page_top

新型コロナウィルスの影響により、オープンキャンパス等、学校の予定が変更になる可能性があります。
必ず大学ホームページ等、公式の情報を事前にご確認ください。

学部長メッセージ「外国語学部の魅力って何?」

  • 【学部リサーチ 2015】 文・人文・外国語学部系統
  • [2015/5/1]

「生きる力」を備えた外国語のプロフェッショナルをめざす

《私立》関西大学 外国語学部 学部長
竹内 理(たけうち おさむ)先生

兵庫県西宮市生まれ。神戸市外国語大学卒業、同大学院外国語学研究科(英語学)修了。同志社女子大学専任講師時代に、フルブライト奨学金を得て米国に留学。モントレー大学院を首席で修了(英語教育学)。帰国後、同志社女子大学、関西大学助教授などを経て、関西大学外国語学部教授に。2010年より現職。『「達人」の英語学習法』ほか著書、論文多数。博士(学校教育学)。

よりよい外国語の学び方を求めて

 皆さんの中にも「外国語が上手に使えるようになったらいいな」と考える人は多いと思います。高校生の頃の私もそうでした。ラジオの短波放送でVoice of America(アメリカの国営放送)やBBC(イギリスの公共放送)を聴いて、英語を学んでいました。やがて、これらの経験を通して、外国語がわかると自分の世界が広がっていくと感じ、海外と関わる生活がしたいと将来のイメージを描くようになったのです。
 ところが、外国語大学に進学して最初の授業で愕然としました。私立高校出身の学生はみな英語が流暢で発音もきれい。私の卒業した公立高校は当時ALT(外国語指導助手)などもいませんでした。だから、ある程度は仕方がありません。でも、このままではダメだと思い、どうやって外国語を学ぶとよいのか、学びを効率化するにはどうしたらよいのか、そういうことを必死に考えるようになりました。その後、外国語のよりよい学び方とはどういうものかを研究するため「第二言語習得(SLA)」という学問分野に進み、現在に至っています。あのとき大学の授業でショックを受けていなければ、まったく別の道に進んでいたかもしれませんね。

楽しみながら学ぶことが大切

 研究をしていく中で、日本人がいかに外国語を学ぶのに苦労しているのかを実感しました。もしかしたら、子どもの頃から学び始めないと外国語は習得できないのではないか、と考えたりもしましたが、「中学生頃から学び始めても、もっと効果的な学習方法を使えば、上級レベルまでの外国語を習得できるはず」と思い、その方法を立証しようと考えました。その後、フルブライト奨学金(日米教育委員会の奨学金)でアメリカの大学院に留学。カリフォルニアのモントレー大学院をトップの成績で修了できました。
 外国語学習を効率化することは可能ですが、一方で、「外国語習得に王道なし」というのも事実です。ある一定の手順を踏んで、忍耐強く繰り返したり継続的に取り組んだり、そういうことを避けては通れません。しかし、その過程を楽しみながらやれる人は成功します。この“楽しみながら”がキーワードで、外国語を使うことによって、こんなに世の中が拡がる、あんな人とも話せる、自分の書いた文章に海外の人がコメントをくれる、そういう楽しみを感じられるかどうかが大きいのです。
 インド独立の父、マハトマ・ガンジーの言葉“Live as if you were to die tomorrow,Learn as if you were to live forever.” は、外国語学習にも当てはまります。今日やらなくてはいけないことを明日に回してはいけない。でも、この学んだことを紡いでいったら明日が拡がるんだと考えてほしい。今日やらなければならないことは確実にこなしながら、高い遠くの目標をしっかりと見据えて学習していけば、そして、その過程を楽しめば、外国語を学ぶことは決して難しいことではないのです。
 日本人が英語をなかなか習得できないのは、英語と日本語では言語の構造が大きく違うからだ、という意見があります。ただ、私はそれが原因だとは思いません。習得できないのは、使う機会が少ないからです。使う必然性と機会があれば、いやでも話せるようになります。確かに、アメリカ国務省の研究によると、日本語は、英語ともっとも言語間の距離が離れている言語の一つですが、だからといってマスターできないわけではありません。構造が違う、何々が違うというのは言い訳だと思います。日本はこれまで、自分の国の言葉ですべて完結できてきましたが、急速なグローバル化により、もはやそういう状況にはありません。外国語でもある程度の思考と行動ができるようになっていなくてはならない。その必然性が出てきたので、あとは「日本人は英語が下手だ」という思い込みを捨てるだけなのです。その上で、精神論ではない、科学的な研究に基づく学習法で英語をはじめとした外国語を学んでいくことが大切なのです。
 小学校から英語を学ぶことについて議論されていますが、私は悪いことではないと思います。ただ、学ぶ内容をよほど考えなくてはならない。文法や単語を詰め込むのではなく、音声をたくさん聴かせてあげるなどして「英語を学ぶことは楽しいね」というイメージを与えるような教育であれば大賛成です。単語のスペルを覚えなさい、間違えたら1点減点です、というようなことをやっていたら、子どもたちは英語が嫌いになってしまいます。英語を使ったらこんなことができる、ということを小学生のうちに教えて、中学・高校では英語を使ってディスカッションする、英語で国際情勢についてもある程度は自分の意見を言えるというように、内容を伴うようにしていかなくてはなりません。

