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[法・政治・国際関係学部系統]学べることガイド

  • 【学部リサーチ 2017年版】法・政治・国際関係学部系統の総合的研究
  • [2017/11/22]

人間社会の歴史とともに発展した「法」と「政治」。
それだけにその学問の幅は広い。
グローバル化に伴う国際関係学との関連にも注目だ。

法学・政治学分野の学びとは

 高校の世界史でも学習する「ハンムラビ法典」は、古代バビロニア(今のイラク南部)で現在から3700年以上も前に制定された法典だ。法はこのように太古の昔から、常に人間社会や生活とともにあった。大学における「法学」もまた、医学や神学とならぶ最も古い学問分野であり、日本においてはいわゆる旧帝大(北海道大・東北大・東京大・名古屋大・京都大・大阪大・九州大)のすべてに法学部が設置されているほか、私立大では中央大(英吉利法律学校)、法政大(東京法学社)、明治大(明治法律学校)、関西大(関西法律学校)など明治初期の法律学校を起源とするところも少なくない。

 日本の法学教育では、簡潔かつ抽象的に書かれた法律の条文を、現実に起こっている事件に対してどう適用するかという、いわゆる「法の解釈」を中心に置くことが多い。一方、こうした「解釈論」に対し、現状の諸問題を解決するための「あるべき法」について検討を行う「立法論」も法学で学ぶ内容の一つである。立法論は政治学にも関連が深い分野だが、先にも述べたように法学はその長い歴史から他の学問分野、特に政治学と経済学の学問分野と重なる部分が大きい。そうした方向性は学部名や学科構成にも表れていて、千葉大-法政経や信州大-経法などは経済学とのつながりが強い。

 政治学もまた、政治に関する知識の体系的学修に加えて、隣接する学問領域をともに学ぶことが多い。近年では国際政治学などのほか、具体的な政策立案や意思決定プロセスを学ぶ学科も盛んである。


法学・法律学系学科の内容

法学科

法律学科 等

 いわゆる六法(憲法、民法、刑法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法)について学ぶ伝統的な学科。法学科では、これら基本法律科目のほか、行政法や労働法、知的財産法などの特別法、あるいは法理論を哲学的・社会学的・歴史的に学ぶ法哲学、法社会学、法制史、法史学、法律学を国際的視点で学ぶ国際法、外国法、比較法などが開講されている。

 法律学の科目が非常に多いことから、将来の方向性に沿ってコースを設定している大学も多い。


ビジネス法学科

経営法学科
ビジネス法学科
国際ビジネス法学科 等


 法律知識を活かして企業で活躍する人材の養成を目指す学科。企業法の知識を身につけてビジネス現場で活躍しようとする人、外国のビジネス法や商慣習を学び、日本企業のグローバル化の最前線で活躍しようとする人、渉外弁護士として、国際商取引の最前線で活躍しようとする人に最適の学科だ。

 企業法、ビジネス法分野で学ぶのは、民法(契約法)・商法、会社法、雇用関係法、倒産法、独占禁止法などのほか、特許法や著作権法などの知的財産法や保険法・証券法など多彩。


地球環境法学科

 環境法とは、自然環境保全法や環境基本法、大気汚染防止法など私たちのまわりの空気や水などの環境を守る法律のこと。基本となる憲法や刑法、民法、行政法などに加え、生物学や地球科学、環境保全工学、動植物学、生態学、土壌学、水質学などの知識が必要。

 上智大の地球環境法学科では、憲法、民法、行政法など法律の基本科目と、入門から各論までの環境法について体系的に学んだ上で、環境訴訟法、自然保護法、企業環境法などの専門科目を履修するカリキュラムを設定。環境問題についての世界と日本の法システムに関する素養を持ち、法的思考力を備えた人材の育成を目指している。


国際関係法学科

 法律学の大きな分野である国際法に焦点をしぼった学科。初年次で英語を中心とする外国語を学んだ上で、国際契約法、国際婚姻法、国際取引法、知的財産法などの専門知識を身につけていく。経済活動のグローバル化、情報通信技術の高度先進化などで需要が拡大する国際問題に強い人材の養成を目標としている。


