夏休み明けは例年、受験生にとって燃えつきにおちいりやす時期だ。思うように成績がが伸びない焦りや、夏休み中の勉強疲れなどがその原因。これまで真面目に勉強をつづけてきた受験生ほど燃えつきがちだ。そこで、数多くのアスリートをメンタル面からサポートしてきたスポーツメンタルコーチに、燃えつきから復活し逆境でもモチベーションを維持するためのメンタル術を教えてもらった。後半戦も気持ちを切らさず走り抜こう。
スポーツメンタルコーチ
鈴木 颯人さん
《プロフィール》
脳と心の仕組みを学びながら、勝負所で力を発揮させるメソッドを構築。野球、サッカー、水泳、柔道、サーフィン、競輪、卓球など、競技・プロアマ・有名無名を問わず、多くのアスリートをサポートしている。一般社団法人日本スポーツメンタルコーチ協会代表理事。近著に『アスリートの心を磨く言葉と魂を揺さぶる絶景』(PIEInternational)
燃え尽きやすい夏休み後どうすれば気持ちを維持できる?
自身の内側からわき出る大学の志望動機を思い出そう
―― 夏休み明けは燃えつき状態になりがちな受験生が多い時期です。スポーツ選手は燃えつきかけた時、どのように対応するのでしょうか。
私のもとには、描いていた目標を果たせず燃えつき状態になってしまったスポーツ選手からメンタルの相談があります。たとえば、高校野球の甲子園大会に出場したものの思うような結果を残せなかった高校球児や、フィギュアスケートで五輪を目指していたものの出場がかなわなかった選手らです。
そうした選手から「次にどうすればよいだろうか」と相談されたとき、私はまず「スポーツをやる楽しみ」を考えてもらうようにしています。選手自身がなぜそのスポーツに打ち込もうと思ったのか、そのスポーツの魅力とは何か、なぜそのスポーツが好きなのか。そうしたことを思い出してもらいます。
大学受験に当てはめて考えると、燃えつき気味だと感じたときには、改めて大学への志望動機について考えてみるのがよいでしょう。「どうして自分はその大学に行きたいのか」や「その大学の魅力は何か」という自分自身の内側からわき出る動機を振り返りましょう。