「外国語のプロフェッショナル」を育成するための充実プログラム

 外国語学部というと、外国語だけを学ぶところ、と考えるかもしれませんが、むしろ「外国語を使って多様なことができる学部」と考えたほうがよいでしょう。昔は外国語学部を出たら貿易業や商社というイメージだったかもしれませんが、今は外国語学部で学んでから航空大学校に行ってパイロットになる人もいれば、国際捜査官や防衛省の専門職に就く人もいます。地方公務員も外国語ができたほうが国際交流などで役立ちます。さらに、英語力の高い教師はひっぱりだこ。外国語を武器にして、様々な分野にチャレンジできる、自信がついて視野が拡がっていくのが外国語学部のよいところでしょう。外国語学部は、外国語を中心に据えてリベラルアーツ(教養教育)をしているといってよいでしょう。幅広い内容が学べて、かつ、深めていくことができるのです。
 関西大学外国語学部は、「外国語のプロフェッショナル」の育成を目的としています。外国語のプロフェッショナルは、第一条件として、外国語がずば抜けてできなくてはなりません。そのうえで高いコミュニケーション能力も必要です。話す相手が何を欲しているか、自分は何を伝えたいかをよく考えて、効果的にコミュニケーションできる能力です。さらに相手の文化・歴史や政治・経済を知り、自分の国のこともわかっていなくてはなりません。加えて、異文化コミュニケーションにおける様々な困難を自分の頭で考え、仲間を巻き込みながら解決していく能力も必要です。こう考えると、グローバル化する社会で、どんな状況でも問題解決に挑める、“生きる力”を持った人材を「外国語のプロフェッショナル」と呼んでいることが分かっていただけると思います。
 入学すると、英語または中国語の主専攻言語を選択し、さらにもう一つの言語を選んで学びます。「主専攻言語」+「もう一つの外国語」を身につける、というのが本学部の大きな特色といえるでしょう。2年次には全員が1年間の海外留学をします。この留学では、7か国、1地域、13大学から行き先を選ぶのですが、台湾で英語と中国語、韓国で英語と朝鮮語というようなユニークな留学パターンも設けられています。もちろん、留学に行く前にはTOEFLや中国語検定で基準を設けて、それにむけて徹底的に鍛えるようなカリキュラムとなっています。帰ってからも運用能力を落とさないよう、卒業時に向けて基準スコアを設けて、外国語学習を奨励していきます。留学先では、前半は外国語を学び、後半は専門課程の授業を受けるよう制度を整えています。現地では想定外のことやトラブルも起きますが、みんな自分で切り抜けて精神的にも本当にたくましくなって帰ってきます。帰国してからは、興味・関心に応じて5つの専門プログラム(言語コミュニケーション教育、言語分析、地域言語文化、異文化コミュニケーション、通訳翻訳)で学びを深めていきます。総合大学の中に設置された外国語学部の利点を活かして、国際経済や国際協力、外交史などの科目も開講しています。もう一つ特色をあげるとすると、少人数クラス編成になっていること。教員との距離が近く、一人ひとりが大切にケアされるのも、外国語学部ならではでしょう。
 この学部では、“語学”という言葉を使いません。語を学んでいるのではなく、語を通して外国のさまざまなことを学び、自分の国のことも発信できるようになることが目的だからです。外国語学部が求めているのは、好奇心の旺盛な人。そして、知ったときに「なぜだろう?」と考えられる人。さらに付け加えるのなら、各方面に教養がある人。受験科目にあってもなくても、歴史や地理は学んでおいてほしいですね。
 今17~18歳のあなたには、あと何十年生きるのかを考えて、この年までにはこんなことがしたいというイメージを持ちながら、その中で永遠に使えるものを身につけてほしいと思います。外国語は、その“永遠に使えるもの”にきっとなってくれるでしょう。

この記事は「蛍雪時代(2015年5月号)」より転載いたしました。

この記事で取り上げた大学

螢雪時代 【定期購読】のご案内

国公立大&難関私立大合格!のために読む雑誌

★月刊誌「螢雪時代」は毎号それぞれをご購入いただけますが、年間を通じてご希望の場合は『定期購読』をお勧めいたします。
年間・10か月以上(2021年3月号までの範囲で継続)の購読をお申し込みいただくと、素敵なプレゼントも進呈!

月刊誌「螢雪時代」は大学選びのための大学情報・入試情報と、合格するための学習方法を毎号満載し、志望校合格をめざす受験生を強力にサポートします。
6月5日までの予定で、ステキなプレゼント付きの『定期購読キャンペーン』を実施中です!

【学部リサーチ 2015】 文・人文・外国語学部系統 記事一覧

記事一覧に戻る

大学&入試の基礎知識 記事一覧

大学&入試の基礎知識 記事一覧に戻る

“関西大学”の関連記事一覧

今月の入試対策

supported by螢雪時代

大学を比べる・決める

My クリップリスト

0大学 0学部 クリップ中