政治学・政策学系学科の内容

政治学科

 国立大では、法学部の中の1コースまたは1課程として置かれているのが一般的。独立した学科として政治学科が置かれているのは私立大学のみで全部で17大学。そのうち14大学が東京都内にある。明治大と早稲田大は政治経済学部、ほかは法学部だ。

 政治学科は、政治に関する知識を体系的に学ぶことを目的に、政治学、行政学、都市行政、日本政治史、西洋政治史、日本政治思想史、西洋政治思想史、国際政治、国際法などの科目から構成されている。


政策学科

政策科学科
総合政策学科 等


 かつての日本の大学教育ではあまり行われてこなかったとされる「政策を立案し提案する」能力を身につけることを目的とした学科。政策を立案するには、政治学はもちろん、経済学、経営学、法律学などさまざまな知識が必要であり、そうしたことから、多くの大学が、総合政策学部などの名称で独立させるようになった。

 政策の立案には、問題の発見・解決能力、他部門との交渉力などが必要なため、(総合)政策学科では、外国語教育、プレゼンテーション、ディベートなどに力を入れている。また、法政策、地域政策、文化政策、公共政策など、1分野に特化した学科名称の大学も増えている。

 関西大の政策学科(政策創造学部)は、「国際政治経済」「政治・政策」「地域・行政」「組織・経営」の4専修を設置。さらに「政策公務ユニット」「グローバル・ガバナンス・ユニット」などの履修ユニットを用意し、各専修を横断的に研究することができる。


法政策学科

 法律学を基礎として政策の立案について学ぶ学科。地方行政や金融・保険などさまざまな分野で必要とされる法的知識を学び、それを基盤に政策や企画を立案できる能力を養うのが目的。

 京都産業大の法政策学科(法学部)では、安全保障、行政、公共政策、社会安全、社会政策の5つの履修プログラムを設定。フィールドリサーチ、実務家教員によるリレー講義、インターンシップなどにより、論理的思考力、企画立案力、情報発信力を養う。さらに、他学部との融合プログラム(人事・労務プログラム、知財エキスパートプログラムなど)や職能資格教育プログラム(「初級地域公共政策士」法政策基礎プログラムなど)といったプログラムを用意し、発展的・能動的な学習をサポートしている。

文化政策学科

 国や地方自治体の文化政策や企業の文化支援(メセナ)などについて、日本文化や外国文化の知識、博物館学・美術館学、行政法を中心とする法律学などを総動員して学ぶ学科。

 静岡文化芸術大の文化政策学科(文化政策学部)は、地域文化や企業文化の第一線で活躍する人材を養成することが目的。国や自治体の政策、非営利法人の社会活動、企業や公的組織の経営、社会とICTの関係などについて、地域と文化の視点を踏まえて学ぶと共に、実践的な調査・企画の手法を習得する。


地域政策学科

コミュニティ政策学科
地域づくり学科 等


 地方公務員として地域住民の福祉や健康に携わったりできる人材を養成する学科。地域が抱えるさまざまな問題を解決し、適切な政策を立案するための知識と技術を学ぶ。

 鳥取大の地域政策学科(地域学部)は、1年次の地域調査入門、総合演習等で地域調査の手法を学び、2年次の地域調査実習、海外フィールド演習で国内外のフィールドを実体験。さらに3年次のインターンシップ、専門ゼミでは、学んできたことをまちづくりや村おこしに結びつけようとしている。


公共政策学科

国際公共政策学科 等

 公共政策とは、政府または公共部門が行う公共的な政策のこと。主なものとして、外交政策、経済政策、社会政策、文化政策、教育政策、医療政策、農業政策、エネルギー政策などがある。

 公共政策学科では、これらの内容について概略を学んだ上で、解決すべき公共問題とは何か、解決にはどのような政策立案が必要か、それをひとつの政策にまとめるにはどのような過程を経ることが必要かなどを学んでいく。


自治行政学科

行政政策学類 等

 政治学のうち、行政分野の専門知識修得に力点を置いた学科。国家・地方公務員のほか、都市問題や地域福祉の専門家など、地方自治、コミュニティ福祉など、地域を支えるリーダー養成を狙いとしている。

 神奈川大の自治行政学科(法学部)は、地域のニーズに応じた特色ある行政や効率的な行政運営ができる人材の養成を目標としている。環境、まちづくり、福祉など、地域社会の諸問題を、自治体行政に関わってきた実務経験者を招いて研究しているのが特色だ。


