page_top

センター試験【数学Ⅰ・A】 出題傾向分析&“2018年”攻略対策

  • [主要19科目]センター試験 出題傾向分析&“2018年”攻略対策!
  • 河合塾/大竹 真一 先生

センター試験の対策について考えるのはまだ早いと思っている受験生は考えを改めたほうがいい。
国公立大志願者にも私立大受験を想定している人にも、個別試験や大学独自入試に勝るとも劣らない位置を占めるセンター試験。
センター対策の成功・不成功が志望校の合否に直結するのだ。
2017年のセンター試験で特徴的だった科目別出題傾向の分析と、2018年に向けた対策及び攻略への重要ポイントを解説する。
さあ、高得点獲得へ向けた取り組みに今すぐ着手しよう。

発展的な内容まで出題され、
内容・形式ともに多様化する

2017年センター試験出題分析

 問題構成など大きな変化はなく、必答問題の配点もほぼ例年通りであった。難易度については、全体的に2016年よりも少し易しくなった。実際、平均点も2016年の55.3点から61.1点と増加している。しかし、個々の問題を見てみると、かなり難しい設問が出題されている。第1問の〔2〕の3つ目の問い、第4問の最後の問いなど、過半の受験生が解けないぐらいの難問である。
 選択問題の3題は、2017年はバラツキがあった。図形の性質は、比較的やりやすかったが、排反事象、和事象、条件付きなどを含む確率は、やや難しい設問があり、整数の性質は、十分な理解と思考を要する難問が含まれていた。

2018年センター攻略重要ポイント&対策法

重要ポイント
解答形式が多様化して
記述試験に近いレベルになった

対策
形式に慣れるだけでなく、
形式に伴う内容の変化に注意する

 センター試験はマーク式であるが、出題形式に多くの工夫がみられる。定番の「必要・十分条件を選ぶもの」のほか、「言葉で説明されたいくつかの事象から適切なものを選ぶ」「3つの命題の真偽に関して8通りの中から正しいものを選ぶ」など、多様な解答形式で記述試験に近いレベルの出題も可能となるからだ。形式の変化は内容の変化にまで影響する。これまでの数値を選ぶことが中心の出題とは違って、「~が」と「~だけが」など微妙な言葉づかいの違いにも注意しなければならない。さらに、数学記号の書き方、記号の意味など、厳密に知らないと対応できないものも出題されるかもしれない。内容を十分に読み取るという練習を経験しておこう。

重要ポイント
分野によっては教科書レベルを
超えるような出題が続く

対策
データの分析、整数、確率などの
分野で学習の幅を広げる

 「データの分析」で、変量X、Dに関して、与えられた計算式X=1.80×(D-125.0)+60.0で変換し、それぞれの分散や偏差、相関係数などの関係を問う出題があったが、標準的な受験生は3~4割程度の正解であったようだ。これは、教科書に書かれている問題ではなく、定義の式、公式などに対する深い理解が要求されるものであり、かなりの受験生ができなかったようである。実は、2016年も同じような出題があったにもかかわらず不出来だったのは、その対策を怠っていたのだろう。整数の「記数法」や確率の「条件付き確率」も同じような現象と言えるので、普段から幅広く丁寧な学習を心がけることが最善の対策になるのである。

重要ポイント
2分野に関わる融合問題や
深い内容理解を要する出題が増加

対策
2次試験などの記述式の対策や
日常的な勉強との関連を心がける

 「図形の性質」は選択問題、「図形と計量」は必答問題なので、これらは別々に出題されるというのが、これまでの傾向であった。しかし、2017年の第5問は、「図形の性質」の指定席であったにもかかわらず、「図形と計量」に含まれる三角比との融合問題となっていた。選択問題であっても、必答問題の分野は合わせて出題しても問題はないということなのだろう。単にこれは分野の問題だけではなく、融合することで、問題を作る際の幅が大きくなることに意味がある。つまり、より複雑な、あるいは典型ではない問題が出題しやすくなるということになり、その結果、2次試験並みの問題が出される可能性が高まることで、2次試験との垣根を低くする要因になりそうだ。


大問別平均点

*「大問別平均点」は旺文社の集計による数値

第1問

'16年〔1〕1次関数〔2〕集合と命題〔3〕不等式平均点19.0点/配点30.0点
'17年〔1〕数と式〔2〕集合と命題〔3〕2次関数平均点20.7点/配点30.0点

 〔1〕の数と式の問題で、教科書では「発展的な内容」となっている3次式の因数分解の公式a3+b3=(a+b)(b2-ab+b2)を用いる問題が出題された。しかし、多くの受験生は正解しているので、発展的な内容とはいえ、この程度の公式は常識なのだろう。〔2〕の集合と命題の(1)は必要・十分条件に関する典型的な問題で4つの問いのうち3つまでは易しいが、残りの問い(pまたは)には戸惑ったようだ。

第2問

'16年〔1〕図形と計量〔2〕データの分析〔3〕データの分析平均点18.6点/配点30.0点
'17年〔1〕図形と計量〔2〕データの分析平均点22.8点/配点30.0点

 〔1〕は余弦定理、正弦定理、三角形の面積に関する基本問題。〔2〕のデータの分析の(2)では、与えられた計算式で変量を変換した量について、分散や偏差、相関係数などの関係を問うもので、易しくはなかった。公式の意味まで深く理解しておくことが要求されている。

第3問

'16年 場合の数と確率/条件付き確率平均点13.9点/配点20.0点
'17年 場合の数と確率/事象、条件付き確率平均点11.4点/配点20.0点

 排反事象、和事象など、状況の把握と計算の仕方に慣れていないとやりづらい内容が含まれている。また、昨年に引き続き、条件付き確率が出題され、3つの条件付き確率の間の大小を問う、これまでに出されたことの無いような問題であった。

第4問(選択)

'16年 整数の性質/一次不定方程式、記数法平均点9.1点/配点20.0点
'17年 整数の性質/約数・倍数、記数法平均点9.6点/配点20.0点

 (1)・(2)は約数、倍数に関する問題であるが、誘導にうまく乗ることが必要である。(3)は約数の積の2進法で表すときの末尾の0の個数という、多くの受験生にとって見慣れない、いくらか厳しい問題だったことから、正解率は低かった。公式の十分な理解と思考を要する。

第5問(選択)

'16年 平面図形/円周角、面積、メネラウスの定理、相似平均点8.9点/配点20.0点
'17年 平面図形/方べきの定理、メネラウスの定理、内心平均点13.3点/配点20.0点

 平面図形において、方べきの定理、メネラウスの定理などのほか、数学Ⅰの「図形と計量」の分野の三角比の余弦定理も登場した。与えられた三角形ABCは、入試にはよく出題される鈍角三角形であり、図を丁寧に書くことがポイント。選択の3問で最も易しいだろう。


センター試験新傾向

・工夫された問い方、目新しい選択肢など出題の多様化が進んでいる

・教科書のレベルを超えるような発展的な内容も見られる

・分野の壁を超えた融合問題が見られ、記述式に近い出題内容もある

この記事は「螢雪時代(2017年5月号)」より転載いたしました。

蛍雪時代

螢雪時代・8月号

国公立大&難関私立大合格!のために読む雑誌

先輩合格者の「合格体験記」、ベテラン予備校講師の「科目別アドバイス」をはじめ、センター試験関連情報 や大学入試の分析&予想など、お役立ち情報満載の月刊誌。志望校・合格へあなたをサポートします。

「螢雪時代」のご案内は、こちら

科目別アドバイス 記事一覧

大学を比べる・決める

My クリップリスト

0大学 0学部 クリップ中