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脳の性質から考える 勉強を“ラク”にする吉田式10のメソッド/[Column]秋からの学習を支える“朝勉”のすすめ

  • 合格を勝ち取るメンタル力 《脳》脳の性質に合った勉強法で成績を伸ばす。脳を知る
  • [2014/9/1]
医学博士・本郷赤門前クリニック院長
吉田たかよし先生

勉強をするうえで必要なのは、たった2つだけ。
「始めること」、そして、「続けること」。
シンプルだけど難しいこの2つの行動を、“ラク”に行うための10のメソッドを紹介しよう。

《脳》脳の性質から考える 勉強を“ラク”にする吉田式10のメソッド

【1】すばやくエンジンをかけたい

朝一番や昼食後など、休憩モードの脳を勉強モードにすばやく切り替えるためには、脳のウォーミングアップが必要になる。脳の活性化に最適なのが、5分間の音読だ。目で見た文字を脳で処理して口に出し、その音声情報が耳から脳に入る、という一連の動きが脳を目覚めさせる。ポイントは、5分間で切り上げること。音読を要所で取り入れるのは効果的だが、黙読に比べて読むスピードが落ちるので、音読ばかりしていては効率が悪いのだ。なお、音読するときには、大きく、低めの音程で発音すると、自信が高まることが研究によりわかっている。

《勉強開始時には5分間音読する》


【2】勉強モードに入れない

勉強モードに切り替わらないときは、「5分間だけやる」と決めて、とりあえず勉強してみよう。脳には作業興奮という仕組みがあり、作業をしているうちにスイッチが入り、やる気が出てくるようになっている。勉強や家の手伝いなど、「やるのがおっくうだったけど、やってみたら意外とはかどった」というのは、よくあることだ。5分間やってみて、それでもまったくやる気が出ないときは、脳が疲れている証拠。そのまま無理に続けても効率が悪いので、思い切って勉強は切り上げたほうがいい。少し休んでから再トライしよう。

《まずは5分間だけ勉強してみる》


【3】やる気が持続しない

淡々と問題を解いたり何かを覚えたりしていると、脳はすぐに飽きてしまう。そんなときに効果的なのが、問題が解けたときにガッツポーズをすることだ。「よし!」「やった!」などと声を出すとよりいい。体の動きや音声を伴うことで、問題が解けた、という喜びが脳に強くインプットされる。ガッツポーズでなくても、自分の好きなポーズでOK。ただし、一度決めたら同じポーズをとる習慣をつけよう。そのうちに脳が覚え、そのポーズをとっただけで前向きな気分になる、というループができるのだ。

《問題が解けたらガッツポーズをする》


【4】自信がなくなってきた

何かに挑戦してそれをクリアする、という成功体験は、やる気や自信と密接な関係がある。人は成功を経験すると、その瞬間だけでなく、後々になってもその成功を思い出すだけで気持ちがよくなるもの。成功体験に浸っているときは、脳が活性化し、「またやりたい、できるはずだ」とやる気と自信がわいてくる。そこで、受験生におすすめなのが、いい点数の答案用紙や判定のよかった模試の成績表を机の前に貼っておくこと。自分を戒めるためにと、悪い結果を貼るのは逆効果。勉強中は、見たときに気分が良くなるものに囲まれるよう心がけよう。

《いい点数の答案を机の前に貼る》


【5】ネガティブな気分を切り替えたい

落ち込んだとき、「気分を切り替えよう」と頭では思っても、実際はなかなか切り替えられないもの。そんなときには、ニコッと笑ってみよう。顔の表情と脳内の感情は表裏一体で、「楽しいから笑う」だけでなく、「笑うと楽しくなる」という仕組みになっている。たとえ作り笑いでも、脳は「楽しい」と認識し、気持ちもポジティブな方向へと動くのだ。笑顔の中でもとくに、口角(唇の両端)を上げる笑顔に効果がある。学校や試験会場で落ち込んだときには、トイレに入り、鏡に向かってニコッと笑いかけてみよう。

《口角を上げて笑顔を作る》


【6】気分を盛り上げたい

やる気アップに関係するホルモンの一つに、癒されたような快感をもたらすセロトニンがある。セロトニンは人から褒められたときなどに分泌されるが、自分で自分を褒めても、同様の効果が得られる。褒め方のポイントは3つある。『脳科学的学力アップ講座』で述べたように、「才能や成果」ではなく「努力」を褒めること、こまめに何度も褒めること、そして、声に出して褒めることだ。「小さな目標を設定→努力・達成→自分の努力を褒める」のサイクルをくり返し、自分自身を伸ばすセルフコーチングをすることが重要なのだ。

《声に出して自分を褒める》


【7】休憩後にダラけてしまう

勉強する科目を変えるときには、休憩をはさむ人が多いだろう。実は、これが休憩後の“勉強イヤモード”を増進させている。休憩後、問題集や参考書を出して、ページを開いて、という作業は、勉強開始へのハードルとなっているのだ。このハードルを下げるために効果的なのが、休憩に入る前に5分間だけ、次の科目の勉強をしておくこと。休憩後にゼロからではなくイチから始められるよう準備しておくだけで、スムーズに始動できるのだ。夜寝る前も同じ。机の上はキレイに片づけておくのではなく、翌日やることを用意しておくといい。

