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センター試験【政治・経済】 出題傾向分析&“2018年”攻略対策

  • [主要19科目]センター試験 出題傾向分析&“2018年”攻略対策!
  • 河合塾/栂 明宏 先生

センター試験の対策について考えるのはまだ早いと思っている受験生は考えを改めたほうがいい。
国公立大志願者にも私立大受験を想定している人にも、個別試験や大学独自入試に勝るとも劣らない位置を占めるセンター試験。
センター対策の成功・不成功が志望校の合否に直結するのだ。
2017年のセンター試験で特徴的だった科目別出題傾向の分析と、2018年に向けた対策及び攻略への重要ポイントを解説する。
さあ、高得点獲得へ向けた取り組みに今すぐ着手しよう。

易化傾向にあるものの
きめ細かな知識が試されている

2017年センター試験出題分析

 大問数4・設問数34と、いずれも2016年と同様であり、時間的な余裕は十分にあったろう。また、2010年以降50点台にとどまっていた平均点は63.0点となり、この数年の間でも難易度は低かったと見ることができる。だからといって、「とくに勉強をしなくても得点できる」というわけでは決してない。たしかに、設問の多くは基本的な知識を正確に習得しているかを試すものであった。しかし、ざっくりし過ぎたあやふやな知識では判断できない設問や、「政経」受験生が見落としがちな歴史的な知識を必要とする設問も多く見られた。適切な対策を講じてきたかどうかが、高得点を確保できたかどうかの分岐点になっていることは間違いない。

2018年センター攻略重要ポイント&対策法

重要ポイント
正しい知識の習得度を
シンプルに試す設問が出題の中心

対策
基本知識をきめ細かく正確に
チェックしていくことが大前提

 設問の多くは短文正誤問題であるが、各選択肢は長くても2行とシンプルなものであり、制度・理論や現状についての知識習得度をストレートに試そうとする傾向が見て取れる。たとえば「日本では、直接金融から間接金融への移行が進んでいる」という選択肢は、反対に間接金融から直接金融に移行しているという事実を押さえているかどうかを試しているわけである。したがって、正確な知識のインプットが何より大前提だ。センター試験対策では、教科書レベルを大きく超える知識までは不要だが、だからといって「ざっくりしすぎた」中途半端な知識では、かえって判断に迷うような設問も少なくない。きめ細かく正確に、基本知識をマスターしていこう。

重要ポイント
細かな知識の必要な選択肢が
部分的に登場する例もある

対策
「正解を見出す」という観点での
問題演習を積むことが大切である

 部分的にだが、センター試験レベルとしてはかなり難しい知識が扱われる例があった。たとえば、日本銀行が「政府全額出資の企業」かどうかの判断は、相当に細かい知識が必要となる。だが、試験では正解を確定することが求められている。この設問では「企業による芸術や文化への支援活動をメセナという」という選択肢があり、これは基本知識から正文だとすぐに判断すべきものであり、先の選択肢が分からなくても、「正しいものはこれだ」として得点できる。もちろん、正しい知識習得には正文・誤文にかかわらず一つ一つの選択肢を検討して学習していくことがとても有効だが、それとともに、「どう正解を見抜くか」を意識した演習も大切だ。

重要ポイント
歴史や年代についての知識を
前提とする設問が目立っている

対策
歴史的な背景や経緯に目配りし
年代についての知識を蓄積する

 表やグラフが掲げられ、それを読み取る問題が複数出題されたが、歴史の知識が必要となるタイプのものがあった。たとえば「アメリカ発の世界金融危機の後、国富は過去最高額に達した」という選択肢があった。後半の「国富の額」は設問中に掲げられたグラフを見れば知識がなくても判断できるのだが、「世界金融危機」がいつの出来事なのかを知らないと、そのグラフの「どこ」を見ればよいのかわからないという問題の組み立てであった。この他、欧州統合に関わる出来事を時代順に並べるという趣旨の設問もあった。ここ数年、歴史的事実に関する年代の知識が試される設問は目立つ傾向にあるので、こうした知識についても十分に目配りしておこう。


大問別平均点

*「大問別平均点」は旺文社の集計による数値

第1問

'16年 近代国家の変容平均点17.0点/配点28.0点
'17年 日本における民法の制定とその変遷平均点20.2点/配点28.0点

 政治・経済の両面にわたる総合問題。問1では、受験生が見落としがちな法律の種類区分が扱われた。各国議会の議場の特徴を扱った問4は、政治分野の基本知識をもとにすることで判断可能。問7の図表問題は、歴史の知識を前提とする読み取り問題であった。

第2問

'16年 環境問題と経済活動平均点15.4点/配点24.0点
'17年 発展途上国と先進国との関係平均点17.5点/配点24.0点

 国際分野のみならず、政治分野・経済分野も扱われている。部分的には難しい選択肢もあるが、基本知識で正解を見抜ける設問が多く、得点率は全大問中で最も高かった。問2の図表問題は、日米独など各国の経済状況についての知識を前提とした読み取り問題。

第3問

'16年 民族問題と人権平均点16.6点/配点24.0点
'17年 民主政治の成立と変遷平均点16.7点/配点24.0点

 政治分野を中心とした大問で、設問そのものの難度は高いものではない。問1の「アラブの春」は時事的な設問。問3の自由権についての設問では、憲法の規定とともに最高裁の判例が扱われた。問6の図表問題は、日本政治史の知識が読み取りの前提として必要。

第4問

'16年 市場の役割と政府の役割平均点14.5点/配点24.0点
'17年 国際経済や地域経済における貨幣のあり方 平均点14.4点/配点24.0点

 経済分野を中心とする設問構成。家計の金融資産構成や「ニッチ産業」など、受験生の見落としがちな知識が扱われている設問も見られ、得点率は全大問中で最も低かった。問6は、欧州統合の歴史の知識が問われた。問7の需要供給曲線は定番の出題パターン。


センター試験新傾向

・歴史・年代の知識を必要とする設問がより目立つようになった

・基本知識の正確な理解を試す設問が中心という傾向は従来通り

・「正解を見抜く」という観点で解答することが高得点確保のカギ

この記事は「螢雪時代(2017年5月号)」より転載いたしました。

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