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夏に苦手を解消!【国語】理系は早期に国語を完成。文系は徹底的に知識を覚える。

  • 難関大攻略に欠かせない![13科目別]苦手解消!絶対ルール
  • 板野 博行先生

やらなきゃと思っていても、つい後回しにしてしまう…。
そんな苦手科目や分野は、受験生なら誰にでもあるもの。
これは見方を変えると、苦手を早期に克服すれば、ライバルたちに差をつけられるということでもある。
今回は、受験指導のプロが苦手解消法を徹底伝授。段階的かつ実践的なアドバイスで、難関大合格へと導こう!


理系は早期に国語を完成。文系は徹底的に知識を覚える

 国語が苦手な場合、文系・理系それぞれで対処法が異なります。まず注意喚起しておきたいのが、国語をつい後回しにしがちな理系の受験生。秋以降に理系科目に集中するためにも、苦手な人はとくに、国語を早期に仕上げておくことを強くおすすめします。一度仕上げておくと、その後ブランクがあっても、直前期に少しやれば容易に元のレベルに戻すことができます。基礎知識は完璧をめざさず、ある程度網羅できたらセンター試験の過去問に取り組み、演習を通して力をつけていきましょう。
 一方、文系の受験生は、まずは土台となる基礎知識をインプットすることに専念してください。国語が苦手な人は覚えることを敬遠しがちですが、現代文の語彙、古典文法や単語、漢文の語句や句法などを体系的に覚えていきましょう。演習に着手するのは、理系とは違い、基礎が完成してからです。中途半端な状態で演習に入ってしまうと、センター試験8割の壁を越えることができません。
 理系も文系も、センター国語で惨敗し、志望校を変更せざるを得なくなった受験生を数多く見てきました。苦手だからこそ早めに着手して、全体の底上げをめざしましょう。


今日からスタート!
苦手解消ステップ

文系

ステップ1

基礎知識をインプット! 問題演習には入らない

 まずはしっかりと基礎を固めることに集中。国語の勉強の7~8割は、現代文の語彙、古典文法や単語、漢文の語句や句法などの知識のインプットに充てよう。この段階では問題演習には入らず、アウトプットは模試のみでOKだ。

ステップ2


過去問を何度も解き、復習重視の学習をする

 基礎が完成したら、総合力をつける問題演習に入ろう。時期的には10月~11月頃が目安だ。問題にはセンター試験の過去問を使用(現代文は10~15年分、古文・漢文は28年分)。解くことよりも復習に重点を置き、文中の因果関係や対比関係などを細かく読み込み、選択肢の正誤の根拠を明確にし、問題を分析していく。同じ問題を何度も解き直し、徹底的に攻略していこう。

ステップ3


弱点を補強しつつ、たくさん・速く解く

 過去問演習のなかで見えてきた弱点を補強しつつ、入試問題をたくさん・速く解く練習を積む。さまざまな問題に当たるなかで、難解な問題、つまり、捨ててもいい問題を見極める力もつけていく。

理系

ステップ1

最終到達点を決め、夏休み終了時の目標を設定

 センター国語は理系受験生の失敗要因になりやすい。まずは、センター試験の合計目標点から国語の目標点を割り出そう。難関国公立大を志望するなら、国語でも7割取得(140点)をめざしたい。秋以降は理系科目に集中することを考慮し、夏休み終了時までにその得点に到達することを目標にしよう。

ステップ2


理系こそ早く仕上げる! 問題演習のなかで実力を養成

 国語を先に仕上げるのが理系の鉄則。夏休み終了時までは、全体の勉強量の2割程度を国語に充てることを目安にし、センター試験対策を進めよう。基本となる知識を覚えつつ過去問演習も行い、問題を解くなかで力をつけていくといい。夏休み中に過去問10年分をやるつもりで取り組もう。

ステップ3


秋は国語の勉強から離れ、理系科目に集中する

 夏休み終了時までにセンター試験の目標点が取れるくらいまで仕上げたら、国語の勉強から離れても構わない。知識重視の古文・漢文は一度完成させると力が落ちにくく、現代文は勉強しないと一時的に下がるものの試験直前の2~3週間で元のレベルまで戻すことができる。

ステップ4

センター試験直前期に過去問演習で取り戻す

 できればセンター試験の1か月前から、遅くとも2週間前には直前対策に入る。夏までにやったことを総復習しつつ過去問を解き、解答順序や時間戦略も確認。この時期の勉強量は、全体の1割程度が目安だ。