《次の教科を5分間だけやる》


【8】集中力がすぐに切れる

集中力が切れた状態でダラダラ勉強していては、効率が悪く時間ももったいない。しかも、脳が疲れてくると、ダラダラしているという自覚さえ感じにくい。そこでおすすめなのが、15分ごとにアラームを鳴らして、「ちゃんとやってる?」と自分自身に注意喚起すること。15分ごとに気持ちがプチリセットできることに加え、次の15分でここまでやる、と小目標が立てやすく、メリハリのある勉強ができる。また、これを続けていると、時間の感覚がつかめるようになるため、試験などでペース配分を考えるときにも有効だ。

《15分間ごとにアラームを鳴らす》


【9】頭がぼんやりしてきた

前述のように、人間にとって自然な学習とは、「体を動かし五感を使って、体験の中で学ぶ」というスタイル。黙々と机に向かうのは、脳にとっては不自然なことなのだ。頭がぼんやりしてきた、なんだか眠たい、集中力が切れてきた、というのは、脳が疲れたというサイン。脳全体を活性化させるには、30分ほど散歩をするのがベストだが、椅子からパッと立ち上がり、その場で足踏みをするだけでも効果がある。できれば、自分の部屋をぐるりと一周し、深呼吸をしてみよう。頭がスッキリする感覚が得られるはずだ。

《パッと立ち上がり、足踏みをする》


【10】三日坊主になりがち

脳科学的学力アップ講座』で述べたように、「達成率7 割程度の目標」という のが、脳が一番意欲的になる目標設定だ。計画を立てても三日坊主になるのは、理想が高すぎて現実的ではないから。まずは「2時間で何をどれだけ勉強ができるか」を知り、それよりも少しだけ高い目標を設定してみよう。2時間でできる量がわかれば、1日あたり、さらには1週間の最適量も見えてくる。重要なのは、時間と量の両方を考慮すること。「○日で△までやる」と決め、自分の実力よりも少しだけ高いハードルに挑戦していこう。その積み重ねで、最終的には高い目標に到達できるのだ。

《達成率7割の目標を立てる》



《脳》[Column]秋からの学習を支える“朝勉”のすすめ


2学期が始まると、学習時間の確保が課題になる。
「忙しい受験生には、かなりおすすめ!」と吉田先生が太鼓判を押す“朝勉”の効果とは!?

朝の1時間は夜の2時間分に相当する

人体は、1日周期のリズムを刻んでおり、時間帯によって神経系やホルモンなどの働きが異なっている。受験生にとってとくに重要なのが、朝の過ごし方だ。
 朝は、睡眠により脳がリフレッシュされた状態にあり、新しい分野や苦手な分野など、自分にとってハードルが高いと感じている分野の勉強をするのに最適だ。朝の1時間は夜の2時間分に相当するとも言われている。夜に「わからない…」と煮詰まってしまったときは、スパッとあきらめて寝てしまい、翌朝フレッシュな気持ちで再挑戦するのが、脳科学的にはおすすめ。朝早く起きるのは辛いかもしれないが、効果は非常に大きいと吉田先生は言う。朝はまさに、ゴールデンタイムなのだ。
 また、週末にその週に勉強した内容を総復習することも重要だ。バラバラだったピースが一つの絵になるように、全体像が見えてくる。そして、新たな発見や他との共通点、相違点が見えてくることで、脳への定着度がぐんとアップする。朝時間の活用と週末の総復習は、受験生には欠かせない時間戦略なのだ。

脳科学的“時間活用術”

休日の午前中の使い方を見直そう!
 思考力は起床後5~6時間後まで上昇
 ⇒午前中は、数学や論理的な文章の読解に最適

夜の学習方法を工夫してみよう!
 情緒を司る副交感神経は夕方以降に高まる
 ⇒夕方~夜は、感情を活用した勉強が効果的

脳科学的記憶術をマスターしよう』で紹介した記憶術を活用しよう!
 記憶は睡眠中に整理・定着する
 ⇒寝る前30分間は、記憶タイムにあてる

気になる項目をチェック! 【脳】編

すばやくエンジンをかけたい
□ 5分間音読で脳を起動
勉強モードに入れない
□ 5分間だけ勉強する
やる気が持続しない
□ ガッツポーズをする
自信がなくなってきた
□ いい点数の答案を見る
気分を切り替えたい
□ ニコッと笑う
気分を盛り上げたい
□ 自分を褒める
休憩後にダラけてしまう
□ 次の教科を少しやる
集中力がすぐに切れる
□ 15分間ごとにアラーム
頭がぼんやり…
□ 立ち上がり、足踏み!
いつも三日坊主
□ 達成率7割の目標を立てる
苦手分野が進まない
□ “朝勉”で効果倍増!

脳の性質に基づいて勉強をに変える方法は…

吉田たかよし先生

吉田たかよし

医学博士・本郷赤門前クリニック院長。東京大学工学部卒。NHKのアナウンサーとして活躍後、医学部に再入学し、東京大学大学院医学博士課程修了。現在は、受験生専門の医療機関・本郷赤門前クリニック院長、学習脳科学研究所所長、学習カウンセリング協会理事などを務める。『脳に効く! 絶対合格できる勉強法』(講談社)など著書多数。本郷赤門前クリニックHP


この記事は「蛍雪時代(2014年9月号)」より転載いたしました。


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