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学部長インタビュー「コンピュータ理工学部の魅力とは?」会津大学 宮崎敏明先生

  • 【学部リサーチ 2019年版】理学部・工学部系統の総合的研究
  • [2019/8/2]

コンピュータを駆使して問題を解決し
あらゆる分野の発展に貢献する

《公立》会津大学 コンピュータ理工学部
宮崎 敏明(みやざき としあき)先生

2014年4月より現職。工学博士(1994年9月東京工業大学)。電気通信大学応用電子工学科卒、同大大学院修士課程了。1983 年4 月、日本電信電話公社(現NTT)入社、通信用FPGAおよび応用装置、アクティブネットワーク、ユビキタスネットワークの研究開発に従事。2005年4月より会津大学コンピュータ理工学部教授。

コンピュータ理工学はどのような学問でしょうか

 コンピュータに関わるすべてが、この学問の対象です。今の時代、コンピュータがなければ生活も産業も立ち行かなくなります。身近な例を挙げれば、スマホや家電製品、車もそうですし、気象や宇宙の分野も。銀行や証券、工場のロボットなど、あらゆる場でコンピュータが使われて、その分野を支え、発展させています。皆さんの見えないところで、生活や社会、世界を変革する学問であると言えます。

 本学が学部名称を「コンピュータ理工学部」としているのは、理学と工学の両方をカバーする教育を行い、あらゆる分野の発展に貢献する人材育成を目指しているためです。

 最近、教育の場で「データサイエンス」「情報工学」という言葉をよく見かけますが、それは本学の教育の中では、カリキュラムの一部分でしかありません。最近流行の「ビッグデータ」「AI」「IoT(様々なモノをインターネットでつないで情報交換する技術)」も、本学の教育でカバーしています。

 理学や工学といった枠にとらわれず、コンピュータを駆使して、あらゆる分野での発展を目指すのが、コンピュータ理工学と言えるでしょう。


理学と工学、それぞれどのような実例がありますか

 コンピュータは機械ですし、スマホが特に身近な機器ですから、工学寄りのイメージを持たれるかもしれません。スマホには、いろいろな機能が組み込まれています。通信やアプリ、そのほか様々な機能や技術は、すべてコンピュータ理工学で学べるものです。スマホに限らず、身の回りの電気で動くものには、コンピュータが組み込まれていますから、コンピュータ理工学は実用的な製品を作るのに欠かせない学問となっています。

 一方で、理学にあたる純粋なサイエンスの分野もあります。例えば、コンピュータそのものを対象とする分野や、宇宙や気象を対象とする分野。

 コンピュータそのものとは、その構造や、動かすための原理、その使用法などについてです。コンピュータの原理を学び、コンピュータのさらなる高性能化などを追求する分野です。

 気象の分野は、天気予報が身近な例でしょう。気流や潮流の動き、また、その影響などを物理的に捉えて、それを数式に置き換えて、コンピュータに読み込ませ、その現象の原理を捉えます。高校の物理で習う流体力学の発展形です。コンピュータ内で気象現象を再現して、それをアルゴリズムといって、目的に合わせた計算処理をして、その後の気象の動きを予測します。

 宇宙の分野においては、例えば、本学が担当する小惑星探査機「はやぶさ2」のミッションの一つに、小惑星に着地する際の最適な地点を検証する、というものがあります。そこでは、探査機が配信する小惑星やその周囲の情報(それは「0」「1」のみで構成されるデータで、いわゆるビッグデータ)を読み取って、そこから小惑星の画像を復元したり、地表の状態を数値化したりして、最適な軌道や着地点を、コンピュータを使って導き出します。

 これらの分野は、物理と数学がベースで、理学寄りの分野と言えます。


「プログラミング教育」が世間で注目されています

 誤解していただきたくないのは、プログラムを学ぶことは目的ではない、ということ。プログラムは、課題を解決するための道具でしかありません。プログラムは言語と同じで、ルールを学べば誰でも書けるようになります。大事なのはプログラミングを学んだ後、それによって「どの分野で、何を実現したいか」を考えること。もちろんプログラミングもしっかり指導します。しかし、それだけでは世の中を変えることはできません。

 課題発見能力を培う機会を、本学でも多く用意しています。例えば、課外プロジェクト。学生が地域や会社などと関わりながら問題点を見つけ出し、コンピュータを使った解決策を検討します。社会貢献したいという熱意のある学生たちが、ここで切磋琢磨しています。本学の使命は、あらゆる分野・産業において、その専門家と組みながら、問題を見つけ出し、解決に導ける人材を育てること。“プログラミング職人” の育成には興味がありません。


貴学の教育の特色や強みを教えてください

 まず、英語重視の教育環境であること。本学の教員の約40%は外国人です。そして、多くの授業を英語で実施しています。コンピュータ理工学の新しい技術についての情報は英語で発信されますから、それを学ぶために英語は欠かせません。また、本学で身につけた技能は、世界のどこででも通用しますから、世界で活躍できるように英語で学ぶことを重視しています。

 さらに、視野を世界に広げるために海外インターンシップにも力を入れています。アメリカのシリコンバレーでの2週間程度の研修制度を設けています。そこで現地の学生や起業家たちとディスカッションを重ねて、システム開発などを行います。ここで自分と異なる考え方や、最先端の技術に触れて帰国した学生は、見違えるほど成長します。今後は、中国の深センや大連での実施も検討しています。

 学内のコンピュータは、3年に一度、最新のものに入れ替えています。学部学生の総数は約1千人ですが、学内には約3千台のコンピュータを設置し、24時間使える環境を整えています。

 国内で、これだけコンピュータに特化して、入学定員240人という規模で教育を行っているのは本学だけでしょう。この分野の教育環境としては、国内で最高レベルと自負しています。


コンピュータの分野を目指す受験生へメッセージを

 この分野で活躍し続けるには、自ら進んで新しい技術や知識を学び取っていかないといけません。最新技術は、5年経てば古くなりますから。

 入学にあたっては、数学が苦にならず、コンピュータに関わることに挑戦したいという熱意があれば十分。受験勉強ができても、新しい課題を発見する能力が高いとは限りません。

 皆さんはまだ十代。表面的なことで自分の向き不向きなどを決めつけてほしくはないです。この先、自分を変える出会いはたくさんありますし、なんでも一生懸命やれば、そのうち面白くもなるものです。コンピュータ理工学は、本当に広い学問ですから、学び続ける先に、あなたの実力を活かせる分野が見つかるはずです。コンピュータで世の中に貢献したいという熱意ある受験生を本学は歓迎します。

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