社会の動きを、経済という視点から捉え、家計・企業・国家、市場の各レベルで考察し社会全体がいかに潤うかを追究していく!
経済学では経済全体に関する理論や法則などを追究
経済学とは、社会のなかでお金がどのように循環しているか、もしどこかで滞っているとしたら、その原因は何かを探るなどをはじめ、経済の仕組み全般を学ぶ学問だ。
経済学では、経済に関する理論や法則、思想などの研究が中心となり、実際の企業経営や商取引に関する実学的な学問を追究する経営学や商学とは、その中身や方向性は少々、異なる。
経済学の基本理論は、ふたつある。まず、ミクロ経済学では各家庭や企業などのミクロ(小さな)な経済活動に注目する。一方、マクロ経済学では、国レベルのマクロ(大きな)な経済活動や世界規模での景気の動向などを分析する。
また、実際の経済の動きを数値化しそのデータを分析し、さまざまな経済経済学活動の因果関係を探る経済統計学や計量なども重要な学問だ。
これら基礎となる学問を学んだ後、金融・財政をはじめ国際貿易、各地域での経済発展、医療・年金問題などの分野で、より専門的な経済学の理論を学ぶことになる。
経済学の研究対象は多岐にわたる。たとえば、さまざまな企業が経済活動を行う際、地球環境に負荷をかけることも多い。しかし、地球環境を守るために、経済活動を一律に規制することは不可能だ。
そこで、たとえば「炭素税」を導入した場合、Co2を多く出す製品には高い税金がかかり、消費者は環境に負担をかけない製品を選ぶようになる。その結果、Co2の排出量を減らすことが可能となる。
このように環境問題と経済活動を結びつけ、環境問題を経済学から改善する方法を探るのが環境経済学だ。
経営学を学ぶ目的は各企業が発展できる方法を探ること
経営学とは、各種企業はじめ国や各13地方自治体、各種非営利団体などの「組織」が、今、持っている価値を高め、売り上げや利益の拡大、さまざまなサービスの向上を図るための最善の方法を探る学問だ。
各企業が、経営方針を定める際、マーケットの動向を見ながら、綿密な戦略や企画を立てる。一方で、安定した経営を行うには、社内での会計・財務や人事面でより健全なシステム作りが欠かせない。
これらは経営戦略、組織戦略、会計の3つに関する事柄だが、それぞれに関連する学問は経営学に含まれている。
また、日本では現在、人口の減少が続いており、日本の各企業には、生き残るために海外のマーケットにより一層、目を向ける必要がある。それには、グローバルな視野で経営戦略を立て実行しなければならない。その有効な方法を探るのが国際経営論だ。
また、社会全体で急速なITが進むなか、企業が行うさまざまな活動や社内の管理を行う際、ICT(情報通信技術)を活用することが必須となる。このように経営の現場でさまざまな情報技術のスキルを持つ人材を育成することを大きな目的とする経営情報学も注目されている。
商学とは商取り引き全般に関わる学問分野
商学が対象とする分野は、実際の商取り引きの現場で生じるさまざまな問題に大きく関わっている。
たとえば、何かのショップを開く場合、どのような商品をどれだけ置くか、さらにはどんなふうに並べるか、接客時に、どういったサービスを行えば効果的か……。これらはマーケティングと呼ばれる分野だ。
一方、仕入れを効率化する方法や販売管理の効率的な方法など、解決しなければならない問題は多い。これらの事柄についてもっとも有効な手段や解決法を商学では探っていく。
また、商取り引きは国内に限らず世界のマーケットが対象となることも多い。外国と貿易する際の流通やマーケティングに関する学問分野として貿易学がある。
また、各企業などが日々、行う経済活動を金額ベースで記録・計算・報告することは欠かせない。それにより各企業は実際にいくら利益を上げられたか、どうすれば利益を出すことができるかがわかるからだ。それを行う学問分野が会計学だ。
AI(人工知能)の発達によって、今後、金額の計算は人間の手を離れるだろうが、計算によって導きだされた数字をどう読み解き経営に生かすかは、会計学を専門に学んだ人間が今後も行うことは間違いない。
会計学を学ぶ際、欠かせないのが簿記の知識だ。簿記とは各企業で行われる日々のお金の出し入れを各種帳簿に記載し管理することだが、これをマスターすれば公認会計士や税理士試験を受験する際に、大きなアドバンテージとなる。