≪法・政治学部系統≫ Trend & Topic

司法試験合格率、2年ぶり上昇の25.9%

 現在、司法試験を受験するには、法学部を卒業した場合は2年間、それ以外の学部を卒業した場合は3年間、法科大学院で規定の単位を修得し修了する必要がある。

 法科大学院では、憲法、民法、刑法などの「法律基本科目」に加え、法曹としての技能及び責任その他の法律実務に関する基礎的な分野を学ぶ「法律実務基礎科目」、「基礎法学・隣接科目」、「展開・先端科目」からなるカリキュラムが組まれ、93単位以上を修得することで修了が認められる。修了すると、例年5月に行われる司法試験の受験資格(最高で5回、卒業後5年以内)が得られる。

 法科大学院制度は、すでに2004年の開設以来12年の歴史を持つに至っているが、その間、法曹需要低迷による合格者数・合格率の抑制、法科大学院の閉鎖・定員縮小などが行われてきた。

 2017年に行われた司法試験には5,967人(前年6,899人)が受験。合格者は前年をわずかに下回る1,543人で、2006年の新司法試験導入以降で最少となったが、合格率は25.9%と、2年ぶりに上昇した。

 法科大学院別の合格者数では、慶應義塾大が144人でトップ。2位以下に東京大(134人)、中央大(119人)、京都大(111人)、早稲田大(102人)と続き、100人を超えたのは以上5大学のみだった。合格率では京都大の50.0%を筆頭に、一橋大(49.6%)、東京大(49.4%)、慶應義塾大(45.4%)、大阪大(40.7%)、神戸大(38.7%)と続いた。


グローバル化と国際関係学の進展

 国際関係学部(学科)は、グローバル化の進展に応じてこの20年ほどの間に大きく増えた分野。

 国際関係、とひとことで言っても、その学問の内容は大学や学部・学科によって大きく異なるが、その方向性はざっくり「人文科学系」と「社会科学系」に大別することができる。人文科学系の分野は「国際文化学」分野とも呼ばれ、比較文化論や異文化コミュニケーションなどの文化研究、特定の国・地域に焦点を当てた地域研究などがその主な学びと研究の内容で、自国とは異なる文化を理解し、意思疎通を図れる人材の育成を目的としていることが多い。「国際教養」「グローバル・コミュニケーション」といったキーワードが学部・学科名によく使われるのも特徴だ。一方、社会科学系の分野は国際情勢を法学、政治学、経済学、経営学といった社会科学の眼で切り開き、読み解くことを研究の軸としており、国際的なビジネスや政治の世界で活躍したい人にとっては魅力的な分野と言えるだろう。どちらの分野も座学と同様に海外での実地研修を重視していることが多く、語学力とともに現場での課題解決能力養成が期待できる。

 具体的には、前者の例に当たるのが千葉大-国際教養。総合大学の強みを活かした文理混合教育やアクティブ・ラーニングなどの手法を通じ、課題発見・解決能力を備えたグローバル人材の育成を目指す。また、後者の例に当たるのは14ページの学部長インタビューでも紹介している学習院大-国際社会科学。法律、経済、経営、社会学といった社会科学の手法によって国際社会の課題を解決する力を身につけようとするのが狙い。入学後に4週間以上の海外研修に参加することを卒業要件としている。


国際関係学系学科の内容

国際関係学科

 国際社会で起きているさまざまな問題を学ぶ学科。国連やその専門機関などで国際公務員として働こうとする者にとっては必須の学問分野だ。

 この学科では国際間の政治・経済・文化などを中心に学ぶ「国際関係」と、各地域別に政治・経済・文化を比較研究する「地域研究」を2本の柱とする大学が多く、国際機関、国家、地域社会、民間企業、NGO・NPO、さらに個人に起こるさまざまな問題を総合的に考察する。

 立命館大の国際関係学科(国際関係学部)は国際関係学専攻とグローバル・スタディーズ専攻がある。国際関係学専攻は、2年次から「国際秩序平和」「国際協力開発」「国際文化理解」の3プログラムのいずれかに所属して専門的に学ぶ。


