page_top

センター試験【倫理】 出題傾向分析&“2018年”攻略対策

  • [主要19科目]センター試験 出題傾向分析&“2018年”攻略対策!
  • 河合塾/中川 雅博 先生

センター試験の対策について考えるのはまだ早いと思っている受験生は考えを改めたほうがいい。
国公立大志願者にも私立大受験を想定している人にも、個別試験や大学独自入試に勝るとも劣らない位置を占めるセンター試験。
センター対策の成功・不成功が志望校の合否に直結するのだ。
2017年のセンター試験で特徴的だった科目別出題傾向の分析と、2018年に向けた対策及び攻略への重要ポイントを解説する。
さあ、高得点獲得へ向けた取り組みに今すぐ着手しよう。

意欲的な出題もあるが
確かな学力があれば正答できる

2017年センター試験出題分析

 2016年同様、大問は4題でマーク数は37。出題テーマや出題形式に大きな変化はなかった。2017年も昨年に続き最高点が100点とはならず、平均点も過去最低となった昨年の51.8点より上昇したものの54.7点にとどまった。これは、正答率が低くなりがちな7択問題や8択の本文読解問題がなくなり、統計資料読解問題がやや取り組みやすいものになった一方で、基本的なことや見慣れた人物について問うているかに見える問題であっても、細かい知識や正確な知識が必要になる選択肢があったり、受験生には馴染みの薄い難解な現代思想が出題されたりしたためであろう。全体的には2016年とほぼ変わらない出題レベルであった。

2018年センター攻略重要ポイント&対策法

重要ポイント
些末な論点で眩惑し、判断を
迷わせる選択肢が増えている

対策
教科書を主軸に基本的な用語を
理解し、その範囲内で解答に臨む

 たとえば、2017年の問題に道元の教えの正誤を問う選択肢があったが、公案について詳述している教科書はなく、「道元は公案を顧みない」などという間違った知識も流布しており(道元は『正法眼蔵』においてさまざまな公案を検討している)、正誤の判断に迷った受験生も多かっただろう。このように近年は教科書掲載の頻度が低い論点も選択肢に記述されるため、どこまで覚えればよいか悩ましい。しかし、この短文は修証一等の教えに照らし、悟りを目的とした修行を道元が勧めているとしている点で間違っている。このように、センター試験の設問の正誤は、どの教科書にも必ずある記述から判断できるのだと安心し、教科書を精読して思想の理解を深めよう。

重要ポイント
見落としがちな思想家や難解な
現代西洋の哲学者が出題される

対策
目新しいものに囚われず、
基本的な人物や思想の深い理解を

 倫理は網羅的に出題されるものの、近年はたとえば第1問や第4問でホーリズムや共同体主義、ポストモダニズムなどのわかりやすいとは言えない現代思想、第2問や第3問でプロティノスや伊波普猷、荷田春満の学問方法などの受験生が見落としがちな人物や話題が取り上げられる。受験生の目はこうしたものに奪われ不必要に焦りがちだが、これらに2割以上の配点がなされることはない。また、基本的な思想が理解できていないうちに難解な人物や思想の用語を暗記しても得点できない。それゆえ、夏休みまでは基本的な人物や思想に関する設問を正答し、確実に8割得点できることを学習の目標にしよう。難解な人物や思想は、その後に対策すればよい。

重要ポイント
本文・資料文・統計資料の読解
問題が全体の4分の1を占める

対策
過去問演習や模試を通じて出題の
形式や解答のポイントをつかむ

 ほぼ毎年、本文読解問題と資料文読解問題が各大問で各1題、さらに、第1問で統計資料読解問題が1題出題され、配点も全体の4分の1を占める。これらは事前に対策を立てにくいが、だからといって何もしないと、本番において正答できたとしても不必要に時間を取られてしまい、総点が低くなってしまう。これらの読解問題に関しては、過去問演習や年間を通じて受ける模試を利用して出題の形式を検討し、どこが解答する際のポイントになるかを見い出す眼力を養って解答時間を短縮する方法を身につけよう。なお、ここ最近の第3問(日本思想)の資料文読解問題は、古文が出題されている。やや難しい古文であってもひるまず読解できる能力を高めておこう。


大問別平均点

*「大問別平均点」は旺文社の集計による数値

第1問

'16年 現代社会の諸課題と青年期平均点15.3点/配点28.0点
'17年 現代社会の諸問題と青年期平均点16.3点/配点28.0点

 「芸術作品と現代のテクノロジー」をテーマとした会話文をもとに、現代社会における倫理的課題をめぐる設問を中心とした出題。倫理は真や善をめぐる出題が中心だが、美をめぐる問3のような出題も学習範囲内である。芸術や芸道に対する造詣も深めておこう。

第2問

'16年 源流思想平均点13.3点/配点24.0点
'17年 源流思想平均点15.0点/配点24.0点

 「現実社会と生の模索」をテーマに、東西の源流思想が問われた。プラトンやアリストテレスを正面から問う問題がなく、プロティノスやパルメニデスなど見逃しがちな人物が出題されており、やや難しい。イスラーム思想は毎年出題されるから確実に押さえておこう。

第3問

'16年 日本思想平均点12.2点/配点24.0点
'17年 日本思想平均15.0点点/配点24.0点

 「日本における外来思想の受容と展開」をテーマに、古代から現代までの日本思想が幅広く出題された。馴染みの薄い伊波普猷や九鬼周造を取り上げている問8よりも、4人の国学者を取り上げた問6のほうが難問。基本思想の明確かつ正確な理解が求められている。

第4問

'16年 西洋思想平均点14.8点/配点24.0点
'17年 西洋思想平均点14.4点/配点24.0点

 「自然と人間をめぐる知の探究」をテーマに、第1問のモンテーニュや第2問のデカルトを問う設問は比較的取り組みやすかっただろう。しかし、現象学者に関する問8のように、近年は意識的に現代の哲学者を出題しようとするので、本番までには対策しておきたい。


センター試験新傾向

・現代の思想家や出題歴のない人物であっても意欲的に出題される

・選択肢が教科書に詳述されていない論点を含む長文となっている

・組合せ問題は基本的に8択なので解答するのに消去法が使えない

この記事は「螢雪時代(2017年5月号)」より転載いたしました。

螢雪時代 【定期購読】のご案内

国公立大&難関私立大合格!のために読む雑誌

年間10か月以上(2018年3月号までの範囲で継続)定期購読される方が対象です。
「5月号(発売中)から2月号まで」あるいは「6月号(5/13発売)から3月号まで」のどちらでも、お申込みいただけます。ぜひ、ご利用を!

科目別アドバイス 記事一覧