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センター試験【地学】 出題傾向分析&“2018年”攻略対策

  • [主要19科目]センター試験 出題傾向分析&“2018年”攻略対策!
  • 河合塾/田中 理代 先生

センター試験の対策について考えるのはまだ早いと思っている受験生は考えを改めたほうがいい。
国公立大志願者にも私立大受験を想定している人にも、個別試験や大学独自入試に勝るとも劣らない位置を占めるセンター試験。
センター対策の成功・不成功が志望校の合否に直結するのだ。
2017年のセンター試験で特徴的だった科目別出題傾向の分析と、2018年に向けた対策及び攻略への重要ポイントを解説する。
さあ、高得点獲得へ向けた取り組みに今すぐ着手しよう。

地学現象の正確な理解を心がけ
教科書で図や公式を確認する

2017年センター試験出題分析

 2017年の総問題数は2016年までと変わらず30問であった。小問数と配点は大問ごとに異なり、2016年の本試・追試とも異なることから、大問ごとの配点は固定的なものではないと思われる。選択肢数は昨年よりさらに減少し、2問以外は4択であった。文の選択肢も減少し、内容も詳細な知識を問うものよりも基本的なものが多くなった。代わりに組み合わせの選択や単独の語の選択が増加した。これらの点からもわかるように、2017年の問題は易化し、他の科目の平均を大きく下回っていた2015・2016年と比較すると、平均点はかなり上昇した。また、受験生が2割強減と大幅に減少したことも平均点の上昇にいくらか影響があると思われる。

2018年センター攻略重要ポイント&対策法

重要ポイント
地学現象を示す図やグラフを
用いた問題が出題される

対策
教科書の図やグラフを確認して
地学現象を理解する

 2017年は、第1問のプレート境界の構造の模式図、重力加速度の緯度変化、第2問では大気成分濃度の時間変化のグラフ、示準化石のスケッチ、地質図、第3問では海面気圧分布、海面水の高度分布、第5問では海嶺下の鉛直模式図、磁力線の模式図、第6問では気温の高度分布のグラフが用いられていた。今年の図やグラフは比較的定番で、教科書などでも扱われているものであった。2018年も各大問で図やグラフを用いた出題が予想される。与えられた図やグラフのデータを考察するためには、地学現象の知識を用いる必要がある。それに対応できるように、教科書で図やグラフが示す地学現象の意味をしっかり確認して理解を深めておこう。

重要ポイント
探求活動や実験・実習を
題材にした問題が出題される

対策
教科書の実験や実習、
探求活動の流れを確認しておく

 教科書で探求活動や実験・実習として扱われている題材が考察問題や計算問題のテーマとして出題されている。2015年では、偏光顕微鏡を用いた観察事項に関する問題が本試でも追試でも出題された。小問の数は少なくなったが、必ず出題されるのは地質図を読む問題である。地質図は地学Ⅰの時代から定番の問題なので、センターの過去問を使っていろいろなパターンに対応できるよう演習しておこう。今後も、偏光顕微鏡観察を含めた岩石・鉱物の観察、大気や海洋の循環のモデル、惑星や恒星の観測などからの出題が予想される。実際に実験や実習を行うことはなかなか困難と思われるが、教科書でそれらの題材と地学現象とのかかわりを確認しておこう。

重要ポイント
天文や気象分野で公式を用いた
計算問題が出題される

対策
重要な公式を覚えるだけでなく
使いこなせるよう演習する

 2016年では長波の速度と水深の関係が問われ、シュテファン・ボルツマンの法則やウィーンの変位則を使って答える問題が出題された。2017年ではグラフを読み取り、リード文中のヒントを使って計算したり、アイソスタシーなどの定番の計算問題が出題された。法則や公式の意味を理解しておくことはもちろんであるが、覚えるだけでなく、使いこなせるようにしておきたい。必要な部分を見落とさないようにリード文を読み込むことも重要である。今後出題される可能性が高いのは、見かけの等級と絶対等級と距離の関係、ケプラーの法則、ハッブルの法則、重力や地磁気の計算などである。教科書の例題などを参考にしてしっかり演習しておこう。


大問別平均点

*「大問別平均点」は旺文社の集計による数値

第1問

'16年 固体地球平均点9.7点/配点27.0点
'17年 固体地球平均点12.6点/配点24.0点

 Aはプレート境界の移動方向を問う基本問題であった。Bの問3は横軸が南極から北極の180°になっていることに注意が必要であった。Cの問6は縦軸は放射性同位体の量が一般的であるが、本文から発熱量が同位体の量に比例することを読み込めれば容易に解ける。

第2問

'16年 地質と岩石平均点3.3点/配点17.0点
'17年 地質と岩石平均点10.8点/配点20.0点

 Aの図1の年代から、地質時代Xが石炭紀あたりであり、大森林はシダ植物で、それにより酸素が増加したことが推定される。Bの地質図の問題は小問1問のみであるが、走向・傾斜の記号から地域の断面の概略図を描くことで求められ、地形もやや複雑で難問であった。

第3問

'16年 大気と海洋平均点8.3点/配点27.0点
'17年 大気と海洋平均点8.4点/配点17.0点

 Aの問2は日本列島付近の季節ごとの気圧配置に注目し、冬は大陸に、夏は海洋に高気圧があることに気がつけば答えを導くことができる。Bは海面の等値線を等圧線や高層の気圧の等高線のように考え、同じ長さの線分としたときの海面の高度差を等値線から求めて比較するとよい。

第4問

'16年 地球と恒星平均点3.7点/配点17.0点
'17年 地球と恒星平均点13.2点/配点27.0点

 Aの問4では太陽からRの距離にあるすべての場所(→半径Rの球の表面積)で、t 秒間に受け取るエネルギーと考える。ここでは、式には使わない r が与えられているので、注意しなければならない。Bは銀河系と銀河に関する基本知識を問う問題。

第5問(選択)

'16年 地球の大気と鉱物平均点7.5点/配点12.0点
'17年 リソスフェアと磁気圏平均点5.0点/配点12.0点

 Aの問1は地点Aのリソスフェアの底面を均衡面としてアイソスタシーの式を作る。アイソスタシーが成立しているので、海嶺と地点Aのそれぞれにおける、密度×厚さの合計が等しくなる。Bの問4は磁力線の向きに気をつける。磁力線が入っているところが北極である。

第6問(選択)

'16年 宇宙平均点3.0点/配点12.0点
'17年 大気と海洋平均点6.0点/配点12.0点

 Aの問1の気温減率は、100mあたりではなく1㎞あたりを問うている点に注意が必要であった。問2では乾燥断熱減率1.0℃/100m(=10K/km)より小さければ安定、大きければ不安定である。Bは波に関する基本問題で、長波の特徴を押さえておく必要があった。


センター試験新傾向

・詳細な知識問題が減少し、広い範囲からまんべんなく出題された

・グラフや図を読んで答える考察問題や計算問題が出題された

・文の選択肢が減少して組み合わせの選択肢が増え広い知識が求められた

この記事は「螢雪時代(2017年5月号)」より転載いたしました。

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