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夏までの基礎固め【数学】学習法:基本問題の反復練習で、確かな計算力と論理力を養う

  • 主要[13科目別]入試に勝つ!インプット学習法
  • 灘中学校・高等学校/谷 直樹先生

1学期半ばから後半へと続くこの時期、難関大志望者にとって何より大切なことは、夏休み以降の得点力UPに向けた学力の土台をしっかり固めることに他ならない。
そのためにはインプット学習に注力し、“憶えるチカラ”を最大限に発揮することだ。
ここでは、志望校合格に直結するインプット学習の重要点と、記憶を定着させる学習アイテムの選び方、そして陥りがちな伸び悩み克服などを主軸に紹介する。
主要科目の特性を踏まえた、実戦的アドバイスに耳を傾けてほしい。

インプット学習、ココがポイント

・定義・定理・公式などの基本事項を徹底して学習する
・頻出問題の反復練習で解法を身につける
・間違った問題は間違った理由を記録しておく

継続こそ力なので、論理的思考力を日常的に鍛える

 数学の思考力は一朝一夕には身につかないので、毎日休むことなく問題を解き、数学的思考をする時間を確保することが重要である。たとえ時間がない日でも「必ず○題は解く」といった習慣をつけよう。
 まずは、基本事項の徹底である。教科書レベルの定理や公式は問題演習を通して使い方と一緒に覚えてしまおう。次に、頻出問題を解き、解答のプロセスや公式の使われ方などを見抜く力を身につけよう。解答を丸覚えしてしまうのではなく、何度も繰り返し演習することで、自分の言葉で答案が作れるようになろう。また、間違った問題はただ解き直すのではなく、必ず間違った理由を確認し記録すること。まとめていくうちに、自分がよく犯してしまう計算ミスのパターンや勘違いに陥りがちな分野が見えてくるはずだ。その点に注意して解くだけでも、計算の精度とスピードは格段に上がる。
 今の時期、土台となる計算力と論理力をどれだけ鍛えられるかで、夏以降の過去問演習での成果が変わってくる。

記憶を定着させる+α勉強法

定理や公式は、証明の確認も必ず行う

 定理や公式をまとめて確認するには、教科書の巻末や公式集に載っている一覧表などが便利である。しかし、覚える際には必ず証明も併せて確認してほしい。証明を理解することで公式を忘れたときや記憶があやふやなときに思い出すきっかけになるし、証明に必要な条件がすなわち公式を用いる前提条件となるので、細かな条件などが自然と頭に入ってくる。定理はただ問題を解くための道具ではなく、それ自体が数学的に重要な問題である。労をいとわず証明に取り組んでほしい。

インプット学習に欠かせない記憶アイテム

●教科書と授業用ノート
使うコツ: 定理や公式など、基本事項の総復習をする

 基本事項を総復習するには使い慣れた教科書を用いるのが一番。授業用ノートと併用して、授業を思い出しながら苦手な分野や抜け落ちている公式をチェックしよう。その際、問題演習を通して使い方も含めて覚えよう。

●薄手の標準入試問題集
使うコツ: 入試頻出問題で基本事項を、使いこなす訓練をする

 いくつかの公式が融合した入試頻出問題を繰り返し解くことで、公式がどのように融合されているのか見抜く力を養おう。やみくもに解法を覚えるのではなく、解答のプロセスを体系的に理解できるまで反復練習をしよう。

●薄手の分野別入試問題集
使うコツ: 苦手な単元の基本事項を確認する

 苦手な単元の対策には、薄手の分野別入試問題集がお勧め。典型的な入試問題に取り組むことで、その単元に必要な基本事項が確認できる。「基本事項の使いこなし」と「全体像を把握する」ことで苦手意識を払拭しよう。

●間違い直し専用ノート
使うコツ: 自分がよくするケアレスミスを、繰り返さない工夫をする

 自分が解いて間違った問題は、間違った理由も確認し、専用のノートに記録する習慣をつけよう。自分がよくする計算ミスやよく陥る勘違いが見えてくるはずだ。入試直前期に見直せば、最適な参考書になる。

まずは教科書レベルの公式を、使いこなせるようにする

 難関大の問題でも、一つひとつ紐解いていけば大体4つ、5つの基本事項の組み合わせで解くことができる。受験生はとかく鮮やかな解法に目が向きがちだが、特別な場合にしか使えないテクニックは必要ない。教科書レベルの公式を使いこなすことで十分に対応できるし、それが応用力につながる。まずは、教科書に載っている公式や基本事項を習得することが最も大切。その際、ただ公式を暗記するだけでは意味がない。必ず使い方も含めて身につけること。公式1つで解けるような典型の問題を選び、解答の流れの中でその公式を覚えよう。
 頻出問題の演習には、問題が100~200題程度収録されている標準的な入試問題集をお勧めしたい。あれもこれもと多くの問題にあたるのではなく、1冊の問題集をマスターしよう。わからなかった問題は、解答を見て納得できたとしても、その問題が解けるようになったわけではない。何度も解き直し、自分の言葉で最後まで答案を書き切れるようになろう。

インプット中の悩み、Q&A

 いろいろな問題集が出ているようですが、自分はどのような問題集を使えばよいかわかりません。


 毎日使うものなので自分が「使いやすい!」と思えることが一番大事。周りの評判ではなく、実際に自分の目で見比べて、問題の難易度や解説の量など自分に合った1冊を選ぼう。難易度は、初見で解ける問題が半分ぐらいあるものが望ましい。自分ではわかっているつもり、解けているつもりの問題も、解説を見ると言葉遣いや場合分けの仕方で不確かな点や甘い箇所が発見できることが多いので、完璧な答案が書けるようになるまで何度も解き直そう。

 公式さえ覚えればなんとかなると思って、苦労して暗記したんですが、使い方がよくわかりません。


 せっかく覚えた公式も使えなければ意味がありません。定義や定理、公式といった基本事項は、典型的な問題とセットで使い方も含めて覚えること。その際、ただ丸覚えするのではなく、どんな情報が揃えばこの公式が使えるか、どんな情報がこの公式から導かれるか体系的に整理して覚えるようにしよう。また、実際の入試問題ではどのように公式が使われているのか、自分の目で確認・検討することでより一層使い方の理解につながるはずです。

この記事は「螢雪時代(2017年6月号)」より転載いたしました。

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