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夏に苦手を解消!【英語】苦手克服は、弱点の特定と基礎知識量で決まる!

  • 難関大攻略に欠かせない![13科目別]苦手解消!絶対ルール
  • 大岩 秀樹先生

やらなきゃと思っていても、つい後回しにしてしまう…。
そんな苦手科目や分野は、受験生なら誰にでもあるもの。
これは見方を変えると、苦手を早期に克服すれば、ライバルたちに差をつけられるということでもある。
今回は、受験指導のプロが苦手解消法を徹底伝授。段階的かつ実践的なアドバイスで、難関大合格へと導こう!


苦手克服は、弱点の特定と基礎知識量で決まる!

 苦手科目・分野の克服の目安は、センター試験レベルの問題で確実に7割を超える力をつけることです。そして、6月中旬から夏休みにかけては、そうした力をつける最後のチャンスです。センター試験レベルの語彙力完成基礎文法の理解と例文暗唱300~500語程度の長文演習などをバランスよく行い、英語力全般の土台作りを目標にしましょう。
 英語全体が漠然と苦手な人は、センター試験の第2問Aを3年分解くことから始めましょう。誤答した問題は単語・熟語・文法のどの分野からの出題なのか、文法であればどの事項からの出題なのかが明確になり、効率よく弱点が特定できます。一方、ある分野や形式が苦手な場合は、反復演習で必ず克服できます。何の力を問うための出題なのかを意識し、徹底的に何度もくり返しましょう。
 夏休み後は過去問や志望校レベルの演習が中心となりますが、仮に苦手が克服できていなくても、基礎知識があり苦手分野が把握できていれば、短期間での改善が望めます。一方、基礎知識が不足した状態で先へ進むと、「何がわからないかがわからない」という状態に陥り伸び悩んでしまうので、十分に注意してください。

今日からスタート!
苦手解消ステップ

ステップ1

過去問を使い、今の自分に足りない力を分析する

 まずは自分の弱点を大きな視点で把握するため、センター試験の過去問を1年分解いてみよう。各大問では次のような力が問われていると考えられる。第1問「発音・アクセント」、第2問「一文完成力」、第3問「文章完成力」、第4問「情報処理能力」、第5問「物語文読解力」、第6問「説明文読解力」。とくに誤答が多い大問や苦手意識を強く感じた大問で求められる力こそが、自分の苦手な部分だと認識しておこう。なお、これは苦手分野を分析するためのものなので、点数や制限時間は気にしなくていい。

ステップ2


第2問が苦手な場合

誤答の原因は知識不足。徹底的にインプットする

 一文完成力、すなわち単語・熟語・文法のいずれかの知識不足が誤答の原因。誤答した問題が単語・熟語問題であれば語彙の完成、文法問題であれば何の文法項目かを把握し、その知識を得ることに注力しよう。

第3問以降が苦手な場合

英文のテーマや展開を、押さえるトレーニング

 まずは第3問を中心とした学習で、英文のテーマや流れを押さえるトレーニングをしよう。文章のテーマや展開を常に意識し、一文ごとの和訳ではなく文全体の流れを把握する読み方を心がけよう。

ステップ3


第2問が苦手な場合

正答率が7割を超えたら、単語・熟語中心にシフト

 第2問の正答率が7割以上に安定してきたら、文法の必須事項は定着してきたと考えられる。語彙力を増強してさらに得点率を上げることが次の目標になるので、単語・熟語を中心とした学習スタイルへと切り替えよう。語彙学習の際には発音やアクセントも意識し、必ず音源を使用して効率よく英語力を増強しよう。

第3問以降が苦手な場合

第3問の視点を基本に、第4~6問に応用する

 第3問の正答率が上がってきたら、第4問以降へと意識を広げていく。第4問では英文から読み取った情報をグラフなどに書き込みながら読む練習をしよう。第5問では登場人物の感情変化や行動の原因といった因果関係に注目して場面のつながりを意識し、第6問は第3問B・Cの長文版という視点で読み解こう。

ステップ4

復習と音源を用いた学習で、さらに英語力を伸ばす

 何度も解いた問題でも月に1度は解き直し、正しいプロセスで読解できているかを確認しよう。さらに英語力を伸ばすためには、常にCDなどの音源を活用すること。長文問題を解くだけの学習よりも、音源を用いながら音読したり書いたりする方が長文読解力が向上する、という検証結果も出ている。急がばまわれの精神で、地に足の着いた英語力を身につけていこう。

