第２回仙台短編文学賞で、尚絅学院大の表現文化学科２年の千葉奏杜（筆名：田中エリザバス）さんの作品が東北学院大学賞を受賞した。

　この文学賞は2017年に創立され、大賞、仙台市長賞、河北新報社賞、プレスアート賞、学生を対象とした東北学院大学賞が設けられている。仙台・宮城・東北に何らかの関連がある作品が対象となり、今回は324 点の応募があった。

　千葉さんの作品は『長次郎の夢』。長次郎という小学生が東日本大震災における津波で失った祖父や愛犬を回想しながら、自身の震災に対する実感に区切りをつけるストーリーだ。来年20歳という節目の年を迎える千葉さんは、自分の中の「震災」を、ひとつ、整理したいという思いから、この作品を書き上げた。

　そして千葉さんは、「素晴らしい賞を授けていただき感激です。実行委員会や関係者の方々への感謝の気持ちを忘れず、仙台短編文学賞のこれからの盛り上がりを期待しています」とコメント。今後は小説に限らず、違ったステージでも表現の幅を広げる努力をしていくという。

受賞作品の『長次郎の夢』は、プロット（物語の筋）づくりから執筆まで、昨年９月から11月という期間で行われた

この記事は「螢雪時代（2019年７月号）」より転載いたしました。