高齢化が進む日本の、とくにハンディキャップを持った人々をサポートするサービスロボットの開発・研究を行いたいという思いがあるからです。
 少子高齢化は日本だけでなく、欧米諸国など先進国が抱える共通の悩みです。そこで求められるのは、人々の日常生活の中に入り込み、違和感を感じることなく生活していくことを支える人工知能でありロボット技術です。私たちは、そこにデザイン思考を取り入れてブレークスルーを起こしたいのです。
 新学部の発足を前に、昨年はスタンフォード大学から若手の教授陣を迎えてワークショップを開催しました。今年は本学から若手教員5人をスタンフォード大学に派遣します。「デザイン思考なら大阪工業大学」という学部・キャンパスに育つことを願っています。

PBL教育を全学で推進

 本学は現在、3つの学部、2つの大学院研究科、1つの専門職大学院を持っています。
 これらのうち知的財産学部は、日本のものづくり技術が生み出してきた特許技術などの知的財産について、法律や国際条約、経済、工業技術など幅広い領域から学び、知的財産を守り、活用できる人材を育てる国内唯一の学部です。
 知的財産学部の開設やこの度のロボティックス&デザイン工学部の開設計画に見られるように、本学は、これまでになかった分野への進出に積極的であると同時にPBL教育、グローバル教育にも注力しています。
 PBL(Ploblem Based Learning)教育とは、出題されたテーマに対して、学生自身が主体的に考え、失敗を経験しながら問題点を発見・分析し、解決できる能力を身につけていく教育方法です。本学では、全学部でPBL教育を導入し、専門知識・技術の修得に加え、協調性や発想力・プレゼンテーション能力などを養っています。
 たとえば、機械工学科のPBL科目「エンジニアリングプラクティス」では、学生がチームに分かれ、1年をかけてホバークラフトや電気自動車、ゴミ検知ロボットなどの製作に取り組みます。企画・立案から加工・製作、プレゼンテーションなどの全工程を自分たちで行い、完成後はコンペティションで性能を競います。

学生が独自に取り組むプロジェクト

 学生が、地域社会の課題や問題に、現場の方々とコミュニケーションを取りながら自主的に取り組む「プロジェクト活動」も活発です。
 教育行政とのコラボレーションで子ども向けの算数学習アプリを開発する「デジタル教材開発プロジェクト」、徳島県佐那河内村の「古民家再生プロジェクト」、廃校になった小学校をセミナーハウスとして再生させる「小学校リノベーションプロジェクト」などが進行しています。
 こうした地域社会に出掛けて活動するものに加え、学内でも小学生対象の「工作教室」などを開催しています。工作や理科が好きな子どもを増やしたいという思いで始まったプロジェクトですが、研究室や実験室で子どもとものづくりの楽しさを共有することで、学生自身が気付きを得てモチベーションを上げることにもつながっています。
 学生たちが目標とする大会を決め、上位入賞を目指して行う独自のプロジェクト活動も盛んです。人力飛行機プロジェクト(鳥人間コンテスト)、ソーラーカープロジェクト(鈴鹿ソーラーカーレース)、ロボットプロジェクト(NHK大学ロボコン)、学生フォーミュラプロジェクト(全日本学生フォーミュラ大会)などがあります。このほか学生食堂から出たゴミから燃料をつくりその燃料から出た電気をキャンパス内で使う「キャンパスエコプロジェクト」などユニークなプロジェクトにも積極的に取り組んでいます。

海外の大学で大規模な国際PBL

 このように多彩なPBL学習の国際版が「国際PBL」です。現在、日本企業では、多国籍化や生産拠点の海外移転などにより、技術者・研究者の「グローバル化」が急速に進んでいます。工学技術の専門知識をしっかりと持つと同時に、海外の生産拠点などで、海外の人々とコミュニケーションを取りリーダーシップを発揮できる人材が強く求められているのです。
 本学の国際PBLは、2~3年次の学生を対象に、台湾の国立台湾科技大学、国立台北科技大学、タイのタマサート大学、泰日工業大学、韓国の国立芸術総合学校などに赴き、現地学生とチームを組んでPBLを行うプログラムです。
 昨年度の台湾科技大学でのPBLでは、機械工学科の2~3年次の学生15人と現地学生17人が5~6人でチームをつくり、風力発電用のタービン(Wind Turbine)を作るという課題に挑みました。リーダー、サブリーダーを決め、コンセプトを検討・具体化、チームミーティングを経て設計・製作を行い、風洞実験を繰り返して試作機の修正を行い、最終評価会に臨むという一連の実践プログラムを体験しました。
 参加した学生は、台湾科技大学のチームメンバーの英語力やアイデアを積極的に提案する姿勢などに刺激を受けると同時に、アイデアを生かした機械製作の技術力や改善の力では自分たちが優っていたと自信を持って帰国しています。価値観や使用言語が違う人と一緒にものづくりをするには何が大切かを体感した学生は、多くが大学院に進学し、研究を深めるために海外留学の道を選んでいます。
 本学は、こうしたやる気のある学生のために、大学院に進学が決まっている4年次の学生を研究留学として海外大学・研究機関に派遣する「海外研究支援プログラム」を実施しています。
 これは、語学力向上を目的とした一般的な留学制度とは異なり、自身が取り組んでいる研究を深化させながら実践的な英語力や柔軟な思考力を身に付けることを目的としています。現地の研究者・学生らから刺激を受ける中で、研究意欲の高まりと様々な壁を乗り越える力を修得するというチャレンジングな制度です。昨年度は、サラマンカ大学(スペイン)、ミュンヘン工科大学(ドイツ)、ブリティッシュコロンビア大学(カナダ)などに学生を派遣しました。
 このほか、英語の自立学習をサポートする「ランゲージラーニングセンター(LLC)」という施設もあります。本や映画、ゲームなどの教材を使い、自由な雰囲気で英語を修得できる施設ですが、常駐するネイティブ教員による日常英会話の指導、国際会議での発表指導、TOEICのスコアアップなど、一人ひとりの希望に応じたサポートを行っています。

ものづくりを支える最先端の施設

 本学は創設以来90年以上にわたり、「世のため、人のため、地域のため」に活躍する専門職業人を育成してきました。理工系学部を中心にした学部構成をつくり上げたことで、蓄積・獲得した教育資源を、無駄なく学生のために集中・投下できる強みがあります。
 それが目に見える形となっているのが、各種研究施設です。ものづくりセンター〔モノラボ〕(大宮キャンパス)には最新鋭の大型工作機械を設置し、正課の実験・演習・研究で活用するだけでなく、学生プロジェクトの活動拠点にもなっています。大型クリーンルームを備えるナノ材料マイクロデバイス研究センター(同)では透明トランジスタや新しい半導体結晶の開発など次世代工学技術の研究・教育が盛んです。西日本有数の規模を誇る八幡工学実験場(京都府八幡市)には、大型構造物の実物あるいは実物大モデルを用いた大規模な実験ができる構造実験棟や火災実験棟があります。
 恵まれた施設、充実したPBL教育と海外派遣制度、その分野を代表する優秀な教員陣を揃え、グローバルに活躍したいという若者のチャレンジを心から待っています。

この記事は「蛍雪時代(2015年8月号)」より転載いたしました。

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螢雪時代・11月号

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