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センター試験【世界史B】 出題傾向分析&“2018年”攻略対策

  • [主要19科目]センター試験 出題傾向分析&“2018年”攻略対策!
  • 『蛍雪時代』アドバイザー/岩田 一彦 先生

センター試験の対策について考えるのはまだ早いと思っている受験生は考えを改めたほうがいい。
国公立大志願者にも私立大受験を想定している人にも、個別試験や大学独自入試に勝るとも劣らない位置を占めるセンター試験。
センター対策の成功・不成功が志望校の合否に直結するのだ。
2017年のセンター試験で特徴的だった科目別出題傾向の分析と、2018年に向けた対策及び攻略への重要ポイントを解説する。
さあ、高得点獲得へ向けた取り組みに今すぐ着手しよう。

文化史減少&社会・経済史増加、
グラフの読み取り問題が定着化 !

2017年センター試験出題分析

 大問構成4問と設問数36問で変更はなかった。出題形式は4択の正誤判定が2016年並みの20問であったが、地図を使用した問題が倍増(2問→4問)した。昨年注目されたグラフを読み取る問題が2017年も出題され、また日本国憲法や治安維持法など日本に関連する事項を含む設問もあり、ともに定着化が予想される。年表完成や6択の年代整序問題は昨年同様に出題されたが、語句選択は出題されなかった。分野では政治史が主流だが、文化史が減少し、社会・経済史が増加した。時代的には現代史の割合が増加し、地域では東アジア関連が減少して東欧やアフリカに関する出題が増えた。地域・時代ともバランスよく出題され、難易も昨年並みであった。

2018年センター攻略重要ポイント&対策法

重要ポイント
時代・地域ともに幅広く扱う
文章正誤判定が主流である

対策
歴史の流れと因果関係を考え、
時期は「世紀」単位で押さえる

 出題形式の主流は4択やa・b2文の文章正誤問題がほぼ7割を占めている。センター試験対策の基本は、教科書を丁寧に読んで、歴史の流れと出来事の因果関係をしっかり理解し、流れに沿って「いつ、どこ、だれ、なに」を具体的に押さえる学習に徹することである。その際、「いつ」に関しては6択の年代整序や年表完成の問題が定着傾向にあるので、覚える年代は基本的なものに限定し、出来事の起こった時期を世紀の「前半・半ば・後半」に分けて押さえておこう。ただし、年表完成問題は主に現代史が多く、2017年には1994年に勃発した「チェチェン紛争」が出題された。20世紀は「下2ケタ」の年代に留意し、歴史事象の因果関係を押さえてほしい。

重要ポイント
社会・経済の分野と周辺地域の
歴史を扱った出題が増える

対策
政治の流れに沿って、各時代の
社会・経済の特徴を理解する

 2017年は「貨幣や貨幣制度」「木材や鉄」など、社会・経済からの出題が増加した。この傾向は2018年も続くだろうから、それぞれの時代や国(地域)の政治の流れに沿って社会・経済の推移・変化や制度の内容をしっかり押さえよう。教科書の「コラム」や図説類の「テーマ別まとめ」を活用すれば、国(地域)ごとの社会制度や経済活動の変化や他地域との相違などを具体的に理解できるので効果的だ。また2017年は東南アジアやアフリカなど周辺地域に関する出題が注目された。周辺地域は教科書の記述が分散しているので、それぞれの地域を時代順にピックアップして略年表を作るとよい。王朝の興亡や社会経済の変化、文化の特徴が歴史の流れに沿って理解できる。

重要ポイント
地図を用いた組み合わせ問題が定着。
図版併用の出題にも警戒する

対策
地理的名称はその位置を地図上で
必ず確認し、図版は特徴をつかむ

 ここ数年、地図を使った問題はほぼ2問であったが、2017年は4問に倍増し、「ヴェネツィア」「インカ帝国」「チャンパー」など、都市や地域・国の名称とその位置を組み合わせた問題が出題された。日頃から、都市や地域の位置や国・王朝の領域、人やモノの移動、文化や宗教の伝播などについて、地図上で河川・半島などを手がかりに位置や経路を確認する学習を心がけよう。また2017年も補助資料として5葉の図版が使われたが、かつて写真資料からストレートに図版名を問う問題や図版の歴史的内容を組み合わせた問題も出題されている。口絵も含めて教科書に掲載されている美術・建築・遺跡などの写真は、解説文にも気を配ってその特徴を押さえておきたい。


大問別平均点

*「大問別平均点」は旺文社の集計による数値

第1問

'16年 世界史上の宮廷や宮廷文化平均点18.6点/配点25.0点
'17年 世界史上のマイノリティ(少数派)平均点17.2点/配点25.0点

 Aはエジプトのコプト教徒、Bはインドのムスリム、Cはロシアのドイツ人がテーマで、時代・地域とも幅広く扱われた。問8の1890~1940年の英・独・露(ソ連)の銑鉄生産量の推移を示したグラフを読み取る問題や問9のチェチェン紛争の勃発した時期を年表完成で扱う問題はやや難問であった。

第2問

'16年 ユネスコに登録された世界遺産平均点18.4点/配点25.0点
'17年 世界史上の革命や政治体制の変化 平均点17.2点/配点25.0点

 Aはフランス革命期の憲法をテーマに、世界史上の憲法や共和政が幅広く扱われた。Bは古代ローマやロシア革命が問われ、地図問題でヴェネツィアが扱われた。Cは20世紀アジアでの革命と民主化がテーマで、問7のメキシコ革命に関する空欄補充の組み合わせ問題はやや難度が高い。

第3問

'16年 世界史上の戦争とその影響平均点17.3点/配点25.0点
'17年 国家が諸地域を統合するために採用した制度平均点18.4点/配点25.0点

 Aはアッバース朝の中央集権体制、Bは中国の南北間の経済的統合、Cは中世ヨーロッパから近代の軍制の変化がテーマで、世界史上の土地制度や徴税、思想統制、交流と対立、貨幣制度、傭兵や軍制など、時代・地域とも幅広く出題された。問2は日本の治安維持法が扱われたが、消去法で対応はできる。

第4問

'16年 世界史上の宗教と政治の関係平均点19.8点/配点25.0点
'17年 世界史における自然環境・資源と人間との関わり平均点19.1点/配点25.0点

 Aはアメリカ大陸産の銀をめぐる動き、Bはアジアの船舶交易の変化、Cは木材の利用がテーマ。地図問題が2問出題され、問5はチャンパーの国名とその位置が地図との組み合わせ問題で出題され、難度が高い。問4と問9ではヨーロッパと中国の自然科学や学問が扱われ、細かい内容も含まれていた。


センター試験新傾向

・時代・地域とともに幅広い分野を扱う出題傾向が高まった

・地図を使った問題やグラフを読み取る問題が定着化傾向にある

・古代から現代まで、日本の歴史や文化を扱った出題が増える

この記事は「螢雪時代(2017年5月号)」より転載いたしました。

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