
人類共通の知的資産であるスポーツを学際的・実践的に研究開発
スポーツを通し創造性とバイタリティに富む有為の人材を育成
●国立唯一の四年制体育大学として誕生
人間は、生命を維持し、生活していくのに必要な行為をするだけではなく、人生をより豊かに、充実して生きるため、様々な身体的・精神的な欲求の充足を求めています。
スポーツは、肉体的存在である人間の、身体を動かすこと自体に対する根源的な欲求にこたえるばかりでなく、爽快感、達成感、知的満足感、他者との連帯感等の精神的充足を与えてくれます。「スポーツを通じての生活の質の改善をはかる」試みといわれるもので、文部科学省の「スポーツ振興基本計画」(2000年)でも、スポーツは人類共通の文化と位置づけられています。
しかし現代社会では、身体的活動の機会が減少したばかりでなく、経済的・物質的な豊かさの追求など社会環境や価値観の変化していく中で、改めて、心身の豊かさ、健やかさが問われる時代となりました。鹿屋体育大学は、現代に生きる人々の心身両面に影響を与える「文化としてのスポーツ」の本質を、国民に明示するという重要な責務をもって、国立唯一の四年制体育大学として1981年に誕生。スポーツが、健康の増進、体力の向上に資するだけでなく、生活を明るく豊かにし、活力に満ちた社会の形成に貢献する「文化」をもたらすものであることを考究する機関として広く認められようになりました。
●科学的知識を基礎に幅広い応用力、優れた指導力を育成
人間の可能性の極限を追求する営みの一つである高度の競技スポーツは、見る人も大きな感動や楽しみ、喜びを与える先端的な学術研究や芸術活動と共通する文化的行為と位置づけられています。記録や勝利という目標に向かって全力を傾けるプロセスが、楽しさや喜び自体を求めて自発的に行っている活動という点で、文化の本質に沿うものと評価されているのです。
またスポーツが同一のルールの下で行われるため、言語の障壁を越えて世界共通の文化として、国際的に相互理解を促進し、友好と親善を深める上で極めて重要な役割を果します。国際親善が政策課題となっているわが国にとっては、21世紀のスポーツ振興策は、国立大学としての指針と一致し、それは文化国家としての方向性を示すものでありましょう。
国立大学法人鹿屋体育大学は、国民各層のスポーツへの多様なニーズに応える教育・研究組織を編成して、スポーツを通して、創造性とバイタリティに富む有為の人材を育成しています。教育に関しては実学を重視して、科学的な基礎知識をもち、幅広い応用能力と優れた実技指導力を有する人材を育てると宣言しています。しかもスポーツを通じて国際的感覚を身につけることができるよう、東南アジア諸国はもとより、欧米の大学とも学術交流協定を結んで、研究者の交流や学生の交流を積極的に推進しています。運動による心身の健康づくりに関する研究は、PALSプロジェクトとして地域社会との連携・協力のもとに活性化がはかられ、目下6テーマが進展しています。学生の競技力向上をはかるための研究はTASSプロジェクトと呼ばれ、目下5種目について特別強化支援が進められています。アテネ五輪の水泳研究プロジェクトは、JOCから2004年度の「トップアスリートサポート賞」を受賞するまでに成長しています。
鹿屋体育大学
学長
芝山秀太郎先生
(しばやま ひでたろう)
東京大学教育学部、同大学院教育学研究科博士課程満期
退学。医学博士。体力医学研究所副所長を経て1983年鹿屋体育大学体育学部教授。2000年に学長就任。専門は運動処方論で中高年の体力特性の研究で著名。「フィットネススポーツの科学」(朝倉書店)など共著書多数。

