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夏に苦手を解消!【数学】苦手分野を洗い出し、夏休みに徹底特訓!

  • 難関大攻略に欠かせない![13科目別]苦手解消!絶対ルール
  • 志田 晶先生

やらなきゃと思っていても、つい後回しにしてしまう…。
そんな苦手科目や分野は、受験生なら誰にでもあるもの。
これは見方を変えると、苦手を早期に克服すれば、ライバルたちに差をつけられるということでもある。
今回は、受験指導のプロが苦手解消法を徹底伝授。段階的かつ実践的なアドバイスで、難関大合格へと導こう!


苦手分野を洗い出し、夏休みに徹底特訓!

 夏休みまでは基礎を固める時期です。2学期からは本格的な2次試験対策を始めることになりますが、基礎ができていないと解いた問題の数学的意味がつかめず、解法も定着しません。数学Ⅰ・A、Ⅱ・Bについては、標準的な参考書の基本例題の解法がすぐ思い浮かぶレベル、数学Ⅲについては、教科書傍用問題集の問題がひと通り解けるレベルになっておくことが、夏休みが終わるまでの目標となります。センター試験についても、同時期までに自分の目標点の8割程度は取れるようにしておきたいところです。
 基礎固めと並行して、夏休み前までに自分の苦手な分野を2つほど洗い出し、夏休みにその分野を特訓しましょう。まとまった時間がとりやすく計画的に勉強ができる夏休みは、苦手分野を補強できる数少ない機会です。1つの分野に5日間くらい集中して取り組み、弱点を徹底的に克服してしまいましょう。
 また、数学全体が苦手だという人は、夏休み前に自分が数学に苦手意識を感じた最初の分野まで戻ってみてください。例えそれが中学の範囲だったとしても、臆することなくその分野からやり直してみましょう。それが苦手解消のきっかけになる可能性は大です。


今日からスタート!
苦手解消ステップ

ステップ1

特定の分野や形式が苦手な人

模試の結果を参考に、苦手分野を2つに絞り込む

 まずは自分の苦手分野を洗い出そう。苦手分野がすぐに思い浮かばない人は、模試の結果を見直し、弱い部分をノートに列挙してみるといい。ベクトルや複素数平面が弱い場合、数学Ⅱの軌跡や数学Aの図形の性質が原因のこともある。分野同士のつながりも考えながら、自分が根本的に弱い分野を2つほど絞り込もう。

数学全体が苦手な人

数Ⅰ・A、Ⅱ・Bの全分野を3つに分けて、底上げを図る

 数学Ⅰ・A、Ⅱ・Bの全分野を3つに分けてみよう。数学Ⅰ・A、Ⅱ、Bと教科書で分けてもいいし、図形(図形と計量、図形の性質、図形と方程式、ベクトル)、代数、解析のように内容で分けてもいい。そして、それぞれについて、ステップ2~5の学習をやろう(3回に分けてやる)。なお、理系の数学Ⅲは後回しでいい。

ステップ2


証明を読み、公式が成り立つ仕組みを理解する

 2分野に絞ったら、まずは教科書の復習から始めよう。数学では「なぜそうなるのか?⇒わかった!」というプロセスの積み重ねが大事。教科書に載っている公式の証明を読み、仕組みを理解しよう。証明自体は覚えておく必要はなく、理解したら忘れてもいい。

ステップ3


典型的な例題で、公式を使ってみる

 苦手2分野の公式の証明にひと通り目を通したら、それぞれの公式のもっとも典型的な例題で実際に公式を使ってみよう。ここまでは、1学期中のなるべく早い時期に終わらせておきたい。

ステップ4

基本例題を解き、体系的な流れをつかむ

 次に、教科書と参考書の基本例題を解こう。各章の巻末問題は後回しでいい。まずは、解答を読んで(書いてみるとなおよい)、なぜそうなるのか理解すること。その際、体系的な流れを意識することも忘れずに。

ステップ5

答案復元練習で、解答を覚える

 基本例題の解答を理解したら、白紙に自分で解答を書いて復元する「解答復元練習」を重ね、典型的な解法を覚えてしまおう。大事なのは、暗記力に頼らず、自分で論理的に考えながら復元していくこと。これも、夏休み前には終えておきたい。

ステップ6

問題集を2、3冊使い、集中的に勉強する

 例題を見て瞬時に解答が浮かぶレベルまで来たら、問題集を解いてみよう。5割くらいは解けそうな予感がする問題集を2、3冊選び、併用するといい。どの問題集にも出てくる問題は重要なので、一方の解答を理解したうえで他方に取り組んでみよう。

