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学部長インタビュー「社会福祉学部の魅力とは?」山口県立大学 内田充範先生

  • 【学部リサーチ 2018年版】社会・社会福祉学部系統の総合的研究
  • [2018/8/31]

現状への疑問をそのままにせず
社会と人の幸せを考える

《公立》山口県立大学 社会福祉学部 学部長
内田 充範(うちだ みつのり)先生

1959年生まれ。明治大学経営学部卒業後、宇部市役所に入所。約17年にわたり福祉事務所で生活保護ケースワーカー、専任面接相談員、査察指導員等を務める。2006年山口県立大学社会福祉学部准教授。その後、同大教授を経て2018年より現職。著書(編者)に『社会福祉の行財政と計画』(ふくろう出版)がある。

内田先生のご専門について教えてください

 私の専門は、生活保護受給者など低所得者への支援についてで、「公的扶助論」と呼ばれている分野です。

 私はこの大学に来る前は山口県の宇部市役所で23年間勤務していました。そのうち約17年間、ケースワーカーから始まり専任の面接相談員、査察指導員(ケースワーカーに対する指導的な立場にあたる職種)など、生活保護行政に携わってきた経験があります。そこから、ケースワーカー、行政、あるいは生活保護受給者とそれぞれの立場から、現場へのアンケート調査等を通じた研究を続けています。

 また、2008年度には文部科学省が「スクールソーシャルワーカー」(学校でさまざまな問題を抱える児童・生徒やその家族を支援する専門職)の活用事業に対して予算措置を行いました。このとき山口県でも1名のスクールソーシャルワーカーが採用されたのですが、あるときその方から、自分が担当している人の生活保護申請に立ち会っても良いものかどうかという相談を受けたことがあります。生活保護の申請は、申請する側にとっては非常に敷居の高いものですから、私は社会福祉士としての立場からも、ぜひ同席してあげてくださいとアドバイスしました。これがきっかけで、スクールソーシャルワークの実践についてこの方から聞き取り調査を行い、論文にまとめました。


社会福祉を学ぶには、どんな視点が必要でしょうか

 ソーシャルワーカーに求められる価値として、「倫理・知識・技術」ということがよく言われますが、中でも根底の価値観として最も重要なのは倫理観、さらに言うと「人間尊重に基づく倫理観」だと言えます。その基盤があったうえで、高度かつ専門的な知識、そして相手に寄り添う援助技術が組み合わさったところに「福祉的人間力」が生まれると考えています。また、大切なのは現状に対して「本当にそれでいいのか」と疑問を持てること。さらに、その疑問をぶつけられることです。これは先日、障害者支援施設で働く卒業生からも聞いた話ですが、たとえば支援対象者の生活保護申請について、法的には問題なく処理されているように見えても当事者側からすれば納得の行かないことが少なくありません。その疑問を当事者と一緒に主張することこそ、社会福祉士の存在意義だと思います。

 また、ソーシャルワーカーやケースワーカーなど現場で働くプロと接することの多いこの学問分野では、「経験」こそが重要と思われがちですがそれは誤解です。法や行政についての知識、また支援技術についての知識を授業や実習を通じて身につけたうえで、初めて現場での経験が活きてくるのです。


貴学社会福祉学部の教育の特長について教えてください

 本学の強みは“現場”を知る教員の存在です。たとえば私の場合は公務員の経験がありますから、入学時からそのことを学生に伝え、公務員に興味のある学生はいつでも相談に来るようにと言ってあります。あるいは、保育士資格取得の支援においては保育士養成経験のある教員が指導を行います。そのように、チューターやゼミなどの枠を越えて、使える教員はすべて使ってほしいと考えていますし、教員と学生の距離も近いのが一つの特徴です。

 それから、これは教育の特長と言って良いのかわからないのですが、本学の学生は卒業後も母校に遊びに来てくれることが多く、あとで触れる国家試験対策にも一役買ってくれています。

 また、本学は地元地域との結びつきが強いことも特徴の一つです。たとえば、今ちょうど2年生の「ソーシャルワークⅠ」という科目の中で「企画演習」というものを実施しています。これは、地域の老人クラブや交流スペース、障害者支援施設、あるいは社会福祉協議会と共同での募金啓発などいくつかの場やテーマから学生が自由に選び、地域の人々と一緒になって何かを企画していくというものです。その他、障害児をお持ちのお母さんにお話を伺ったり、難病の患者の方との交流といったことも行われます。いずれも、最初はあくまで演習の枠内でのイベントなのですが、これをきっかけに学生の関心が高まり、演習後も対象の方に継続的に関わっていくということも少なからずあります。


国家試験への取り組みと進路について教えてください

 社会福祉士の国家試験対策としては、まず「社会福祉研究」という科目を開設し、前期・後期にわたって講義形式で確実に対策をしていくほか、山口県の社会福祉士会と共催で試験対策講座も行っています。さらに授業とは別に、卒業生が講師を務め、受験テクニックも含めた国家試験対策を指導する「ぶち勉」という行事も恒例です(「ぶち」は「非常に」「すごく」を意味する中国地方の方言)。精神保健福祉士の試験対策としては、九州産業大など他大学と共同で合宿なども行っています。その他、スマートフォンを使ったeラーニングなども含め、学生が自分に合った対策法を選べるよう、二重三重のサポートを用意しています。

 これは余談になりますが、本学の卒業生の一人が、先ほど触れたスクールソーシャルワーカーに採用されました。この学生は教職課程を履修しており、実習も受けているので、学校現場を見てきているということになります。スクールソーシャルワーカーは現状ではまだ就職先として強く勧められるほど採用数が多くないのですが、大学ではあくまで社会福祉士としての基礎を身につけつつ、併せて教職課程も履修しておくことで、こういった選択肢もあり得るということは覚えておいても良いと思います。この他、同様の選択肢としては高校の福祉科教員および特別支援教員免許取得という道もあります。また、進路として最近増えているのは医療ソーシャルワーカー(病院等で患者やその家族が抱えるさまざまな問題を社会福祉の立場から支援する専門職)ですね。


受験生へのメッセージをお願いします

 「福祉」というのは一見わかりにくい言葉ですが、かんたんに言えば「幸せ」のことです。つまり「社会福祉学」というのは、「社会一人ひとりの幸せを考える学問」と言うことができます。物事を判断するのに、たとえば法学部の人は法律を基準にしますし、経済学部なら経済効果を基準にします。それと同じように、社会福祉学部は「幸せであるかどうか」を基準に社会を考えたい、学びたいという人にぜひ入学していただきたいと思います。

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