症状別
苦手解消ストラテジー

症状
単語や熟語が覚えられず、すぐに忘れてしまう
暗記が苦手。反復学習が大事だと思い、くり返し単語帳を見ているが、なかなか覚えられない。

原因
反復不足と単調な学習から来る「慣れ」による集中力不足

解消法
数回で覚えられるという幻想は破棄!多面的なアプローチで記憶を強化する

 まず、前提として、単語や熟語は数回くり返した程度では覚えられない。記憶は反復するなかで定着するため、覚えられなかったり、すぐに忘れてしまったりする場合は、反復回数を増やす必要がある。
 ただし、反復方法には注意が必要だ。同じ方法での反復では慣れが生じ、思うような成果が得られないこともある。見る・(CDなどの音源を)聴く・音読する・書く・例文ごと暗唱するなど、さまざまな方法を取り入れ、慣れが生じない工夫が必要だ。また、単語カードを導入する場合にも注意が必要だ。単語カードでの暗記は有効な手段の一つだが、作成作業に時間がかかりすぎるという欠点がある。先輩から譲り受けるなどして、勉強の前段階の作業に時間を取られないよう気をつけてほしい。



症状
模試になると、文法問題が解けない
文法問題集の項目別の問題は解けるが、模試の総合問題ではどの文法を使えばいいかわからず解けない。

原因
文法を使う「位置」が身についていない

解消法
名詞・動詞・形容詞・副詞のうち、どの働きをする文法なのかを理解する

 この症状は、文法規則や意味だけでなく、「どの位置で使う文法なのか」まで理解することで改善できる。文法で学ぶ事項は、基本的には名詞・動詞・形容詞・副詞のいずれかに類する働きをする。例えば、動名詞は名詞の働き、分詞や関係代名詞は形容詞の働きをする。従って、文法を学習する際は、今自分が学んでいる文法事項がどの働きをするのかまで押さえる必要があるのだ。
 例えば、主語・目的語・補語・前置詞の後の位置に置くことができるのは名詞なので、その位置で文法が問われた場合は、名詞の働きをする文法を使用すればよいことがわかる。働きを把握することで、その文法の使いどころがわかるようになり、総合問題などにも対処できるようになる。



症状
長文を読むのが遅く、模試ではいつも時間切れ…
長文を正確に読もうとすると時間がかかってしまい、模試では制限時間内に読み解けない。

原因
重要ではない部分も熟読してしまっている

解消法
「重要情報」はじっくりと、「サポート情報」はざっくりと読む

 英語の長文には、筆者の意見や主張、テーマを述べた「重要情報」と、その重要情報が正しいことを読者に納得してもらうための具体例や研究結果などの「サポート情報」がある。長文を速く正確に読むためには、メリハリが重要。最後まで同じ速度で読み進めるのではなく、重要情報はじっくりと、サポート情報はある程度流しながら読むトレーニングを積もう。
 実際は、読む速度の問題ではなく、解答速度が遅いために時間が不足するケースも少なくないので、解答を導くプロセスも反復演習しておきたい。また、1フレーズずつ日本語に訳さなければ理解できないという状態の人は、文法学習の際に基本例文を徹底的に反復音読し、まずは基本的な文であれば英語のままで理解できる状態をめざそう。


症状
長めのリスニング問題が聴き取れない
単語やフレーズ、短文レベルでは聴き取れても、少し長い文章になると急についていけなくなる。

原因
音声教材を用いたトレーニングの不足

解消法
「音声を聴いて音読」を徹底的に反復! 正しい音を知り、スピードに慣れる

 リスニング問題が聴き取れない原因の多くは、CDなどの音源を活用したトレーニングの不足だ。とくに長い文になると聴き取れなくなるのは、耳と脳が音声の速度に対応しきれていないことが原因。参考書や問題集はCD教材などがついたものを使い、長文読解演習の後でも必ず音源を聴き直し、音読学習を心がけよう。
 間違った音で覚えていることが原因で、正しい音や自然な音のつながりが聴き取れていない可能性もある。音源を活用しない学習を続けていると、単語を間違った音で覚えてしまい、音のつながりも認識できなくなってしまう。最初はスクリプト(英文が書かれた原稿)を見ながらでいいので、音声を聴きつつ自分でも音読し、正しい音をインプットすることからスタートしよう。

この勉強法はNG!

× さまざまな問題集を手当たり次第に解く
基礎力養成期間は、問題集は多くても2~3冊に絞り、反復学習を心がけよう。手を出しすぎると、解答の視点が定まらずに類題への応用力がつきにくく、解答速度も遅くなる。

× 基礎力未完成のまま 志望校の過去問を解く
過去問には複合的な知識が求められるため、何がわからないかさえ不明のまま終わりかねない。有意義な過去問演習にするためには、自己解決できる基礎力の完成が必須だ。

× CDなどの音源を活用しないで学習する
語学学習には「正しい音とスピード」が不可欠。音源を用いることで、発音・アクセントやリスニング問題への対応力だけでなく、適切な速度で英文を読む力も向上する。

この記事は「螢雪時代(2017年7月号)」より転載いたしました。

著者プロフィール
大岩ヒデキ先生

大岩秀樹先生

東進ハイスクール、東進衛星予備校英語講師。「本物の基礎力」にこだわった授業は、英語アレルギーの生徒から難関大学受験者まで幅広い層から支持を集めている。『高校 とってもやさしい英文法』『みんなのセンター教科書 英語』( いずれも旺文社)など著書多数。

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