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学部長インタビュー「商学部の魅力とは?」関西学院大学 林隆敏先生

  • 【学部リサーチ 2018年版】経済・経営・商学部系統の総合的研究
  • [2018/11/2]

ビジネスにも社会貢献にも役立つ
“実学”を身につける

《私立》関西学院大学 商学部 学部長
林 隆敏(はやし たかとし)先生

1966年愛媛県生まれ。関西学院大学商学部卒業後、同大大学院商学研究科博士課程修了。甲子園大学経営情報学部講師、関西学院大学商学部助教授、教授を経て2018年より現職。監査論を専門とし、著書『継続企業監査論ーゴーイング・コンサーン問題の研究ー』(中央経済社)で、商学博士の学位を授与される。

商学部で学べるのはどんなことですか。経済学部との違いは?

 経済学は経済全体をとらえる学問で、主にマクロ経済学とミクロ経済学の2つに大別されます。マクロ経済学はGDP(国内総生産)や輸出入といった国単位の動きを、ミクロ経済学は「家計(個人)」と「企業」を主な研究対象とし、こちらはとらえようによっては商学部に近いところもあるのですが、いずれにしても国や家計、企業をちょっと引いた立場と言いますか、“外”から見るのが経済学なのです。それに対して商学や経営学は、企業に限らず広い意味での「組織」を研究対象とし、組織を中から見る、あるいはトップに立つ人間としてすべきことを取り上げるという点が、経済学とは大きく異なります。また、これもよく言われることですが、商取引などを正面から扱う商学部や経営学部のほうがどちらかというと“実践”に近いと言えるでしょう。

 私自身、大学受験では商学部と経済学部の両方を受験しましたが、今になって思うと、実際に選んだ商学部のほうが、題材とするテーマが現場に即した、より具体的なものであったという点でも自分に向いていたと思います。とはいえ、あくまでも学問ですから、そうした主観的で個別具体的な事例を“一般化”していくことが必要です。経済学では、対象とすることがらを基本的には数式モデルで書くことができますが、経営学や商学の場合はどうしてもケーススタディや現地調査などからアプローチする形となります。そこが難しいところですね。


林先生のご専門「監査論」とは、どんな学問ですか?

 「監査」とは、「独立の第三者が検証・保証する仕事」と定義できます。あまり目立たない仕事ですが、社会の中では極めて重要な役割を果たしていると私は考えています。よく知られているのは「会計監査」ですね。会計は企業の活動を“お金”を単位として記録し、世間に向け公表します。この数値の良し悪しによって企業の株価が上下したり、銀行が企業にお金を貸すかどうかの判断にかかわる影響が生じます。企業の死活問題に関わるインパクトのある数値ですから、そこにはどうしても“嘘をつく人”が出てきます。少し前、日本を代表する大企業の一つで巨額の不正会計が発生したことが大きく報じられました。こうしたことを食い止めるのも、会計監査の重要な役割の一つです。この“お金”に関する監査を引き受けるのが公認会計士ですが、簡単な仕事ではありませんから、資格取得には国家試験が必要となります。

 また、監査にはもう一つ、“人間の行為”や仕事ぶりに関するものがあります。例えば今年、スポーツ界では反則行為やパワーハラスメントなど、さまざまな不祥事が報じられました。こうした問題にも、監査は関係してきます。大きな企業にはだいたい「監査役」という役職が置かれますが、監査役は社内の人間(主に取締役)が業務上適切な行動をしているか、といったことを監査しているのです。

 学問的な観点でいうと、会計監査は会計学に基づいて行われており、理論も立てやすいと言えます。一方、人の仕事ぶりに対する監査は、株式会社の場合、大学の場合、一般社団法人の場合…と異なる要素が多く、理論的に取り上げるのがなかなか難しいものがあります。ただ、私はこれまで監査について研究してきて、これからの社会にとっては後者の監査のほうが重要になってくると考えています。ただ、日本人は「他人にチェックされる」ことを嫌う傾向があり、監査は「他人のあら捜し」だというような誤解も多々あるのですが、本当はそうではなく、物事が外へ出る前にチェックをかけて問題があればきれいに直す、あるいは、判断を誤りそうになっている人を止めるという、“世のため人のため”になる役割を果たしています。そんな誤解を解いて、監査をもっと活用してもらうことが、いまの私にとっての大きな関心事です。


関西学院大学商学部の教育の特長について教えてください

 本学商学部の特長としてはまず、1年次の「商学演習」があります。これは20人単位の、私学としては小規模なクラス編成で行われるものですが、3~4年のゼミを受け持つ専門教員が担当し、「大学での学問とは何か」を中心に指導します。

 また、商学部は全国的に見ると学科制を敷いているところが多いのですが、本学では学科制は採らず、経営・会計・マーケティング・ファイナンス・ビジネス情報・国際ビジネスの6つのコースを設置しています。その中で、もちろん主となるコースは選択してもらいますが、コースとコースの間にはできるだけ垣根を設けず、幅広く学んでもらいたいと考えています。また、各コースには基礎科目を置いていますが、中でも「簿記基礎」と「経済学基礎」を必修としています。経済学を必修としているのも、本学商学部の特長の一つではないかと思います。

 資格取得への対応についてですが、まず資格検定試験の合格による単位認定制度を大々的に実施しています。単位認定する資格は簿記、税理士・会計士、FP(ファイナンシャルプランナー)から情報処理、英語等の語学資格に至るまで、種類・レベルともかなり幅広く設けています。さらに、最近は公認会計士の合格者数倍増をめざし、大手専門学校との提携による資格取得講座優遇受講や、監査法人を招いてのセミナーといった施策も行っています。


受験生へのメッセージをお願いします

 本学部としては、自分の将来を見据えて積極的に取り組み、チャンスをつかみたいと考える学生を迎え入れ、伸ばすためのしくみを、カリキュラムも含めて用意しています。近年、大学の教育自体も現場に出て、自らやってみるという方向にシフトしていますが、何でも自分でやってみたいという人には、商学部は向いていると思います。

 もう一つ大事なことですが、商学部と言えば“ビジネス=会社”と連想する人がほとんどだと思います。もちろん今後も、企業による「営利の追求」という動機づけが社会変革の中核になっていくことは間違いありませんが、これからの世界では「非営利」の重要性はますます高まっていくはずです。例えばNGOなどの非営利組織の運営もまた経営であり、そこでは経営や会計など、商学部で学んだことが必ず役に立ちますし、私はここに、関西学院大のスクールモットー “Mastery forSevice”(奉仕のための練達)が活かされると思います。

 「商学部=商売」とは限らないということを知ってもらい、世界のために貢献できるような人材を育てることができればと考えています。

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