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[医・歯・薬・看護・医療・栄養学部系統 編]学問図鑑 歯学部系統

  • 【学部選びガイド 2020年版】医・歯・薬・看護・医療・栄養学部系統 編
  • [2020/8/6]

歯科医師はたんに虫歯や歯周病などの治療を行うだけではなく、口腔全体を健康に保つことで、全身の健康維持にも取り組む!

全大学共通の教育カリキュラムを軸に歯学を学ぶ6年間

 歯科医師を養成する歯学部歯学科は、6年制で、そのカリキュラムは「歯学教育モデル・コア・カリキュラム」(コア・カリ)という、いずれの大学共通のカリキュラムが中心となっている。コア・カリは歯科医師として身につけておくべき歯学の必須知識や歯科で重視される技能などを取得するための教育内容に関するガイドラインだ。

 そして、コア・カリに加えて、各大学独自のカリキュラムもあり、それらを6年間、系統立てて学んでいく。

 まず1年次は、基礎・導入科目を学ぶ。具体的には、医の倫理や歯科医師としての責務、患者の権利など医療人としての基本的な姿勢を学ぶことになる。また、多くの大学でこの時期に早期体験実習も行っている。この実習では、大学病院や市中の歯科医院で、患者の世話をしたり実際の診療を見学することがメインとなる。

 2年から4年次にかけては、まず基礎歯科医学を学ぶことからはじまる。具体的には口腔解剖学口腔生理学口腔生化学などの科目があり、それらを通じて、口腔だけではなく人体全体の構造やそれぞれの臓器等の機能について学ぶ。これらの生命科学の基礎となる学問領域なので、医学と共通するものが多い。

 なかでも、口腔解剖学には医学部同様に献体された解剖体にメスを入れて身体の仕組みを知る解剖学実習がある。


臨床歯科医学では実際の治療法を実習を交えて学ぶ

 次に臨床歯科学では、歯科保存学歯科補綴(ほてつ)学歯科矯正学小児歯科学歯科麻酔学歯科放射線学などがある。

 これらは、歯科医師が実際に治療を行う虫歯や歯周病などの発生メカニズムや各種治療法、さらには義歯などの人工装置の特性などに関する学問だ。

 これらの授業では実習が多くなり、模型を使っての実習を行ったり、大学によっては、実際の治療技術をコンピュータ支援のシミュレーション・システムを使っての実習を行うところもある。

 臨床歯科医学と並行して社会歯科学も学ぶ。これは歯科医学や歯科治療に関わる各種法規や社会保険制度などを総合的に学ぶ学問だ。

 4年次後半に臨床歯科医学を学び終えると、これまで学んできた各科目の内容を十分に理解しているか、さらには臨床実習を行う際の十分な素養が身についているかをチェックする2つの共用試験をクリアしないとならない。


5年次からの臨床実習では患者の診療に携わる

 共用試験に合格すると、5年次から臨床実習が大学附属病院や歯科医院などで行われる。その準備段階として、まず血圧の測定法や採血、麻酔などに関する処置などを学ぶのが一般的だ。その後、実際に診療の現場での実習がはじまる。大学附属病院には、総合診療科、小児歯科、矯正歯科、口腔外科などの診療科があるので、それらを順番に約1年かけて回る。

 実習の当初は歯科医師の治療を見学することがメインとなるが、その後は指導医とともに患者の診療にあたる。また、難度の高い外科手術の見学、放射線科でのX線画像診断実習なども行い歯科医師に必要な技能を磨いていく。


卒業直前の国家試験の合格率は大学ごとにばらつきが

 6年次は、卒業直前の2月初旬に歯科医師国家試験を受験する。この試験は、全国8か所で、2日間にわたって行われる。

 試験科目は、基礎医学系の問題が出題される必修問題、各歯科医学の内容を問う一般問題や臨床実地問題、歯科医療保健を問う総論問題などがあるが、それぞれに基準点以上の点数を取ることが義務づけられている。

 今年の全体の合格率は65.6%だった(新卒者全体の合格率は79.3%)。過去5年間の全体の合格率は63~65%台で推移している。例年、大学ごとの合格率にばらつきがけっこうあるので、自分が志望する大学の合格率はチェックしておくべきだろう。


ニュース・トピック!
大災害発生時、歯科医師に求められる対応とは?
 東日本大震災をはじめ近年、日本では大規模な自然災害で長期の集団避難を余儀なくされる人も多い。その際、避難した高齢者が誤嚥性肺炎を起こさないよう口腔ケアを行ったり、義歯をなくした人へのケアなど歯科医師の災害時の医療体制の整備が求められている。
 また、不幸にも行方不明となる人も少なからず出る。その際、DNA 情報による身元確認とともに、歯科医師が遺体の口腔内の治療状態や義歯の形状などを調べ、身元確認をすることもある。これを歯科法医学という。


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