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≪夏にレベルアップ!≫【数学】各分野の核となる典型問題を軸に、入試の基礎固め!

  • [13科目別]夏の超レベルアップ↑学習術
  • 昭和女子大学現代教育研究所 佐々木 隆宏 先生

夏休み40日は受験の天王山といわれる。
今やるべきこと、今やらないと後悔することをしっかり見極め、この夏克服すべき最重要課題を洗い出そう。
ここでは各科目についてレベルアップ学習術の詳細を解説する。
入試で最大成果を上げるための夏休み学習計画のポイントも示したので是非参考にしてほしい。

夏にここまでレベルアップ!

 夏休みは、各単元の入試頻出の典型問題10~20題を丁寧に学習して、完璧に習得することが最重要の目標となる。網羅性を気にして多くの問題に取り組むのは、消化不良を起こすのでやめよう。また、ミスをしない計算力を身につけることも目標の一つ。夏休み中に計算力を身につけた受験生は、2学期から勉強がより進めやすくなり、実力が伸びやすい。逆に、計算力がついていないと、2学期以降の学習が空回りしがちなので注意しよう。


夏の最重要課題はこれ!

Level up 1
毎日15分の計算練習をする・・・・《時間配分 20 %》

計算は毎日少しずつ、練習することがポイント

使用アイテム:教科書&教科書傍用問題集

 夏休みは毎日15分の計算練習を行い、計算力を養おう。計算力のない受験生は、自己流の間違った計算規則を作ったり、複数の計算を一度に行おうとしがち。さらに、問題集の解答は計算結果だけに注目し、計算過程は確認しないので、効率の悪い間違った計算規則をいつまでも使い続けてしまうのだ。そこで、1題解くごとに自分の計算と解答を比較しよう。特に三角関数・指数・対数では計算規則が多く、計算方法により計算量に差が生じやすいので、効率のよい計算を常に確認する必要がある。また、数列の和は公式の種類は少ないが、式が長い傾向にあり、意外と時間がかかる。長い式に慣れるためには、初めはゆっくりと大きく丁寧に書きながら計算し、反復学習時に徐々に式を小さく素早く書いたり、いくつかの計算過程を一度に同時に行うなどして、書く量を減らしていこう。


Level up 2
各単元の典型問題を、丁寧に攻略する・・・・《時間配分 50 %》

入試の核となる典型問題を、じっくりと学習して力を養う

使用アイテム:典型問題を集めた問題集

 各単元とも10~20題程度の典型問題を掲載している問題集を使って、入試数学の核となる部分の学習をしよう。その際に大切なことは、「自力で解く」⇒「解説を読んで解法・知識を学ぶ」⇒「解き方を自分自身に説明する」という流れで学習すること。特に自分自身への説明が重要だ。「問題を後から解き直して解ければ復習は完了!」というのでは不十分である。自己説明して、最後までもれなく説明できた段階で復習完了としよう。また、問題集は自分に合ったレベルのものを選ぶこと。書店で内容を見て「7割程度は解けそう」と思える問題集から選ぼう。実際に使ってみると解ける割合は低くなるので、この程度がちょうどよい。「5割は解けそう」というものだと実際に解ける割合はもっと低いので、行き詰まってばかりで解答を読むだけになり、実力がつきにくい。


Level up 3
学習テーマを5つ選んで特訓・・・・《時間配分 30 %》

易しい問題から始めて、無理なくレベルアップする

使用アイテム:所有している全問題集など

 まず、学習テーマを5つ決めよう。その際は「確率」や「数列」といった単元ではなく、「条件付き確率」や「漸化式」などのように、さらに絞ったテーマを選ぶこと。例えば、「漸化式」を選んだら、次にやることは教科書、教科書傍用問題集、問題集をすべて用意し、漸化式の問題を集めることだ。そして、一番易しそうな問題から順に解いていく。易しい問題から徐々にレベルを上げていくことで、無理なく着実に実力を高めることができる。夏休みのうち30日間を5等分して「6日間で1テーマ」という目標を立てて特訓しよう。1テーマに6日間を確保することで、各問題を反復して練習することができる(残り10日でさらに反復)。繰り返すことで理解が深まり、解法技術も定着しやすい。夏休みに特訓のコツをつかめば、2学期以降も同様の方法で自力でレベルアップできる。


さらにレベルアップしたい人は?

証明問題に取り組んで“論証力”を向上させよう

 入試数学も難度が高くなると「論証」が重要になってくる。もともと数学の問題は論理を大切にしなければならないが、証明問題ではその側面がさらに強くなる。したがって、証明問題に取り組めば論証力を向上させることができ、それが数学の実力強化に直結するのだ。過去に受けた模擬試験で証明問題が出題されていれば、それを利用するとよい。模擬試験の解説は証明の方針が丁寧に書かれていることが多いので、理解しやすいからだ。証明問題の宝庫である整数問題はもちろんのこと、分野を限定せずに証明問題には積極的に取り組んでほしい。


プランニングのポイントはここ!

1 「1日に○○題ずつ解く」などと細かく計画しない
2 具体的な学習計画は1週間ごとに立てる
3 「スパイラル(反復)学習」で知識と技能を定着させる

夏は「30日学習+10日復習」のスパイラル学習がベスト!

 「1日○○題ずつ解く」と計画を立てても、時間のかかる1題に出くわすたびに計画は少しずつ遅れてゆき、せっかく立てた計画も破綻してしまうもの。長期計画を細かく立てると、どうしても現実とのズレが大きくなるので、長期計画では大枠だけ決めておき、具体的な計画は6日ごとに立てるようにしよう。このようにプランニングすれば、無理なく学習を微調整することができる。また、夏休みの最後の10日間は、前の30日で学習した内容の復習に充て、夏休みに学習した内容を確実に定着させることを重視しよう。


夏の学習の“疑問&悩み”Q&A

【Question】 夏休みはセンター対策を、どうするべきですか?

 マーク式の問題をいくら解いても、数学そのものの力はつきにくい。まずは上に述べたように30日間で数学本来の力を高め、その後の10 日間の復習期間に、センター試験の過去問を1年分だけ解いてレベルと分量を知っておくとよい。その際、特に「データの分析」や論理は、素早く答えを選択する必要があることを実感してほしい。

【Answer】 数学そのものの力の養成を、優先することが何より大事

【Question】 数学Ⅲの対策は、どうするべきですか?

 数学Ⅲは、極限・微分・積分の計算、特に部分積分や置換積分を毎日15分の計算練習に取り入れよう。また、テーマ別演習には、微分法の応用、積分法の応用(面積や体積など)を取り入れるのがオススメだ。数学Ⅲの学習では、三角関数・指数・対数や数列などの他分野の知識を多く用いるので、それらの分野の知識の確認も同時にできる。

【Answer】 積分計算と典型問題を軸に、学習するのが効果的


この記事は「螢雪時代(2017年8月号)」より転載いたしました。

講師紹介

佐々木 隆宏先生

予備校講師として授業や参考書の執筆を行うとともに、生涯学習の視座から数学学習に関する研究を行う。現在、東京理科大学大学院博士課程に在籍して自らも学び続けている。学術論文のほか、著書に『佐々木隆宏のデータの分析が面白いほどわかる本」(KADOKAWA)など。

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