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学部長インタビュー「商学部の魅力とは?」中央大学 木立 真直先生

  • 【学部リサーチ 2017年版】経済・経営・商学部系統の総合的研究
  • [2017/11/1]

学際的・主体的な学びと「三方よし」の精神で“構想力”を鍛える

《私立》中央大学 商学部 学部長
木立 真直(つみやま まさあき)先生

1956年生まれ。九州大学大学院農学研究科修了、農学博士。食品需給研究センター、日本獣医畜産大学(現・日本獣医生命科学大学)を経て、1992年より中央大学商学部勤務。コーネル大学、エディンバラ大学、モナッシュ大学客員教授などを経て、2015年より現職。専門は食品流通論、共著に『流通経済の動態と理論展開』(同文舘)など。


農学部で学ばれたとのこと。「商学」を志したきっかけは?

 私の専門分野は「流通論」です。もっとも、今でこそ商学部の教員ですが、学部や大学院時代は「農業経済学」を専攻していました。多くの人から見て、やや違和感があるかもしれませんね。

 大学受験では「将来はオーストラリアに渡って羊飼いにでもなろう」という夢から農学部を選んだものの、入学直後の田植え実習を通して、実践力が自分にないことを痛感し、経済専攻に進みました。その後の人生を変えることになったのが、2年次に履修した「農産物流通論」との出会いでした。

 学部・大学院を通して商業資本の機能論を一貫して研究し、学位を取得した後、研究所勤務や本学で教鞭をとる過程で、食品流通全般や小売業、あるいは外食やなか食(惣菜や弁当などを外で買い、自宅に持ち帰って食事すること)の研究にも携わりました。こうして生産者視点の農産物流通論に始まり、消費者視点の食品流通論へ転換し、そして現在は両者の融合という流通研究の総括に悪戦苦闘中です。

 21世紀の社会では、生産志向だけでも、消費志向だけでもいけない、両者のバランスをどうとるかが課題となっています。商学には、単に営利を考えるのではなく、自然の摂理、人間の本質、倫理や社会的正義をも対象に含めたスタンスが求められているのです。


商学部ではどのように学ぶのでしょうか?

 「商学部は、経済学部とどう違うのですか」。かつて高校生からよく投げかけられた質問の1つです。やや乱暴にいえば、抽象的に経済現象を究明する経済学系に対し、具体的に企業や組織の経営活動を分析するのが商学系、と答えることはできます。

 中央大学商学部には、経営、会計、商業・貿易、金融の4学科があります。ただし入学時点で4年後の進路を見定めている学生は必ずしも多くありません。入学者は各学科の「フレックス・コース」か「フレックスPlus1・コース」に所属します。そして、私の所属する商業・貿易学科であれば、マーケティング入門・流通論・貿易論などを必修として履修することになります。とはいえ、必修以外の科目選択の自由度は高く、特に4年間の学びの集大成である卒論をまとめる3~4年の専門演習では、例えば金融学科の学生がマーケティングで卒論を書くなど、学科の枠を超えた学びができます。商学の“学際性”の反映ともいえますが、その分、学生の主体性が問われます。

 さらに、「フリーメジャー(学科自由選択)・コース」という、学部一括募集で、1年次は各学科に所属しつつ、2年進級時に改めて所属学科を選択できるコースを設けるなど(2018年から募集枠を73名から113名に拡大)、進路変更が可能な学び方も提供しています。


公認会計士を多数輩出しています。その理由は?

 一方、明確な将来の志望をもって入学してくる学生もいます。本学部では資格取得などを希望する学生のニーズに応えるため、専門分野のより実践的な学習に力点を置いた「プログラム科目」を設けています。フレックスPlus1・コースの学生は、同科目を優先的に履修できます。中でも目玉となるのは、職業会計人の資格取得を目的とした「アカウンタント・プログラム」です。

 本学部は、多数の公認会計士を輩出してきた伝統があります。学部レベルでの取り組みに加え、「経理研究所」という大学が運営する公認会計士試験合格のための機関が、キャンパス内に設置されているからです。講師全員が本学出身の現役公認会計士であり、学習をきめ細かくサポートするWEB個別指導を導入しています。さらに、個人用学習スペースを約300席も備える「炎の塔」で学習に集中できる恵まれた環境が、資格系専門学校の半額以下の受講料で提供されています。

 その結果、2016年度の公認会計士試験では96名が合格し、全国の大学で2位、現役合格率も45.6%と高い割合を誇っています。このうち、商学部出身が65名を占め、しかも3年連続で1年生での合格者を出しています。


近年、最も力を入れている取り組みは何ですか?

 最も注力しているのは、受動的な学びから主体的な学びへの転換につながる、キャリア教育の充実です。

 例えば、1年次から、企業から提示された課題に対し、グループワークで改善案を策定する「ビジネス・プロジェクト講座」や、2年次のインターンシップ実習へ向けた「インターンシップ入門」を開講。また、2年次以降の「ビジネス・チャレンジ演習・実習」では、Jリーグを目指すサッカークラブの経営や、障害者スポーツ(アンプティサッカー)の大会運営に挑戦するプログラムも新設しました。さらに、経済界・産業界を中心に社会の最前線に立つ実務家による、実社会疑似体験型の授業も数多く開講しています。

 グローバル教育の面では、2018年度から、各ゼミナールで自主的に行ってきた国外実態調査を「グローバル・フィールド・スタディーズ(GFS)」として単位化します。さまざまな国や地域、あるいは異なる企業や組織の経営や実践から学ぶ機会を増やせるよう、改善を進めているところです。

 これらの主体的な学びを通して、構想力、コミュニケーション能力、リーダーシップなどを身に付けるとともに、自立した職業人としての将来設計を考える一助となることが期待されます。


どのような人材に育ってほしいですか?

 本学部では、実践的な優れた専門能力に加え、広く豊かな学識を備えるよう、充実した総合教育を展開しています。さまざまな分野で多様な価値判断を求められる21世紀の社会で活躍し、よりよい社会づくりに貢献できる人材の養成を目指しているからです。

 知識が急速に陳腐化するこれからの社会では、知識の習得より“構想力”が重要になってきます。そして、構想力を育むには、問題意識や知的好奇心を持ち、生涯にわたって学び続ける姿勢が何より大切なのです。また、商学という学問では、江戸時代に活躍した近江商人の「三方よし(売り手良し、買い手良し、世間良し)」の考え方も大切です。グローバル化と多様化が進展する現代社会において、さまざまな利害関係者の立場で考える視座は、商取引や事業構築において信頼のネットワークを結ぶ上で欠かせません。

 私たち教員は、最先端の研究を進めつつ、それを教育に還元することに注力しています。本学部で学びたいという強い目的意識、向上心に燃える皆さんの入学を心待ちにしています。

この記事で取り上げた大学

蛍雪時代

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