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学部長インタビュー「文学部の魅力とは?」日本女子大学 高野晴代先生

  • 【学部リサーチ 2018年版】文・人文・外国語学部系統の総合的研究
  • [2018/5/9]

「言葉」を鍛え上げ、遠慮のない討論と密接な絆で、新たな生き方を目指す

《私立》日本女子大学 文学部 学部長
高野 晴代(たかの はるよ)先生

1951年、東京都生まれ。1974年、日本女子大学文学部卒業。同文学研究科博士課程、星美学園短期大学教授を経て、2007年より日本女子大学文学部教授。2016年から現職。専門は平安文学で、平安前期の和歌、物語・日記文学における和歌の役割と解釈、贈答歌や屏風歌などを研究対象とする。著書に「源氏物語の和歌」(笠間書院)など。

先生が文学を研究する道に進まれたきっかけは?

 私が日本古来の韻文、特に和歌を研究しようと決めたきっかけは、当時の国文学科(現在の日本文学科)へ入学した頃に参加した「自主ゼミ」でした。単位にはなりませんが、学生が主体になって運営し、1年生から4年生までの5~10人で週に一度、一緒に学び、教員がボランティアで指導する仕組みです。俳人でもあった故中島斌(たけ)雄先生の指導の下、連句の実作や、芭蕉の足跡をたどるなど、楽しく学びました。

 その後、平安時代の古今集、特に紀貫之の和歌に出会い、さらに「屏風歌」(屏風の絵と関連した和歌)の研究に進みました。私が平安の王朝和歌に出会えたのも、この自主ゼミがきっかけですから、現在も連綿と続く、よき伝統といえるでしょう。


「自主ゼミ」が重要な役割を果たしたのですね

 年度始めは3年生が中心となり、毎回のレジュメを作成します。日本文学科では、前期に「変体仮名」(古文献に使用される崩し字)を読み取る演習を行ったうえで、後期からそれを「翻刻」(普通の文字に書き起こす)し、作品を解釈します。その際、自主ゼミでの経験がとても役に立ちます。1年生が上級生の指導を受けながら文献を翻刻し、注釈を並べ、ゼミの配付資料を作成するからです。

 6月頃には「図書館ツアー」という催しを行い、参考文献の場所や調べ方を、1 年生にきめ細かく指導します。

 また、京都・奈良を中心に研究旅行を催す中古文学の自主ゼミでは、必ずパンフレットを作成します。その過程で、資料の集め方や、その真贋を判断する力を身に付けるのもねらいです。

 3年次以降の実際のゼミナール活動にも役立ち、分析力や発信力が身につくとともに、何より大学教員や上級生との強い絆ができ、それが「一生もの」の交流につながっていきます。


文学部では、どのように学んでいくのでしょうか?

 「言葉」にこだわり、過去を研究し、現代を読み解きながら、未来のあり方を考察することを目指します。

 「言葉」を駆使する力を鍛えることで、対象となる文学作品や歴史の遺産に真剣に向き合い、人間存在の根源を問い、批判精神をもとに新たな生き方を求めていくのが、文学部の学びなのです。

 1年次に、英文学科は「ベーシックライティング」、日本文学科と史学科は「基礎演習」などで、徹底して基礎力をたたき込みます。そのうえで、専門分野の知識を積み上げていくのです。

 一方、学科間の科目選択の自由度は高く、専門科目の単位も互換性があり、家政学部とも交流は盛んなので、特に教養科目では、被服学科や食物学科の学生も、本学部の授業に参加しています。

 本学部には、学科に所属しつつ、将来の希望進路にあわせた学びが可能な「副専攻」という制度があり、就職や資格取得に役立つよう工夫されたコースを履修できます。「文化マネジメント」「観光・文化」「文化財」の3コースありますが、ここも学科を越えた学生の交流の場となっています。

 本学部では、どの学科も卒業論文を全員に課しています。学びの成果のすべてを注ぎ込み、「テーマを見つけ、分析し、文章にまとめ、口頭で発表する」という過程を通して、「自ら学ぶ力」をしっかり身につけることができます。その際、ゼミナールでは、4年生が執筆中の卒業論文について発表し、3年生が質問しながら討論を進めることで、プレゼンテーションやディスカッションの能力が養われます。

 気がついたことは遠慮なしに意見を述べることが奨励され、討論への参加度が、多く評価の対象とされます。

 また、教員は授業時間や、学生の質問・相談を受けるための「オフィスアワー」だけでなく、自由時間も割いて熱心に指導しています。


女子大で学ぶことの意義や魅力は?

 女子大で学ぶことの良さは、女性だけの環境の中で、性別を超えた1人の「人間」として、遠慮することなく、考えを深め、話し合い、行動する機会に恵まれる事でしょう。

 本学部の卒業生は、鍛え上げた文章表現力やプレゼンテーション能力が、就職活動で強みになっています。面接に強い人が多く、最終面接で「源氏物語」のおもしろさを熱心に話し、内定を勝ち取った人もいるほどです。

 教職志望者が伝統的に多く、特に日本文学科の場合は、教員になった卒業生が主体になって「国語科教員の会」を組織し、毎年、夏休み中に大学教員も参加し、教員志望の学生を対象に講演会・交流会を行っています。この会に限らず、大学教員と卒業生のコミュニケーションが密であることも、本学の強みといえるでしょう。


近年、重視している取り組みは何でしょうか?

 1年次の外国語(英語)のクラスについて、サイズを小さくして教員の目が行き届くようにしました。特に力を入れているのが「プレゼンテーション・イングリッシュ」です。英語で自分の伝えたいことを発表し、やはり英語で質疑応答を行うという、実践的な授業スタイルをとり、ツールとしての英語をしっかり身につけます。

 本学では120周年記念事業の一環として、新図書館を建設中(2019年完成予定)です。現図書館では、戦前の古い雑誌類も保管し、蔵書には国立国会図書館にないものも含まれます。新図書館でも、貴重な書籍も含め、じかに手にとって閲覧できる開架式が採用されます。探している本の隣に、新たな知識との出会いが待っているかもしれません。

どのような受験生に入学してほしいですか?

 「言葉や文学が好き、歴史が好き」で、「何でもやってみたい」という知的好奇心を持った人に受験してほしいですね。そして入学後、「なぜ好きなのか、思いが深まるのか?」という裏付けを求め、女子大ならではの遠慮のいらない環境で、存分に語り合い、切磋琢磨しながら、答えを見つけ出してください。

 本学部では一般入試の他に「自己推薦入試」を行っています。例えば日本文学科では、最新の大学紀要に掲載された本学部教員の論文を課題として読み、3ヶ月かけて原稿用紙8~10枚に、要約(1千字)と自分の考えをまとめ、提出してもらいます。この方法では、とにかく「書く力」の優れた受験生が合格を勝ち取ります。こうした個性を評価する入試も用意し、皆さんの挑戦を待っています。

この記事で取り上げた大学

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