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学部長インタビュー「グローバル教養学部の魅力とは?」立命館大学 金山勉先生

  • 【学部リサーチ 2019年版】法・政治・国際関係学部系統の総合的研究
  • [2019/12/5]

変化し続ける時代に解を求める
今だからこそのリベラル・アーツ

《私立》立命館大学 グローバル教養学部 学部長
金山 勉(かなやま つとむ)先生

山口県出身。山口大学人文学部卒業後、民放テレビ局のアナウンサー・記者を経て渡米。ウェスタンミシガン大学大学院コミュニケーション研究科修士課程修了、オハイオ大学大学院コミュニケーション研究科博士課程修了。上智大学教授、立命館大学教授等を経て2019年より現職。メディアやジャーナリズム等が主な研究テーマ。

グローバル時代の教養学はどんなものでしょうか

 先日、イタリアの宣教師マテオ・リッチが中国の明の時代に作成した世界地図(坤輿万国全図)を目にする機会があり、1600年代によくこれだけのものを示せたものだと感じました。いま、世界は「グローバル化」と言われますが、実はそれに近い大きな動きが世界で起こったのはまさにこの地図が描かれた時代。今日のグローバル化は、それ以来の第2の大きな波と言えます。

 マテオ・リッチの地図はいわば、天文学や地理学など、当時の世界で営まれた知的活動を集めたもの。つまり、人間が自らを知ろうとする問いの大きなうねりこそグローバル化だとも言えます。一方で、現代はもう一つのうねり― 自らが引き起こした環境問題や自然の脅威にさらされている時代でもあります。脅威に対してより良い結果へ向かう方策を考えるためにも、私たちは私たち自身がこの世界でどのように生きてきたのかを、この世界全体の潮流と併せて知らなければなりません。そして知るだけで終わらせるのではなく、何を課題にし、何を解き明かすべきかを求めることが、これからの時代の教養学だと思います。

 教養学(リベラル・アーツ)は、たとえば文学や法学といった特定の分野の中で学ぶのではなく、それぞれの分野をある程度理解した上で、「何が課題なのか」「自分たちは何者なのか」という問いを深めていく学問です。そういう意味では、現代ほど教養学が求められている時代はないと思います。

 現代は国際的なレベルでも、あるいは地域のコミュニティでも、いろいろな分野でリーダーシップが求められる時代です。リーダーシップというものもまた、幅広い学びの中から育てられるものです。それは、たとえば環境問題などさまざまな課題の解決策として示される選択肢の中から、本当に解決につながる方法を見極める力と言い換えることもできます。

 さまざまな学問分野を幅広く、かつある程度の深さまで学ぶことは、どんな問題に対しても確実な「自分の意見」を持つということにつながります。自分の中に積み上げたものを基にし、確信をもって意見を述べられることが、まさにリーダーシップの素養なのです。

 リベラル・アーツは古くは古代ギリシャ・ローマに遡る西欧発祥のものですが、アジア太平洋の時代であると言われて久しいいまこそ、いわゆる「非西欧」の伝統や価値観を取り入れた上で、グローバル化時代に合うリベラル・アーツを作っていこうという議論が進んでいます。


グローバル教養学部の特長を教えてください

 グローバル教養学部は、本学では16番目に設置された最も新しい学部ですが、ここでの学び方はとてもユニークです。その一つの特徴が「1学期4コマ制度」を基本としていること。1学期の履修科目を4科目とし、少人数教育を徹底します。一般的な大学では10コマ以上履修するケースも少なくないと思いますが、そうしたカリキュラムとは、一つの科目にかけられる学びの集中力が当然違います。科目あたりの授業は週2回。カリキュラムはアジア圏に重点を置いたリベラル・アーツということになりますが、その中でたとえば「アジアの歴史」一つとっても、そこには日本からの視点、「世界の中のアジア」という視点などたくさんの選択肢がありますから、物事を批判的・分析的にとらえて比較する視座を培うことができます。

 本学部での学びは、旧帝大などのいわゆる「研究大学」とは異なります。研究大学は名前の通り研究に力を入れており、研究で得られたものを学生の教育に還元するという発想が一般的ですが、リベラル・アーツでは研究の成果を生かすだけではなく、学生たちをいかにより良く学ばせるかというところに大きな比重を置いています。たとえば本学ではAcademic Advising Center(学修支援室)を設置し、学修相談や学修ポートフォリオの作成など、きめ細かくガイドする体制をとっているのが特長です。1学年100名という小規模だからこそ、熱量をもって学び、その進捗を教員と学生が相互に把握する環境ができていて、学生たちは確実に育っていきます。

 そして3年目、学生たちは研究大学であるオーストラリア国立大学(ANU)で学びます。国際関係学をはじめとする専門分野で、世界最先端の研究に触れることができるのです。ANUで学修科目を履修することで、立命館とANUの2大学から学位を取得することができる、デュアル・ディグリー制度をとっています。この「教養学×国際関係学/アジア太平洋学」という組み合わせは、いま本学グローバル教養学部でしか得られない学びだと思います。


どんな人材を育てたいですか

 まずは、世界と自分との関わりについて主体的に考える人ということ。主体的に考えたら(think)、その次は行動(act)です。その行動のための条件は、一つの価値観に凝り固まることのない幅広い視野。また、歴史についても直近のものだけではなく、人類の始まりから今日に至るまでの歴史を、長く幅広く学んでもらいたいですね。

 世の中には「唯一の正しい答え」というものはないと思います。それでも、今日のグローバル社会の中では判断を求められます。その都度、最適な解への判断に近づくにはプレッシャーも悩みもありますが、そこに教養の力があれば、折れずに生き抜くことができるはずです。

 生きることは、考え続け、学び続けること。運動にたとえればマラソンのようなものですね。そうした、いわば“持久力のある人間性”をもつ、社会に有為な人材を送り出していきたいと考えています。


受験生へのメッセージをお願いします

 みなさんにお伝えしたいのは、まず入試についてです。私たちとしては、○か×かで判断するのではなく、AO入試を基盤として総合力を見極める入学のしくみをとっています。そこでは試験対策云々よりも、英語力、そして受験生のみなさんがこれまでどんな学びを積み上げてきたのかという、いわば“基礎体力”のようなものをしっかり見極めたいと考えています。

 世界をもっと知りたい、グローバル市民として活躍の場を自ら切り拓いていきたい、未来の「なりたい自分」を見つけたい人にとっての選択肢として、世界で活躍できるための素養を身につける場や国際的な人脈と出会う場は、常に提供していきたいと考えていますので、ぜひ興味をもっていただきたいと思います。


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