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夏に苦手を解消!【世界史】歴史の流れを理解する学習を 優先し、暗記は後回しにしよう

  • 難関大攻略に欠かせない![13科目別]苦手解消!絶対ルール
  • 『螢雪時代』アドバイザー/岩田 一彦先生

難関大合格には、科目、分野、単元、解き方などに関わるウィークポイントの早期発見と克服が不可欠。
そして、1学期後半から夏休み終了までに苦手を解消できるか否かが、秋以降の成績向上に直結する。
多くの受験生が苦手とする分野を得点源に変えることが出来れば、受験本番で有利になることは間違いない。


歴史の流れを理解する学習を優先し、暗記は後回しにしよう

暗記に偏らず、世界史の全体像をつかむ

 受験を意識すると、ともかく多くの用語を覚えたいと思いがちだが、歴史の流れが理解できていない暗記偏重の勉強は、消化不良を起こす危険性がある。また学習を先延ばしにした分野を放置したままにすると次の学習が行き詰まって苦手意識が増幅される要因にもなる。夏休み前のこの時期は、暗記は後回しにして、古代から現代まで、教科書を推理小説を読む感覚で通読し、世界史の全体像をつかむことを最優先させよう。歴史の空白は解消できる。全体像がつかめたら、時代順に学習し直し、それぞれの時代・地域の歴史の流れと出来事の因果関係を考える学習に徹すること。オリジナルノートにまとめる際、関連する「いつ・どこ・だれ」を操り返し確認すれば、年代・用語はスムーズに記憶でき、苦手意識も払拭できる。


症状別
苦手解消ストラテジー

症状
教科書の太字を中心に歴史用語は覚えたはずなのに、次から次に忘れてしまい、思い出せない

 学校の定期考査は一夜漬けの暗記で乗り切れるが、入試対策では覚えるべき用語が大変多く、長期の受験勉強の間に次々に忘れてしまい、問題を演習しても誤答が目立つ。

原因

 歴史の流れや因果関係を軽視して、機械的な暗記に偏りすぎた勉強法から抜け切れていない

解消法

 記憶の仕方や記憶を保持する工夫が必要だ。まず記憶の仕方について、教科書の太字を脈絡もなく暗記する機械的記憶は、時間が経つと薄れてしまうので、入試対策の勉強法としては効果はない。そこで、歴史の流れと歴史事象の因果関係を考えながら図式化し、関連する「いつ・どこ・だれ」を書き添えてまとめる学習法を優先しよう。すなわち、頭脳を働かせた思考と目や手を使った記録によって記憶は残る。しかし、記憶は使わないと消えてしまうので、保持する必要がある。1つの時代や分野について、教科書やオリジナルノートで復習して記憶を呼び覚まし、問題演習を繰り返していけば、記憶は確実に保持され、定着する。


症状
授業で勉強しなかった単元や、学習を後回しにした分野を放置したままにしている

 「先史の世界」など学習が手つかずの単元やあまりにもややこしいので学習を後回しにした分野をそのまま放置しているので、基本的な理解も知識も完全に欠落している。

原因

 興味のわかない分野や複雑すぎて理解不能な分野を敬遠したため、空白の時代が残っている

解消法

 特に「先史の世界」の単元が十分に学習されていないことが多いようだ。しかし、入試問題の対象となる限り、それなりの対策は欠かすことができない。また歴史の流れが漠然としている南アジアや9~13世紀のイスラーム世界など、民族・王朝が目まぐるしく替わって理解するのに苦労する分野のほか、教科書の「コラム」「テーマ別まとめ」などの学習も先送りされることが多いので、ここの学習量は絶対的に不足してしまう。世界史の全体像をつかんでおきたいこの時期こそ、空白状態の時代や分野は教科書と用語集を併用し、多くの時間を割いて意欲的に取り組み、早期に不安を解消してしまいたいものである。


症状
文化史は覚えてもすぐ忘れるので、入試直前の学習で間に合わせたいと思っている

 学校の授業では、文化史について多くの時間を割くことは稀で、教科書も本文の説明は比較的少なく、図表にまとめられていることも多いので、内容が理解できていない。

原因

 学校の授業でも文化史は手薄だったし、人名と業績の暗記だけで十分だと思い込んでいる

解消法

 文化史は、入試直前の勉強では間に合わない恐れもあるので、この時期に中国とヨーロッパの文化は完了しておこう。時代別・ジャンル別(宗教,学問・思想,芸術,文学,科学・技術など)に、代表的人物と業績を単語カードなどにカラーペンを使い分けて書き出し、空いた時間を使って繰り返し覚えていこう。また「司馬遷」と「史記」を覚えていても、「紀伝体」とか「太古から前漢の武帝までの通史」という内容も出題されるので、それぞれの内容を用語集などで補完することがポイント。また、教科書や図説類に掲載されている写真をしっかり鑑賞し、説明文を熟読してその特色と内容をきちんと理解しておきたい。


症状
周辺地域は、王朝や民族、宗教などがゴチャゴチャして歴史の流れが理解できない

 東南アジアや朝鮮、東欧、中央アジア、アフリカなど民族や文化、宗教なども複雑な周辺地域の歴史は、タテのつながりに欠け、ヨコの地域との関係も理解しにくい。

原因

 教科書では、時代ごとに記述されていることが多く、連続性に欠けて流れがわかりにくい

解消法

 周辺地域に関する教科書の記述箇所を国・地域別にピックアップして略年表を作成しよう。たとえば、東南アジアのジャワは、「古マタラム王国・シャイレンドラ朝→シュリーヴィジャヤ→クディリ朝→シンガサリ朝→マジャバヒト王国→マタラム王国・バンテン王国→オランダの進出と植民地支配→独立運動→独立後」と時代順に整理し、各時代の政治の動向や社会・文化・宗教の特徴をまとめると、タテのつながりと時代の変化を系統的に理解できる。またインドやイスラームなど主要な地域・国や隣接地域とのヨコの関連も押さえることができる。略年表を使ったまとめは、難関大の各国史・地域史対策としても有効だ。


この勉強法はNG!

× 苦手意識の克服を新しい教材で行う
新しい教材は構成の違いで戸惑うことが多い。使い慣れた教材を完璧に仕上げるのが得策

× 得意分野は時間短縮で対応する
得意分野は高得点の源。たっぷり時間をかけて学習し、実戦力に磨きをかけたい

× 論述対策を先送りにする
論述問題の考え方、文章表現力は短期間では身につかない。早めのスタートがベスト

この記事は「螢雪時代(2017年7月号)」より転載いたしました。

蛍雪時代

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