国際政治学科

国際政治経済学科 等

 国際政治を、政治学、国際関係学、経済学などから解明しようとする学科。

 青山学院大の国際政治学科(国際政治経済学部)は、2年次から「政治外交・安全保障コース」「グローバル・ガバナンスコース」の2つの履修コースを設定、今日の複雑な国際関係を理解し、日本と国際社会のより良い関係を提案できる高度な分析能力を持ち、豊かな語学力を備えた人材の養成を目指している。


国際経営学科

国際ビジネス学科
国際商学科 等


 実践学としての国際ビジネスを学ぶ学科。1・2年次で語学・コンピュータの力を身につけて、3・4年次では国際経営学や会計学などの専門知識を身につける。最近では、外国や国際企業での国際インターンシップを実施する例も増えている。

 立教大の国際経営学科(経営学部)では、少人数によるグループ討論を通してビジネスを体験的に学びながら英語力を身につける「バイリンガル・ビジネスリーダー・プログラム(BBL)」を実施。1年次・2年次の海外留学プログラム、2年次以降の専門科目の授業の約7割が英語という環境で、英語力を駆使して企業経営ができる人材の養成を目指している。


国際社会学科

国際社会科学科
地球社会共生学科 等


 グローバル化が進行する国際社会を、政治・経済・社会などの視点で、総合的に理解しようとする学科。

 東京女子大の国際社会学科(現代教養学部)は、国際関係、経済学、社会学の3専攻を設置。入門、基礎講義、基盤演習、応用講義、発展演習と科目群を系統的に履修することで、現代社会を世界的な視野でとらえ、豊かな教養と専門性を備え、地域社会や国際社会で活躍できる人材の養成を狙っている。


国際文化学科

 国際社会における文化現象を、諸地域の思想・歴史・文学など多方面から研究する学科。各地域の文化を深く学ぶ「地域研究」と、それらを比較・解明する「比較文化研究」などを柱に研究を行っている。

 法政大の国際文化学科(国際文化学部)は、文化と情報をキーワードに異文化間のコミュニケーションを研究する学科。情報文化コース、表象文化コース、言語文化コース、国際社会コースの4コースを開設するほか海外留学(SAプログラム)が必修で実施されている。


国際交流学科

国際協力学科 等

 日本と国際社会を結ぶ架け橋として、国際協力や文化交流などの分野で情報発信できる人材を養成する学科。外国語の修得と情報処理力の養成に力を入れ、フィールドワークやインターンシップなどで実践力を身につける。


国際観光学科

 グローバル化が進む中で、年々発展する国際観光に焦点をあてた学科。文化・産業・交通・レジャーなどの分野で国際的に活躍できる知識と実務能力を身につけるのが目的。

 東洋大の国際観光学科(国際地域学部)は、ツーリズム・マネジメントコース、ホスピタリティ・マネジメントコース、レジャー&リゾート・マネジメントコースの3コースを設置。海外の大学での観光学研修やインターンシップ研修などの実践的な教育で、観光業界をリードする人材を育成する。


国際教養学科

 欧米の高等教育の共通語となっている英語で文学や政治・経済などの専門科目を「国際教養=リベラルアーツ」として学ぼうという学科。外国人留学生と共通で英語による授業を実施するほか、海外留学を必須とするなど特異で斬新なカリキュラムが設定されている。

 上智大の国際教養学科(国際教養学部)は比較文化(文学、哲学・宗教、美術史)、社会科学(文化人類学・社会学、歴史学、政治学)、国際経営・経済学の3コースを設け、複合的な専門教育を行っている。


国際コミュニケーション学科

国際社会コミュニケーション学科
国際言語コミュニケーション学科 等


 国際交流、国際協調、異文化交流など、国際コミュニケーションに関する理論や知識を学ぶ学科。コミュニケーションの基礎となる外国語については、ネイティブ教員による授業が行われ、さらに、異文化理解と日本文化に関する科目が設置されているのが一般的。

 青山学院大の国際コミュニケーション学科(国際政治経済学部)は、同じ学部の国際政治学科、国際経済学科を横断する5コース制(政治外交・安全保障、グローバル・ガバナンス、国際経済政策、国際ビジネス、国際コミュニケーションの各コース)を敷くとともに、外国語教育にも力を入れている。

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