今年度から、いよいよはじまる新入試。
センター試験と違い、共通テストでは「思考力」が問われるとよく言われている。
「でも、それって具体的にどんなこと?」
そんな受験生の疑問を、長年にわたり受験指導や入試分析に携わってきた受験のプロに解説していただいた。新入試の出題傾向から対策まで一目瞭然だ!
●解説してくださった受験のプロ!●
駿台教育研究所 進学情報事業部長 石原 賢一さん
駿台予備学校に入職後、学生指導、高校営業、カリキュラム編成を担当後、神戸校校舎長を経て、2006年より現職。大学進学情報や入試分析、高大接続改革関連の情報など、講演会や各種メディアで幅広く発信。
共通テストの「思考力」って何?
皆さんは普段、どのように物事を考えていますか? もちろん考える方法は事象や状況によって違うでしょうが、日本語で考えていることに変わりはないでしょう。
私たちにとって、「現代文」という教科以前の、日本語を正しく読んで理解する力は、物事を考えるうえでの土台です。確かな日本語力があってこそ、思考は深まるのです。
しかし、現代の若い世代は、こうした基本的な日本語力が不足しがちです。具体的には、長い文章を読むと、単語は理解できるけれど文章全体の意味を明確にとらえきれない、さまざまな知識を使って文章を組み立てる力が弱いといった傾向があります。一説によると、現代の若者の日本語力は小学校高学年から進化していないとも言われています。
新入試で問われる「思考力」は、日本語力と言い換えることができるのです。
若者の日本語力ってそんなに足りないの?
たとえば、生徒が私のところに来て「プリント」と一言。「プリントがどうしたの? 欲しいの? 何のプリント?」と問いかけると、やっと「あの授業のプリントが欲しい」…といった具合です。これは