症状別
苦手解消ストラテジー

症状
たくさんある公式を覚えきれない
公式を覚えようと単語帳形式でまとめているが、似たような公式がたくさんあり覚え切れない。

原因
公式を理解することなく丸暗記しようとしている

解消法
使用頻度の高い公式は使いながら覚え、低い公式は導出できるようにしておく

 教科書の公式を単語帳形式で丸暗記している人がいるが、それではまったく意味がない。公式は無理やり覚えるものではなく、理解して使っているうちに覚えるもの。使用頻度の高いものは自然と覚えるし、使用頻度の低いものは暗記するのではなく導出できるようにしておくべきだ。
 まずは、教科書に載っている公式の証明を読み込み、公式が成り立つ仕組みを理解しよう。頭で理解できたら、その公式を使う問題にとにかくたくさん当たること。使う頻度が高い公式は、使っているうちに自然と身についていくはずだ。一方、三角関数の三倍角の公式など使う頻度の低い公式は、自分で導出できるように練習しておこう。これも、数学の重要なトレーニングだ。



症状
とにかく計算ミスが多く、正答できない
解法は思いつくものの、途中で計算ミスをしてしまい迷走し、正答に結びつかないことが多い。

原因
暗算力が不足し、チェックポイントで検算できていない

解消法
書かずに計算する暗算力と、区切りで検算する習慣をつける

 計算ミスに悩む受験生は非常に多い。基本的には計算力は数学力と相関があるため、根本にある数学力を上げる必要があるが、意識すればミスを減らすことができる。
 まず、暗算力をつけること。そのためには、書く分量を減らす練習をするといい。例えば、普段10行で計算しているところを、意識して1行分だけ暗算して9行にしてみよう。これは時間がカギになるセンター試験対策としても有効なので、ぜひ試してみてほしい。
 また、検算の習慣をつけることも効果的だ。問題には、何箇所か検算すべきところ、つまり、「ここまではミスしていない」というのを確認すべきポイントがある。問題を解く際は、一気に最後まで解くのではなく、区切りのいいところで検算をする習慣をつけよう。



症状
初見の問題が苦手で、お手上げ状態…
見たことのない問題に当たると、どこからどうアプローチすればいいかわからず困惑する。

原因
問題文の読解力分析力の不足

解消法
問題文が意味することを分析し、粘り強く試行錯誤をくり返す

 初見の問題が解けないケースの多くは、問題文が分析できていないことによる。例えば、問題文にAと書いてあり、これはBと同値で、さらにCと同値、ということはDを意味するからDすればいい…などといった分析をする必要がある。学校や塾の授業などで先生が問題の解答に入る前にやっている解説がこれにあたるので、問題文分析の参考にしてみよう。
 また、初見の問題に関しては、普段よりも時間をかけて粘り強く考えることも必要だ。一見、思いもよらない解答というのも、それだけをひらめいたものではなく、さまざまな方向からアプローチした結果の1つにすぎない。見たことがないからとすぐにあきらめてしまうのではなく、いろいろと試行錯誤をしてみよう。解けない時間こそが大切なのだ。


症状
数式を使って解く図形問題が苦手
「図形と方程式」をはじめ、図形・グラフと数式の関係性を読み取る分野が苦手…。

原因
「図形的性質⇔数式」の翻訳能力の不足

解消法
公式が意味することを理解し、数式の読み換え練習を重ねる

 数学Aの「図形の性質」を除き、「ベクトル」、「複素数平面」、「図形と方程式」の各分野では、図形の問題とはいえ図形的処理をしないで解く。これらの分野は、図形的性質を数式に翻訳し、数式処理で別の数式に変形し、その数式の持つ図形的意味を読み取ることで答えを得る。したがって、図形的性質の数式への読み換えや、逆に数式の図形的性質への読み換えの練習がもっとも効果的な対策となる。
 教科書に載っているさまざまな公式は、初歩レベルの図形的性質と数式の対応である。例えば、「内積の値が0」という数式は、「2つのベクトルが垂直である」という図形的性質に対応する。公式をただ覚えるだけでなく、このような対応を1つずつ確認・理解しながら覚えていこう。

この勉強法はNG!

× わからない問題は、すぐに答えを見る
参考書の基本例題についてはすぐに解答を読んでもよいが、演習問題についてはNG。考える力をつけるためにも、5分から10分は自力でじっくり考えてみよう。

× 出たことがない分野は、勉強しなくていい
難関大になればなるほど、見たことのない設定の問題が出題される可能性が高く、分析力や判断力をつけなければ対応できない。全分野を万遍なく勉強し、思考の訓練を行おう。

× わからない問題はすべて学校や塾の先生に聞く
数学は考える力を養成する科目。自己解決するよう努め、どうしてもわからないところだけ質問するようにしよう。不明点が多いなら、問題集のレベルが不相応な可能性もある。

この記事は「螢雪時代(2017年7月号)」より転載いたしました。

著者プロフィール
志田先生

志田 晶先生

東進ハイスクール、東進衛星予備校数学講師。
名古屋大学理学部数学科から同大大学院へ進学。院生時代に予備校の教壇に立って以来、幅広い学力層より圧倒的な支持を得ている。『改訂版 センター試験数学Ⅰ・Aの点数が面白いほどとれる本』(中経出版)など著書多数。

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