page_top

天候に注意!交通事情チェック!大学ホームページでのお知らせや大学連絡先を確認!気持ちも行動も余裕を大切に。
入試情報は募集要項で再確認!

学部長インタビュー「看護学部の魅力とは?」千葉大学 中村伸枝先生

  • 【学部リサーチ 2018年版】看護・医療・保健学部系統の総合的研究
  • [2018/6/6]

患者との“キャッチボール”と“なぜ”を突き詰める気持ちを大切に

《国立》千葉大学 看護学部 学部長
中村 伸枝(なかむら のぶえ)先生

千葉県出身。千葉大学看護学部卒業後、同大学大学院看護学研究科博士後期課程修了。専門は小児看護学で、小児糖尿病をもつ子どもと家族の看護や専門看護師の教育に関する研究を主なテーマとしている。2015年には糖尿病療養指導鈴木万平賞を受賞。著書に『看護学実践 小児看護学』(ピラールプレス)などがある。

ご専門の「小児看護学」について教えてください

 小児看護学が対象とするのは、母親の胎内にいる赤ちゃんから、思春期に入り子どもが産めるような年齢になるまでの「子ども」です。いま、人間の平均寿命はどんどん伸びて「人生90年時代」に突入してきていますけれど、中でも胎児から思春期までの期間といえばその長さで言っても人生の4分の1くらいを占め、人間が生きていくための基本的な部分が出来上がる重要な時期です。そうした、人が身体的にも精神的にも劇的に変わる時期を担い、成長発達過程にある子どもたちを健康面・生活面も含めてどうケアするかを考えることが小児看護学の役割です。

 感染症が多かった時代には、小児看護学で教える内容は、年齢の低い子どものケアが中心でした。しかし、成人期まで続くような健康問題や、一見健康そうに見えても、健康を維持するための生活面に課題を抱える子どもが増えてきました。このように、小児看護の対象となる子どもが多様になったことで、私たちが学生として学んでいたころよりはずいぶん多くの内容を含むようになりました。また、小児看護は、小児の時により健康に過ごすというだけでなく、子どもがその先数十年をどう生きるかにも影響を与えます。そのような意味で、医学的な面と人間学的な面を併せ持つ学問だと言えます。


看護学とは、どんな学問でしょうか

 いまお話ししたような内容も当てはまるのですが、本来看護とは、人の身体や精神、生活を整えてその人なりの「より健康な生活」を送れるようにすることです。それを考えるための切り口は、人の身体、個人の生活、あるいはコミュニティや公衆衛生的な観点などさまざまです。

 人の健康や生命を守るのに必要なものは何かということを問えば、人間もまた動物ですから例えば清潔な水や栄養、安全な環境などといった本質的なところは変わりません。ただ、社会が変わればそのありようも変わってくると思います。いま、AI(人工知能)をはじめとするIT技術の発達や世界のグローバル化など、社会は大きく変わりつつあります。グローバル化の例で言うと、看護の対象が日本人以外の方にも広がっていくこと。あるいは、従来なら限られた地域に収まっていた感染症が、交通手段の発達によって世界的な問題になることも、看護のあり方に影響を与えます。これ以外にも色々な面で多様性が増している社会ですから、対応が必要な対象もそれだけ増えることになりますね。

 そうなると、看護のいわゆる医療面以外に、心のケアをはじめとする幅広い知識が必要になりそうな気もしてきます。もちろん、そうした知識や“寄り添う気持ち”も大切ですが、人間のメンタルは、健康状態や生活環境を整えることで解決できる問題も少なからずあるのです。そういう意味では、看護のいちばんの強みは身体のケアをできること、という視点が重要だと思います。


看護を学ぶ人にとって必要な能力とは、何でしょうか?

 前提として、やはり人間の身体の構造や治療についての基本的な学力は必要です。そのうえでの話ですが、学生の中には、患者さんをひと目見ただけで必要な治療がわかるようになりたい、という人がけっこういます。しかし、それは無理なことなんですね。

 必要なのはそういうことではなく、相手の方を理解するために“キャッチボール”をし続けられる力だと思います。それらを通して必要な看護を考えていけるということもあります。それと、「なぜだろう」に食いつける気持ちでしょうか。人は一人ひとり違うものですし、看護の現場でも、教科書で学んだこととは違うケースというのは必ず出てきます。そこで生じる「なぜ違うんだろう」という疑問の気持ちにしっかり食いついて、自分の頭で考え続けることと、相手の存在や心を高い感受性で受け止めることが大切です。

 また、看護の世界には「答えがない」こともたくさんあります。例えば終末期を迎えた患者さんのケアの方針を考えるとき、今日「こういう方向で行こう」と決めたことが1週間後も最適かどうかはわかりません。患者さん自身の希望することが、1か月後には変わっていることだってあります。そのとき、相手の方にとっていい人生とは何だろうか、ということを基本に考えつつ、起きてくる一つひとつのことを柔軟に受け止めることが大切です。看護学は理系の領域とされてますが、そういう意味では一般的なサイエンスとは少し異なっており、やはり「人に関心がある」人が向いているのかなと思います。


千葉大学看護学部の教育の特長について教えてください

 国立大学で唯一の看護学部ということは、学生自身はあまり意識していないと思いますが(笑)、私がこの看護学部にいて最近よく思うのは、やはり看護学の教育に大きな力を注いでいるということです。看護学として必ず教えなければならない基本的な事項、また、先ほどもお話ししましたが時代や社会の変化に応じて求められる事項のそれぞれについて、真剣に考えることができていると思います。

 また、これは総合大学としての強みでもあると思いますが、学生たちが視野を広げることができる環境が整っています。特に、医・薬・看護の3学部の学生が合同で学習する必修科目「亥鼻IPE」は10年くらいをかけて各学部が培ってきたひとつの成果ですが、それぞれの学部が対等な立場で話し合い、この亥鼻IPEを続けてこられた背景には、やはり千葉大学の風土というものがあるような気がしています。


受験生へのメッセージをお願いします

 みなさんに心がけておいてほしいのは、まず健康であること。健康を保つための自分なりの生活習慣や、ストレスがたまったときの対処法などを身につけることです。看護学を学ぶ過程では、人々の人生や感情、医療の限界などに直面し、専門職として感情のコントロールや対処を要する内容も広がってきます。ただ高校生のうちは、自分の年代なりにやるべきことをきっちりとできることが大切かなと思います。


この記事で取り上げた大学

蛍雪時代

螢雪時代・3月号

国公立大&難関私立大合格!のために読む雑誌

先輩合格者の「合格体験記」、ベテラン予備校講師の「科目別アドバイス」をはじめ、センター試験関連情報 や大学入試の分析&予想など、お役立ち情報満載の月刊誌。志望校・合格へあなたをサポートします。

「螢雪時代」のご案内は、こちら

学部・学科内容ガイド 記事一覧

学部・学科内容ガイド 記事一覧に戻る

“千葉大学”の関連記事一覧

今月の入試対策

supported by螢雪時代

大学を比べる・決める

My クリップリスト

0大学 0学部 クリップ中