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学部長インタビュー「歯学部の魅力とは?」東京医科歯科大学 興地隆史先生

  • 【学部リサーチ 2018年版】医学部・歯学部・薬学部の総合的研究
  • [2018/3/26]

人体の理解のもと歯科の専門領域を研鑽し、社会のQOLの向上に貢献

《国立》東京医科歯科大学 歯学部 学部長
興地 隆史(おきぢ たかし)先生

東京医科歯科大学歯学研究科博士課程修了。専門は保存治療系歯学。1988年東京医科歯科大学歯学部助手、1999年同大歯学部附属病院講師、2001年同大大学院医歯学総合研究科講師。同年7月新潟大学歯学部教授。2015年東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科歯髄生物学教授。2017年4月同大歯学部長に就任。

歯学と医学の共通点と相違点を教えてください

 歯や口腔は人体の一部です。その状態や疾患は体全体と密接に関係しています。そのため歯学部でも、まずは全身的な学びから始められます。生理学、生化学、解剖学といった授業を通じて人体の構造や機能について広く理解していきます。この点が医学と重なる領域です。

 全身についての広い理解をもとに、歯科医療の専門領域を深く学ぶことになります。その領域とは、わかりやすく言うと「首から上」。主要な部分は、歯、口腔、喉、顎、顔面などです。さらには、その部分の神経、血管、筋肉、骨、細胞なども対象です。それぞれに、その部分ならではの視点、専門的な知識や技術があります。「首から上」と言っても学ぶ範囲は広く、研究分野は本学においては40以上もあります。また、狭い口腔の中で直接見えない歯随(いわゆる歯の神経)といった組織に処置を行いますから、その点、歯学ならではの高度な治療技術が求められます。


歯学部の目的、そして魅力について教えてください

 歯学科は歯科医師を、口腔保健学科は歯科衛生士や歯科技工士を養成する機関と言えるでしょう。とは言え国家試験に合格すれば良いということではありません。そのあと医療現場で、患者さんや他の医療従事者に信頼され、責任をもって医療にあたれるようになるために、歯科の専門分野を学ぶだけではなく、他の医療分野も理解しながら視野を広げつつ、対人能力なども磨いていくことになります。

 歯科医療は、人や社会のQOL(クオリティ・オブ・ライフ/生活の質)を支えるものです。歯や口腔の組織が傷むと、日常的に痛みが伴い、食事や会話がうまくできなくなります。食事や会話は、生きていく上で欠かせない、幸せを感じる行為です。それに支障が出てしまうとQOLは大きく低下してしまいます。その原因となっている口腔の疾患を治療し、痛みを取り除くことが歯科医療の使命です。言い換えれば、普段の生活の中の喜びや幸せを取り戻す仕事でもあります。歯科医療従事者にとって、痛みや生活上の苦痛を取り除いて差し上げて、患者さんから感謝されたとき、この上ない喜びを感じられるものです。

 歯科医療は社会的にニーズの高いものです。さらに高齢社会が進み、新しい治療のニーズも生まれています。


貴学・歯学部の教育の特長についてお聞かせください

 まずひとつは、「医歯学融合教育」です。包括的な視野を持って医療に取り組めるように、歯学科と医学科の学生がともに学ぶ融合教育を実施しています。これは、高齢社会への対応もそうですが、技術の高度化への対応、また、医療現場での多職種間での連携・協調を学ぶための教育です。現代においては、歯科医師が独力で医療にあたるよりも、医師や看護師など他の医療従事者と協働で仕事をすることが多くなっています。そのため、歯学の専門領域だけではなく、医学の領域も広く学べるように、医学科との共通科目を設けています。

 もうひとつが、「多職種連携教育」。医療現場では、医師、歯科医師、歯科技工士、歯科衛生士、看護師、社会福祉士など、さまざまな職種の者が協調して、医療行為にあたります。それを見据えて学部学生のうちから、別の学部・学科の学生と授業や実習で交流する機会も設けています。歯学部の学生が医学部の病院で学ぶ実習もあり、その逆の機会もあります。

 これらは総合医療大学の本学だからこそ可能な学びです。同じ人体を学ぶのでも、歯学の視点、医学の視点があります。専門分野を軸に学ぶのは当然ですが、それとは違った視点も理解することは、将来、医療現場でリーダーシップを発揮して活躍するために必要なものと考えています。

 この他にも、実習の機会の多さ、研究室の多さ、教員の多さなども本学の特長だと自負しています。


歯学部生に求められる能力とは何でしょうか

 歯学の専門領域に対する深い理解と高い技術力、そして、他の領域を含めた幅広い視野を持つことが大事であることは、ご説明したとおりです。それらに加えて、コミュニケーション能力を挙げたいと思います。

 疾患の原因、その背景となっていることを把握するには、会話の中でそれを探っていかないといけません。会話の中から患者さんの情報を集めて、その患者さんに最適な治療方法を判断することになります。また、歯科医療は、歯の磨き方や生活習慣の改善をお願いして治療につなげる「長期解決型」の部分が多くあります。それを良好に行うには、患者さんと信頼関係を築くための能力がとても大事になってきます。

 手先の器用さは、数多くの実習を通して鍛えられていきますから、現時点で特別な器用さは要求されません。

 ただし、口腔保健工学専攻においては、手先の器用さがないと難しいところがあります。なぜなら、この専攻では、精巧な義歯や入れ歯などを製作する技術を学ぶことになるからです。患者さん個々に合った義歯などを製作するには「匠の技」といえるような細かい技術が求められます。


歯学部を目指す受験生にメッセージをお願いします

 歯学医療は、技術の進歩によって、次々と治療法が更新されています。コンピュータを利用した義歯製作、顕微鏡を使った治療、人工歯根の技術、また最近では骨の再生医療を利用した治療法もあります。こうした治療技術は、ひと昔前までは考えられなかったもので、科学・技術の進歩や歯科材料の改良などによって可能になったものです。数年前の知識や技術が古くなってしまいますから、歯学医療の従事者は、常にこれらを更新していかないといけません。

 大学で学ぶことは膨大にあります。それは、国家試験をクリアし、医療現場に出たあとも変わりません。教科書の暗記では対応できませんから、自ら関連情報を収集しながら理解を深めて、高度な内容であっても試行錯誤しながら学ぶ姿勢が大事です。受験勉強には絶対的な答えがありますが、医療の世界ではそれがありません。医療従事者として現場に立てば、責任をもって医療の内容を判断することになります。それができるように、学生時代に貪欲に積極的に自ら学び取りに行く姿勢を養っていただきたいと思います。

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