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学部長インタビュー「医学部の魅力とは?」山形大学 山下英俊生先生

  • 【学部リサーチ 2018年版】医学部・歯学部・薬学部の総合的研究
  • [2018/3/29]

豊富な臨床実習と診療科横断型講義で「人間性豊かな考える医師」を育てる

《国立》山形大学 医学部 医学科 学部長
山下 英俊(やました ひでとし)先生

鹿児島県出身。1981年、東京大学医学部医学科卒業。医学博士。専門は眼科。1994年~95年、スウェーデンのウプサラ大学へ留学。1999年から山形大学医学部教授、2003年~10年に附属病院長を兼務、2010年から現職。日本眼科学会理事長など要職を歴任。「糖尿病網膜症」等の研究実績で受賞歴、著書多数。

先生が医師として研究の道に進まれた理由は?

 きわめてシンプルですが、高校3年の時に将来の進路を決める際、「人のために役立つ」ことが明瞭にイメージできるという理由で医師を選びました。

 私の専門は眼科で、特に「糖尿病網膜症」という、糖尿病の患者さんがその影響で網膜(眼球の中でフィルムの役割を果たす部分)がはがれ、失明に至る病気について研究しています。

 眼科を選んだのは、入学当時、東京大学に三島済一先生という眼科教授がおられ、学識豊富で講義もすばらしく、目という器官の面白さに目覚めさせてくれたことから「この人の弟子になりたい」と惚れ込んだことがきっかけです。開業医ではなく大学病院で研究の道に進んだのも、「世界で最初のことをやりなさい」という三島先生のことばに後押しされたのだと思います。

 医師の魅力は、やはり患者さんの回復に、喜びを見出せることではないでしょうか。例えば眼科の場合、杖をついて入院した患者さんが、視力が回復し、自力で歩いて帰れるのですから…。


山形大学医学部の学びの特徴は?

 本学部の教育の特色としてまずあげられるのが、2009年から、当時の学部長で本学部の改革に尽力された嘉山孝正先生が主導して、「スチューデント・ドクター」制度を全国に先駆けて導入したことでしょう。

 「スチューデント・ドクター」とは、4年次に全国統一の医学共用試験に合格し、臨床実習に臨む際、基本的な知識と技能を修得し、一定のレベルに達したと認めた学生に付与する「お墨付き」です。医療現場の一員として責任と自覚をもって参加してほしいとの期待が込められています。

 医師国家試験に合格した後は、2年間の初期臨床研修を行うのですが、学部生の時点でそれと同等の知識や経験を前倒しで獲得してもらおう、というのが目的です。実際に患者さんの診療を行う「参加型臨床実習」を充実させ、緊急を要する患者さんが搬送されてきても対応できる実践能力や、所見から判断し原因を推論できる「臨床推論」の力を鍛えることを目指したのです。この取り組みが、2014年には全国の医学部共通の制度として採用されましたが、本学部の4年次以降の臨床実習は74週と、筑波大学医学類(78週)に次ぐ日本で2番目の長さを誇っています。

 山形県では、本学部をはじめ、県・関連病院・医師会等が連携して「蔵王協議会」(会長:嘉山孝正先生)というネットワークを構成し、地域医療を支える体制を整えています。そのうち中核となる14病院が、臨床実習先として学生を受け入れています。

 実習以外のカリキュラムも、例えば「頭痛を起こす病気」など、症状をベースにした診療科横断型の講義を充実させています。実際の患者さんの症状は、複数の診療科にまたがる、さまざまな原因が考えられますから、幅広い診療科の知識の習得が必要なのです。

 共用試験や臨床実習前の準備教育などに対応するため、各種の医療用シミュレーターを設置した「メディカルスキルアップラボラトリー」も活用しています。実際の患者さんの心音や内視鏡画像などのデータを用いた高性能シミュレーターで、聴診や気管挿管などの訓練を積む事で、学生は自信を持って医療現場へ行くことができます。

 国家試験対策としては、6年次の卒業試験の前に「特別講義」として、学んできた内容全てのおさらい講義を行います。卒業試験は講座(診療科)ごとに行いますが、その後、特別講義を踏まえて、6年間学んだ内容全てを出題範囲として、国家試験により近い形の診療科横断型の「総合試験」を行います。また、国家試験へ向け、学生が自主的にグループ学習を行える体制も整えています。このため、本学部の国家試験合格率は、国立大医学部の中で、常に上位をキープしています。


近年、特に重視している取り組みは何でしょうか?

 本学部の強みは、先進的な「がん診療」と「遺伝子医療」です。特に「がん診療」については、2003年に嘉山先生が主導し、本学部が重視すべき研究の柱として定められ、次のような方針で進んでいます。

 将来的にどの診療科を選んでも、がんに関する理解が正確であるよう、カリキュラムを整備しています。2004年には「がんセンター」を、大学病院としていち早く設立しました。さらに、「キャンサートリートメントボード」という、ひとりのがん患者さんに対し、全診療科の医師や、看護師・薬剤師・臨床検査技師など関係者全員でカンファレンス(検討会議)を行い、適正な診療方針を決定、共有するしくみも、全国に先駆けて導入しました。そこには、学部生も参加できるのです。

 議論に加わることはもちろん、座って聞いているだけでも非常に勉強になります。複数の診療科、医師とコメディカルが連携してこそ高度な医療が成り立つことを、ロールモデルとして見せているので、いざ臨床実習の現場に出ても、こうした医療スタッフ間の連携に尻込みしないようになります。

 がん治療については、2019年には東北以北では初となる「重粒子線がん治療施設」が完成し、2020年から治療を開始する予定です。重粒子線治療は、通常の放射線治療に比べ、ピンポイントでがんを狙い撃ちできる、副作用が小さい先端医療です。全国でも5つしかない施設で、しかも任意の方向から重粒子線を照射できる装置を備えるのが特色です。こうした先進的な設備の存在も、本学部を目指す魅力になればと期待しています。


どのような学生に入学してほしいですか?

 人間に対し愛情を持ち、しかも地域医療への熱意と研究意欲を持った学生に入ってきてほしいですね。

 人口動態から見て、いま入学する人たちが一人前の医師になる2030年頃には「医師余り」となることが予測されます。そのため、医学部医学科では2018年度から、入学定員を120人から115人に削減しましたが、このうち地域枠は、逆に8人から10人に拡大しました。それだけ、本学部では地域医療の担い手の育成を重視しているのです。先端医療を学ぶことができ、しかも地域医療を安心して担える体制を整えた本学部は、志ある受験生のチャレンジを待っています。


この記事で取り上げた大学

蛍雪時代

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