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新設学部インタビュー「国際日本学部の魅力とは?」東京外国語大学 早津惠美子先生

  • 【学部リサーチ 2018年版】文・人文・外国語学部系統の総合的研究
  • [2018/5/9]

外から眺めて初めて気づく、日本の魅力を探り、発信しよう

《国立》東京外国語大学 国際日本学部(2019 年4月設置申請中) 大学院 国際日本学研究院長
早津 惠美子(はやつ えみこ)先生

1954年三重県生まれ。1978年京都大学教育学部卒業。東京外国語大学大学院外国語学研究科修士課程修了、京都大学大学院文学研究科博士課程修了。東京外国語大学外国語学部講師、助教授、教授を経て2015年より現職。日本語学を研究分野とし、著書『現代日本語の使役文』(ひつじ書房)で新村出賞を受賞した。

「国際日本学」とは、どのような学問ですか?

 ひとことで言うと、国際日本学とは「国際的な視野から日本を学ぶ学問」です。「国際的な視野」とは、日本以外のさまざまな地域の人々が日本をどう見ているか、どう思っているかを知るということです。中には、正しく見られていなかったり、日本人として本当に見てほしいところが見てもらえていなかったりということもあるでしょう。国際的な視野を理解した上で、「日本」というものを発信していくことも必要です。そのことを通じて、海外の人たちの日本に対する理解が深まると同時に、私たち日本人自身の日本理解も深まっていきます。これが「国際日本」の考え方であり、そうした考え方のできる人を育てたいと考えています。

 例えば日本の歴史を学ぶのに、日本の大学の日本史学科で学ぶのと違って、海外で日本の歴史がどのように捉えられているかにも目配りしつつ学ぶといったことを大切にします。

 本学はご存知のとおり語学に強い大学ですので、この国際日本学にアプローチする“手段”としての言語は大事にしていきたいと思っています。特に英語はしっかり身につけてほしいと考えています。ただし、大切なのは「英語で話をする」ことよりも「英語で何を話し、伝えていくか」ということです。国際日本学部では日本の文化、社会、あるいは日本語はどんな言語かといったことを、英語で客観的に伝えられる力を育てます。

 次に、具体的な教育内容についてご紹介したいと思います。

 この国際日本学部には、社会学系、文学系、言語学系、国際系、そして、日本語を母語としない人への日本語教育、それぞれの分野の専門教員がいます。本学では留学生を多く迎え入れますが、英語のみで卒業できるプログラムは設けない予定です。たとえ日本語能力がゼロの状態で入ってきた留学生も、卒業するまでには専門的な内容の読み書きや議論ができるくらいにまで育てたいと考えています。そのような日本語教育について専門的に研究している教員がたくさんいる本学部だからこそできることです。

 また、本研究院には外国人の教員も多くいます。例を一つご紹介します。日本文学を専門にしているインド人で、日本語も英語も上手な先生がいるのですが、この先生が担当する「日本文学史」という授業で使用するのが、イギリスで出版された日本文学史の教科書なんですね。ヨーロッパ各国の研究者が古代・中世・現代日本文学について英語で書いた内容を、授業の中で読んでいくのです。日本人の学生たちは、すでに高校の授業を通じて源氏物語や万葉集などを少しは知っていますが、外国人の視点ではそれらの作品のどこが面白くどこが不思議に映るのかという点がとても新鮮に感じられることでしょう。


東京外国語大学国際日本学部の教育の特長を教えてください

 国際日本学部の入試では日本人45名に対して留学生30名を募集する予定です。留学生の割合がかなり高くなりますが、留学生だけのための授業を特別に行うことは極力少なくしたいと考えています。日本語学習の授業はどうしても留学生向けのものになりますが、それ以外の授業では1 年次から「多文化協働科目(仮称)」といった科目を立て、いわゆる課題解決型学習に取り組みます。ここでは計75名の学生を10くらいのグループに分け、各グループは日本人学生と留学生が必ず一緒に入るようにします。1年次なので、留学生の中には日本語ができる人とまだそれほどできない人がいますし、日本人学生にも英語力に個々の差があります。語学力にばらつきのある学生たちが、一つの課題に取り組むわけですね。その中でお互いがお互いに対して「こういうことがわからないのか」「こんなことに驚くのか」と気づきながら、小さな異文化体験を積み重ねていきます。この経験は、実社会でも必ず役に立つと考えています。ここで取り組む課題は学内で行うものもありますが、地域社会に出てボランティアに参加するなどの活動も検討しています。

 また、先ほどもお話ししたことですが、国際日本学部は手段としての英語力を重視しながらも、本学の強みである語学教育力を活かし、ヨーロッパやアジアの諸言語など、他の大学では学べないような言語も身につけてもらいたいと考えています。これは留学生についても同じです。例えばタイから来た留学生がタイ語の授業に出るようなことがあっても良いと思います。先ほどの日本文学史の例と同じように、そこで留学生にとっても、日本人のタイ観など新しい理解が生まれるのです。


国際日本学部でどんな人材を育てたいですか?

 語学力を使って海外からみた日本を理解するという経験は、卒業生の将来像として企業、ジャーナリズム、あるいは国連職員など、さまざまなところで活かすことができると考えています。海外に飛び立つだけでなく、国内の地方自治体の国際部署で働くこともよいと思っています。

 また、これは意外かもしれませんが、「中学・高校の国語教員」というのも国際日本学部卒業後のヴィジョンのひとつです(国語科の教員免許を申請中)。近年、日本の公立学校でも外国籍や帰国子女など、日本語能力が十分でない子どもたちが入学するケースが増えています。そうした子どもたちを対象とした教育でも、国際日本学部で学んだ国語教員は、力を発揮するのではないでしょうか。


受験生へのメッセージをお願いします

 受験生のみなさんの中にも、英語が好きで得意という方がいらっしゃると思います。ただ、英語という言語そのものや英語圏の専門知識を学ぶというよりも、自分の英語力を活かして国内外で何かがしたいんだ―という方にぜひ国際日本学部を選んでいただきたいと思います。また、先ほど「多文化協働科目」のお話をしましたが、そうした「協働」、つまり誰かと一緒に何かをすることや、人とコミュニケーションをとることが好きな人も向いていると思います。

 また、志望校を決めるにあたっては、自分は今までどんなふうに育ってきたかということを、一度振り返ってみても良いと思います。志望校を決める前にそうした、ある種の「自分史」のようなものをつくることで、例えば「英語を活かしたい」という思いがあるなら、自分は実際英語をどのように使いたいと思っているのかが、自分の背景とともに見えてくるような気がします。将来、世界に向かって大きく羽ばたくためにも、いまの“助走”の部分を大事にしてもらいたいなと思います。


この記事で取り上げた大学

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