「浪人」という言葉には、一般的にあまりポジティブな印象はない。
センター試験が大学入学共通テストへと替わるという節目を前に、とくに今年は「絶対に浪人したくない」と考える受験生が多いことだろう。
そんな受験生に、あえて問うてみたい。浪人は「失敗」なのだろうか…?
そこで今回は、2年以上の浪人を経て東大に合格した学生からなる「東京大学多浪交流会」のメンバーに、長期にわたる浪人体験やそこから学び得たことについて、語ってもらった。
東京大学 多浪交流会とは?
東京大学に2浪以上を経て入学した学生たちの交流の場として発足。会員同士のレクリエーションや学園祭でのグッズ販売などが主な活動。中でも、会員たちの不合格体験記『東大多浪』は、毎年1,000部以上を売る人気商品。ちなみに、ピースサインは浪人年数を指の数で表すのがルールなのだとか。
▼東京大学 多浪交流会・出席者プロフィール▼
●経済学部4年 N・Iさん 2浪 (東京都・宝仙学園高校卒)
●教養学部統合自然科学科3年 T・Hさん 4浪 (岩手県立盛岡第一高校卒)
●教養学部理科一類1年 O・Tさん 3浪 (愛知県・東海高校卒)
●教養学部理科二類1年 N・Kさん 2浪 (京都市立堀川高校卒)
●教養学部理科二類1年 Y・Tさん 2浪 (岐阜県立岐山高校卒)
●教養学部文科二類2年 S・Tさん 2浪 (東京都立西高校卒)
多浪交流会って何?
2浪以上の東大生が集まるゆる~い会。
N・Iさん じゃあまずは多浪交流会の創始者であるT・Hさんから、かんたんに設立の経緯を説明してもらいましょうか。
T・Hさん 僕は4浪して理科一類に入ったんだけど、クラスに2浪以上の人は自分だけだった。とくに不利益もなくみんなと親しくしていたもののどこか寂しい気持ちもあって、多浪同士がつながれたらおもしろい出会いがあるんじゃないかと。ツイッターで呼びかけたら多浪生が10人くらい集まったので、多浪サッカーをやったり飲み会を開いたりするようになったのが始まり。
N・Iさん 多浪サッカーっていうのは、シュートしたときに入る点数が浪数(浪人年数)で違うんだ