症状別
苦手解消ストラテジー

症状
長い評論文を読むのが苦手
現代文、とくに評論文の長い問題文は読むのが苦痛で、スムーズに読み進められない。

原因
現代文の語彙力が不足している

解消法
現代文の語彙の参考書と、漢字の問題集を1冊ずつ仕上げる

 古文や漢文とは違い、現代文は言語としては読めてしまうので、問題文を読むとなんとなくわかったつもりになってしまう。しかし実際は、問題文自体を正確に読めていない受験生が非常に多い。その主な原因が、語彙力不足だ。古文に比べて現代文の語彙の学習はおざなりにしがちだが、現代文用の語彙の参考書を1冊仕上げよう。さらに、漢字の参考書や問題集も1冊やると、現代文の問題に頻出の「語句の言い換え」に対応できるようになる。
 国語力はすべての科目の基本であり、国語力がなければ設問の意味や意図を読み取ることもできない。国語の成績が伸びると他の科目も伸びやすくなるのは事実だ。学力全体を底上げするためにも、国語が苦手な人は今すぐ語彙力増強から着手しよう。



症状
センター模試ではいつも時間が足りなくなる
現代文に時間がかかりすぎ、最後の漢文が時間切れで終わってしまう。

原因
「現代文を速く読み解く」という発想になっている

解消法
古文・漢文の知識を固めて解答時間を短縮し、現代文に充てる時間を確保する

 「現代文に時間がかかる=速読・速解すべき」という発想は捨てよう。なぜなら、文章を読むスピードは短期間では上がらないのだ。また、センター試験の現代文は、時間さえかければ解ける問題になっている。つまり、速く読んだり解いたりするのではなく、「現代文に充てられる時間を生み出すべき」と考えよう。
 では、どうするか。現代文以外の古文・漢文の読解時間を短縮すればいいのだ。センター試験の古文・漢文は、知識があればあるだけ速く正確に読み解ける問題になっている。くり返しになるが、まずは知識をしっかりとインプットすることが大切。古文・漢文の成績アップと時間短縮、現代文の得点アップと、「一石三鳥」の成果が期待できる。「漢文⇒古文⇒現代文」の順で解答するのもコツ。ぜひ実践してみよう。



症状
暗記が苦手で古文単語が覚えられない
古文単語がなかなか覚えられず、単語帳は途中で挫折。とくに多義語が苦手で覚え切れない。

原因
最初からすべてを完璧に覚えようとしている

解消法
1語につき覚える意味は1つだけ。覚えた単語も含めてすべてをくり返す

 大前提として、単語は何度もくり返さなくては覚えられない。もちろん、覚え方にもコツがある。まずは、最初からすべての意味を覚えようとしないこと。単語帳やアプリの1周目では、1語に対して最初に書かれた1つの意味だけを覚えよう。まず押さえるべきは、最重要かつ最頻出の意味なのだ。多義語の2つ目、3つ目の意味は、2周目、3周目で覚えればいい。最初から完璧をめざすと、最後まで行かずに力尽きてしまいかねない。
 また、覚えた単語も含めてすべて反復することも重要だ。よく、覚えていないものだけをくり返す受験生がいるが、それでは不十分。覚えた単語はパッと見て反射的に意味がわかるので、時間もかからない。そして、このスピード感が、問題演習の際にも生きてくるのだ。


症状
古文や漢文の文章が頭に入ってこない
古文や漢文は読むのに時間がかかり、読んだ内容もすぐに抜けてしまう。

原因
目で文字を追っているだけで理解していない

解消法
口に出して耳から入れる音読で、古文・漢文を言語として学ぶ

 古文や漢文は、英語と同じ 語学と捉えよう。なんとなく読めるが読み進めると最初の方の内容が抜けている…というのは、英語でも古文・漢文でも共通の症状だ。目で文字を追っているだけで理解していないと、こうなってしまう。
 英語学習で音読をするように、古文・漢文の学習でも音読はとても効果が高い。自宅で勉強する際には、ぜひ声に出して読んでみよう。「スムーズに読めない部分=理解が浅い部分」なので弱点の発見にも役立つし、読むスピードも上がる。また、電車や自習室など声を出せない場所でもつぶやくようにしていると、そのうち目で文字を追いながら頭で音声化ができるようになる。言語は本来、話したり聴いたりするもの。「口に出した音が耳から入る」という音読学習は、理にかなった学習法なのだ。

この勉強法はNG!

× わからない問題も粘り強く考える
わからないまま延々と考えていると、「できない」という感覚が染みつきネガティブ思考に陥ってしまう。ある程度考えてわからない問題は、スパッと切り替えて解答を見よう。

× 単語帳は最初から完璧に覚える
最初から完璧をめざすと、息が切れてしまい最後まで辿り着かない。ざっとでいいのでひと通り全体に目を通すことが大切。2周目、3周目と反復することで深めていこう。

× 勉強時間を決めて、学習計画を立てる
勉強量は時間ではなく中身の濃さでカウントするもの。時間の目安は必要だが、あくまでも「何をどれだけやるのか」を優先し、時間に縛られすぎないようにしよう。

この記事は「螢雪時代(2017年7月号)」より転載いたしました。

著者プロフィール
板野博行先生

板野 博行先生

東進ハイスクール、東進衛星予備校国語講師。
受験研究所『アルスファクトリー』代表。京都大学文学部国文科卒。『古文単語ゴロゴ』(スタディカンパニー)は受験生から圧倒的な支持を受けるベストセラー。近著に、『勉強の鬼原則』(大和書房)がある。

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